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カルチョ大好き“3人衆”がセリエA全20クラブに言いたい放題!(1)

2020.06.17

[サッカーキング No.012(2020年4・5月合併号)掲載]

 せっかくカルチョを特集するのだから、セリエAの全20クラブを取り上げたい! そんな編集部からの無茶振りに、“いつもの”3人衆が応えてくれました。

カルチョ
【登場人物】
北川義隆/フリーアナウンサー(中央)
DAZNでセリエAの実況を担当。現地の情報や選手の小ネタを含んだ“雑談実況”がセリエファンの人気を集める。生粋のロマニスタで、ローマに1999年から10年間移住した。
 
伊東聡志/元サッカーキング統括編集長(右)
三浦知良の影響で、高校卒業後にイタリアへ留学。帰国後はサッカー番組の制作やWebサイト、雑誌編集に携わる。推しはフィオレンティーナ。今回は02-03シーズンのユニで登場。
 
細江克弥/サッカーライター(左)
サッカー専門誌の編集部を経て2009年に独立。インタビューや記事執筆だけでなく、雑誌や書籍の編集、企画&構成なども手がける。公にはしていないが心のクラブはユヴェントス。

伊東(以下I)――えっとですね、皆さん。今回は「セリエAの20クラブについて、おもしろおかしく自由に話してください」という編集部からのオーダーでして。
北川(以下K)――20クラブ! かー!
細江(以下H)――原稿書くの誰ですか?
I――細江さんです。
H――かー!
K――こりゃ大変だ。
I――というわけで、時間ないからどんどんやりましょう! アルファベット順!
H――オッケーです。じゃあアタランタから。
K――やりましょう!

ATALANTA アタランタ/4位
あれだけ走れる理由は
シャトルランにある?

アタランタ
K――放送でもお話ししたネタなんですけれど、アタランタには、あの有名な「シャトルラン」というトレーニングの生みの親がいるんです。カルロ・アンチェロッティがユヴェントスの監督を務めていた頃(1999~2001年)にアシスタントコーチとして連れてきた、ヤン・バングスボというデンマーク人コーチがいるんですけれどね。あの頃って、アタランタの現監督であるジャン・ピエロ・ガスペリーニさんもユーヴェにいたじゃないですか。
I――いましたね。
H――ドメニコ・クリシート、セバスティアン・ジョヴィンコを擁したプリマヴェーラ黄金時代の監督。
K――そうそう。その頃のつながりがあるので、ガスペリーニさんがアタランタに引き抜いたんですよ。バングスボさんを。ルックス的にはものすごくガタイが良くて、迫力がある人なんですけれど。今となってはどのクラブでも実施している「ヨーヨーテスト」という持久力テストは、実はあの人が開発したものなんです。
H――だからあんなに走れるのか。アタランタ。

細江克弥

なるほどね、と納得する細江さん


I――今シーズンはホントにすごい。7点取った試合が3つもあるんですよ。チャンピオンズリーグもベスト8まで行っちゃいそうだし。
H――あれだけアグレッシブでリスキーなサッカーを、あれだけ確信的に、自信満々でやっちゃうチームは世界中どこを探してもアタランタだけですからね。あのサッカーに圧倒されたら回復までに時間がかかるから、そのままズルズルと7点取られちゃうんだと思います。
K――ベルガモの街も盛り上がっているみたいですよ。スタジアムが改修中だからCLはミラノのサン・シーロで行っているんですけれど、12万人しかいないベルガモ市民の3分の1にあたる4万人がミラノに駆けつけたそうですから。その日は14時でほとんどの店が閉まってしまって、「スタジアムに応援に行くから休みます」という張り紙があちこちで貼られていたとか(笑)。
I――最高(笑)。それでこそイタリア。かつての「育成のアタランタ」も、いまや外国籍選手だらけですけど。
K――スカウティングのやり方を変えたんですよね。
H――昔みたいに「一から育てる」じゃなく、「有望株を取ってきて育てる」という感じになった気がします。
K――そうそう。あ、それから、GKのピエルルイジ・ゴッリーニについてめちゃくちゃおもしろいネタがあるんですよ。それはDAZNの中継で紹介しますね(笑)。

BOLOGNA ボローニャ/10位
良くも悪くもムードメーカー
一番ウザい!? オルソリーニ

K――冨安健洋がいることもそうなんですけれど、ボローニャは皆さんにオススメしたい街なんです。まずは、ミラノから1時間ちょっとしかかからないこと。でも、ミラノと比較してブランドショップにちゃんと商品が残っている。人が少ないから(笑)。ちなみにスタジアムは、中央駅からバスで15分くらいです。練習場はちょっと遠いのでアレですけれど。
I――ボローニャのスタジアム、レナート・ダッラーラはいいですよね。レンガ造りの風情がちゃんと残っていて、でもベンチを入れ替えたばかりだからすごくキレイで。
H――それにしても、よくやってますよね。あれだけケガ人が多いチームなのに、シニシャ・ミハイロヴィッチ監督を中心とする団結力にブレがない。この順位は立派だと思います。冨安は完全に信頼を得ているし、評価は上がる一方ですね。
K――現地の記者に聞いたんですけれど、右サイドで冨安とコンビを組むリッカルド・オルソリーニがなかなかのキャラクターみたいですよ。その記者は「一番ウザいヤツ」みたいなことを笑いながら言っていました(笑)。

北川義隆

“小ネタ”を含め、現地の情報を教えてくれる北川さん


I――なるほど、良くも悪くもムードメーカーみたいな。
H――ある意味、プレースタイルから伝わってきますけどね(笑)。

BRESCIA ブレシア/20位
目立つのは天才トナーリだけ
バロテッリにはがっかり……

K――ちょっと厳しいかな。
H――開幕前の期待感はすごかったですけどね。超新星のサンドロ・トナーリがいて、あのマリオ・バロテッリが加入して。
K――バロテッリは地元に帰ってきて頑張るかなと思いましたけどね。
H――トナーリだけセリエAに残る感じかな。あの選手はすごい。
I――僕も去年現地でトナーリを見ましたけど、1人だけ才能が飛び抜けてました。
K――カルチョファンとしてはアタランタとのロンバルディア・ダービーをもっと見たかったですけどねえ……。

CAGLIARI カリアリ/12位
前半戦を盛り上げた島クラブ
プロヴィンチャーレの夢!

H――シーズン序盤前の主役! 感動をありがとう!
I――サッカーキングのYouTubeチャンネルで動画をアップしてから、なんと1度も勝っていません(笑)。
K――だからね、いつも言ってるじゃないですか。プロヴィンチャーレ(地方クラブ)は夢を見ちゃいけないんです。地に足をつけて歩かないと! 前半戦をひと回りしたら、やってるサッカーがバレちゃうんですから。
H――バレちゃいました。完全に。
I――ついに解任されてしまったロランド・マラン前監督には、そこから何とかする引き出しはなかったですね……。
H――でも、いいんですよ。それでいいんです。だってカリアリはプロヴィンチャーレであって、サルデーニャ島のクラブであって、それだけで夢とロマンがありますから!
K――セリエAに“島クラブ”は絶対に必要ですからね。パレルモがいない今、カリアリは絶対に残留してほしい。知ってます? サルデーニャ島の女性はめちゃくちゃキレイなんです。あのクリスティアン・ヴィエリの元彼女でジョージ・クルーニーの前パートナーであるエリザベッタ・カナリスさんは、サルデーニャ出身なんです。しかも、実はこの間、日本に来てたんですよ! ぜひ私が案内したかったなあ~~!(笑)

エリザベッタ・カナリス

北川さんが「日本を案内したかった」というエリザベッタ・カナリスさん。たしかに、お美しい……

FIORENTINA フィオレンティーナ/13位
フィレンツェに新スタジアムは
建てられません……

K――新スタジアムを建てるのはムリなんですよね?
I――そうなんですよ。オーナーのロッコ・コンミッソさんが、アメリカのラジオ番組に出演して「イタリアに新しいスタジアムを建てるのはムリだ」とボソッとこぼしていました。新しく建てる場所はないし、ほとんどのスタジアムが歴史的建造物だから簡単には壊せないって。

伊東聡志

フィオレンティーナの話になると自然と笑顔になる伊東さん


K――京都と同じなんですよ。国中が遺跡だらけだから、ちょっと掘ったら文化財が出てきちゃって工事できない(笑)。それにしても、冬のマーケットは大勝利でしたよね。パトリック・クトローネが来て、クリスティアン・クアメが来て、アルフレッド・ダンカンが来て、イゴールが来て。しかも来夏にはヴェローナからソフィアン・アムラバトが来る。
H――でも、それってつまり“大放出”の予感プンプンなのでは? 特に、フェデリコ・キエーザとガエターノ・カストロヴィッリ……。
I――落ち込んじゃうんで、やめてください(笑)。

文=細江克弥
写真=須田康暉、ゲッティイメージズ

※この記事はサッカーキング No.012(2020年4・5月合併号)に掲載された記事を再編集したものです。そのほかのクラブも順次公開していきます。お楽しみに!
6月18日(木)公開予定:ジェノア/インテル/ユヴェントス/ラツィオ/レッチェ
6月19日(金)公開予定:ミラン/ナポリ/パルマ/ローマ/サンプドリア
6月20日(土)公開予定:サッスオーロ/スパル/トリノ/ウディネーゼ/ヴェローナ

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By 細江克弥

1979年生まれ。神奈川県出身。サッカー専門誌編集部を経てフリーランスに。サッカーを軸とするスポーツライター・編集者として活動する。近年はセリエAの試合解説などでもおなじみ。

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