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なでしこジャパン、スウェーデンに敗れW杯8強敗退…終盤に林穂之香が1点返すも反撃及ばず

2023.08.11

試合終盤に1点を返した林穂之香 [写真]=Getty Images

 FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023・準々決勝が11日に行われ、なでしこジャパン(日本女子代表)とスウェーデン女子代表が対戦した。

 3大会ぶりの優勝を目指すなでしこジャパンの前に、“絶対王者”を破ったスウェーデンが立ちはだかる。グループステージを3戦全勝で通過したなでしこジャパンは、5日に行われた決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でノルウェー女子代表に3-1で勝利。2大会ぶりにベスト8入りを決めていた。対するスウェーデンもグループステージで3戦全勝を記録。6日に行われたラウンド16では大会2連覇中だったアメリカ女子代表をPK戦の末に下していた。なお、両者は東京オリンピックの準々決勝でも対戦しており、当時はなでしこジャパンが1-3で敗北。今大会では当時の“リベンジ”も狙う。

 なでしこジャパンを率いる池田太監督はノルウェー戦からスターティングメンバー1名を変更。左のウイングバックを務めていた遠藤純に代わって杉田妃和が先発に入った。その他の選手はノルウェー女子代表戦と同様の面々に。キャプテンの熊谷紗希、中盤で攻守にチームを支える長野風花と長谷川唯、ここまで5ゴールを挙げて大会の得点ランキングトップを走る宮澤ひなたらがスタメンに並んでいる。一方、スウェーデンはアメリカ戦と同じ11名がスターティングメンバーに並んでいる。

 試合はお互いに出方を探るような入りとなり、スウェーデンがボールを保持する時間が多かったものの、なでしこジャパンも決して焦ることなく対応していく。最初のチャンスは25分。スウェーデンは最終ラインからシンプルなロングフィードを送ると、右サイドに流れたスティナ・ブラクステニウスが背後のスペースに侵入。熊谷が入れ替わられてピンチを迎えたものの、強引に放った一撃は枠を外れ、なでしこジャパンとしては難を逃れた。

 その直後の28分、なでしこジャパンも反撃へ。ペナルティエリア右から縦への突破を試みた清水梨紗がクロスボールを送るも、中央に走り込んだ杉田妃和にはわずかに合わない。なかなかフィニッシュまで持ち込めないシーンが続くと、32分には自陣でセットプレーを与えてしまう。ペナルティエリアをめがけたふわりとしたボールはGK山下杏也加がパンチングで処理したものの、そこから大きくクリアできず、ボックス内で混戦が発生。最後はアマンダ・イレステットに押し込まれ、なでしこジャパンは今大会初の先制点を与えることとなった。

 なでしこジャパンが反撃の糸口を見つけられずにいると、42分には再びスウェーデンがビッグチャンスを作り出す。ペナルティエリア手前でフリドリーナ・ロルフォが左足でパスを繋ぐと、待っていたコソヴァレ・アスラニが強烈な右足フィニッシュ。シュートは枠を捉えていたものの、GK山下がわずかに触ってコースを変え、ポストに直撃した。その後もなでしこジャパンは突破口を見出すことができず、前半はこのまま1点ビハインドで終了している。

 後半に入るとなでしこジャパンが動く。杉田に代わって遠藤を投入し、左サイドの入れ替えを実施した。それでも後半最初のシュートはスウェーデンが放つ。立ち上がりの47分、ヨハンナ・リッティン・カネリドが右足を振り抜いた。枠を捉えた一撃はGK山下がファインセーブ。しかし、直後のコーナーキックの中で長野のハンドが確認され、オンフィールドレビューの結果スウェーデンにPKが与えられる。このPKをフィリパ・アンイエルダールに決められ、なでしこジャパンは2点を追いかけることとなった。

 失点直後、なでしこジャパンは最前線に入っていた田中美南に代えて植木理子をピッチに送り出す。植木の投入を機に、なでしこジャパンは徐々に敵陣に侵入するシーンを増やしていくが、なかなか決定機を作り出すまでには至らない。68分にはペナルティエリア内でクロスボールのこぼれ球に反応した長谷川がダイレクトで狙うも、シュートはクロスバーを超えていった。

 徐々に試合の流れを引き寄せていくなでしこジャパンは71分、敵陣で細かくパスを繋ぎながら前進すると、長野のパスから藤野あおばが左足でシュートを狙う。ファーサイドを狙い澄ました一撃はGKに阻まれ、得点とはならなかった。

 勢いに乗るなでしこジャパンは74分、ペナルティエリア手前で前を向いた植木が積極的な仕掛けでボックスに侵入すると、相手のファウルを誘発してPKを獲得する。倒された植木自身がキッカーを務め、右足で強烈な一撃を狙ったが、ボールは無常にもクロスバーを叩いた。

 攻撃の手を緩めないなでしこジャパンは87分、ペナルティエリア手前の位置の位置でフリーキックを獲得するも、藤野が右足が狙ったシュートはクロスバーを叩き、あと一押しが足りない。それでも直後の87分、左サイド高い位置でボールを受けた遠藤が落ち着いて繋ぐと、植木が積極的なターンから左足で中央へ送る。このボールは相手に先に触られたものの、ルーズボールを狙っていた林穂之香がゴールネットを揺らし、なでしこジャパンが土壇場で1点を返した。

 アディショナルタイムの10分もなでしこジャパンは攻め続けたが、最後まであと1点が遠く、試合はこのままタイムアップ。東京五輪に続いてスウェーデン相手に涙を飲み、今大会のなでしこジャパンの冒険はベスト8で幕を閉じることとなった。勝利したスウェーデンは15日に行われる準決勝でスペイン女子代表と対戦する。

【スコア】
なでしこジャパン 1-2 スウェーデン女子代表

【得点者】
0-1 32分 アマンダ・イレステット(スウェーデン女子代表)
0-2 51分 フィリパ・アンイエルダール(PK/スウェーデン女子代表)
1-2 87分 林穂之香なでしこジャパン

【スターティングメンバー】
なでしこジャパン(3-4-2-1)
GK:山下杏也加
DF:高橋はな(90+2分 浜野まいか)、熊谷紗希、南萌華
MF:清水梨紗、長野風花(80分 林穂之香)、長谷川唯、杉田妃和(46分 遠藤純)
FW:藤野あおば、宮澤ひなた(80分 清家貴子);田中美南(52分 植木理子)

By サッカーキング編集部

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