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神の手、5人抜き…あの伝説の試合で笛を吹いた主審が当時を回顧「審判として誇り」

マラドーナの"神の手"ゴール [写真]=Getty Images

 1986年のFIFAワールドカップ(W杯)メキシコ大会で、25日に逝去した英雄ディエゴ・マラドーナの“神の手”ゴールや“5人抜き”ドリブルが生まれた準々決勝のアルゼンチン対イングランドの一戦で、主審を務めたチュニジア人のアリ・ビン・ナセル氏が当時を振り返った。27日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 “神の手”ゴールによる先制点が生まれた51分を、ナセル氏は「イングランドのDF(スティーヴ・ホッジ)がボールを持っていてそれを送り返すと、マラドーナが(相手GK)ピーター・シルトンと共に空中にいて、二人とも私とは反対側を向いていたね」と当時を鮮明に回顧した。

「彼らは私のアシスタントレフェリーだったブルガリア人のボグダン・ドチェフと対峙していた。私は最初躊躇していて、ピッチ中央に戻ってゴールを確認しているドチェフをちらりと見たんだ。彼はハンドの合図をしなかったよ」

「試合前にFIFAが我々に与えた指示は明確で、もし仲間が自分よりも良いポジションにいたら、その見解を尊重すべきだとね。もしFIFAがヨーロッパの審判にこのような大事な試合の笛を吹かせていたら、マラドーナの先制点は無効になっていただろうね。私にとっては100パーセントFIFAのガイドラインに沿ったゴールだったよ」

 また、そのわずか4分後には“5人抜き”ゴールが生まれた。「マラドーナは中盤から出てきて、私は彼を近くで追っていたんだ。彼のような選手の審判をするときは目を離すことができないからね」と振り返り、以下の様に続けた。

「イングランドの選手たちは3度も彼を倒そうとしたが、彼の勝利への欲求が彼を前に押し出し続けたんだろう。彼がボックスに入るまで私は何度も『アドバンテージ』と叫んでいたよ」

「私はボックスの外から見ていて、この選手がどのように3人のDFをかわして、50メートル近くも走ってきたのかと思ったね。『DFが彼を倒そうとするだろう』と思っていたね。そうなることを予想していて、ペナルティの笛を吹く準備はできていたよ」

「驚いたことに、彼はドリブルで他のDFとGKの間を抜けて“世紀のゴール”を決めたんだ」

「この歴史的な偉業に、一人の人間として、審判としての役割を果たせたことを誇りに思うし光栄だ」

「もし私が3つの接触でファウルの笛を吹いていたら、あんなに素晴らしいものを目撃することはなかっただろう。私が与えたアドバンテージは、私の最も誇れる成果だよ」

 2015年にマラドーナがナセル氏のチュニジアの自宅を訪れた時には「君がいなかったら、世紀のゴールを決めることはできなかっただろうね」と言われたといい、「Para Ali Mi Amigo Eterna(私の永遠の友、アリへ)」と書いたジャージをもらったエピソードも明かしている。

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