FOLLOW US

セレソンの復活はドゥンガの手に! 新監督の船出は因縁の対コロンビア親善試合。ネイマールとスニガの対決は見られるか!?

2014.07.23

7月22日、リオデジャネイロ。CBFでブラジル代表就任の発表記者会見に臨むドゥンガ新監督 [写真]=Getty Images

 目を疑うような惨劇となったドイツ戦の大敗の責任を取り、フェリポンはすでにセレソンを去った。この危機的状況を救うべくブラジルサッカー協会(CBF)が白羽の矢を立てたのは?

 フェリポン退任を受けブラジルメディアは、一斉に次期監督候補の予想をスタート。なかでも有力だったのが、元コリンチャンス監督のチッチと、現在サンパウロを率いるムリシ・ハマーリョ。ともに実績は十分であり、つねに名前が上がっている人物だ。

 ところが、17日に元セレッソ大阪のGKジウマールのコーディネーター就任が発表された途端、あるひとりの男の名前がにわかに浮上した。

 それがドゥンガであったのだ。

 ジウマールとドゥンガといえばすぐに思い浮かぶのが、ともに1994年アメリカ大会の優勝メンバーであるということ。当時ドゥンガは主将を務め、ジウマールは控えGKであった。

 しかしあまり知られていないが、ふたりの友情は実に30年以上の長きに渡るのである。

 最初の出逢いは、1983年のインテルナシオナウ。さらにクラブでの繋がりだけでなく、1984年のロサンゼルス五輪にも彼らは招集されている。この時ジウマールは25才。ドゥンガは21才であった。この頃の様子を当時の監督であったジャイール・ピセルニ氏は、どこに行くのも一緒でとにかく仲が良かったと回想している。

 ドゥンガにとって、これが代表監督として2度目のキャリアとなる。

 ここに至るまで彼は85名の選手を代表に招集している。そのうち今回のブラジル大会にも出場しているのは、ジュリオ・セーザル、ヴィクトール、マイコン、エンヒーキ、ダニエウ・アウヴェス、マルセーロ、チアゴ・シウバ、ハミーレス、エルナネス、ジョー、フレッヂの11名だ。

 4年間の在任中に獲得したタイトルは、2007年のコパ・アメリカ(ベネズエラ)と、2009年のコンフェデレーションカップ(南アフリカ)の2大会のみ。前回の退陣のきっかけとなったのが、2010年南アフリカ大会でのオランダ戦における敗退。例のフェリピ・メロの踏みつけ事件があった試合だ。

 あまりに南アフリカでの記憶が鮮明なのだが、あらためて調べてみると、試合成績は決して悪くない。勝敗に関しては、60試合で42勝12分6敗と強豪国としての面目は保っていたのだ。

 主なメンバーを見ても、カカー、ホナウジーニョ、ホビーニョ、ヂエゴなどのビッグネームだけでなく、国内外で頭角を現した若手もきっちりテストしている。

 ドゥンガのセレソンといえば、話題となったのがアメリカ大会をともに戦ったジョルジーニョが片腕だったことだが、アシスタントコーチとしての手腕が発揮されることはなかった。

 現代のサッカーにおいては、補佐役となる人物の選考も、チームの未来を占ううえで重要な要素となる。今回ドゥンガを支えるのは、昨年のインテルナシオナルで一緒だったセボーラこと、アントニオ・ロペス氏。彼は数々のユースチームを率いた経験があるので、有望な若手のセレソン入りが期待される。

 さて、文字通り「前途多難」なセレソンの船出となるのは、9月に予定されているふたつの親善試合。ともにアメリカ合衆国で開催され、5日のコロンビア戦(マイアミ)、9日のエクアドル戦(ニュージャージー)で新たなチームが披露される。

 コロンビア戦ははやくも因縁のリベンジマッチとなるが、果たしてネイマールとスニガの対決は実現するのか? 実は前回の在任中、ドゥンガはネイマールを一度も代表に招集せず、南アフリカ大会のメンバーにも名前はなかった。

 このことについて、「何も批判されることなどないよ。ネイマールは前年の12月はサントスの控えで、ようやく1月にレギュラーとなったばかり。代表メンバー発表前の親善試合は3月のアイルランド戦が最後。まだまだ代表でプレーする準備がされていなかっただけ」と、ドゥンガは時期尚早を理由にあげている。

 ブラジルが本来の姿を取り戻すために当面の目標とするのは、来年、2015年にチリで開催される「コパ・アメリカ」。

 この大会についてドゥンガは、「サポーターに輝ける未来を約束することなどできないよ。コパ・アメリカにはたくさんの困難が待ち受けてるはず。我々のライバルは、ワールドカップの予選を経験してから、ますます力をつけているからね」と警戒心を強めている。

 日本でも鬼軍曹と知られているドゥンガだが、メディアとの関係はいままで決して良好とはいえなかった。これは本人も認めているところであり、国民の信頼を取り戻すためには、一刻も早く取材陣を味方につけることも必要になるかもしれない。

(記事/MEGA BRASIL、文/MENGO DO JAPAO(平野信生))

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO