2019.08.02

【ボローニャ街歩きガイド】冨安健洋の移籍で話題の街、その魅力やおすすめスポットを紹介

ボローニャ
ボローニャの魅力を紹介 [写真]=佐藤徳和
1998年にローマに語学留学し、同市内のアマチュアクラブ、ロムーレアの練習に参加。カルチョだけでなく全てのアッズーリをこよなく愛し、日伊協会会報誌『CRONACA』では、イタリアに特化したスポーツ記事を連載中。2017年11月『使えるイタリア語単語3700(ベレ出版)』を共同執筆。イタリア語検定協会事務局員。日伊協会にて4月より『カルチョで旅するイタリア』が開講。

 日本代表DF冨安健洋が新加入したボローニャ。本拠地があるその同名の街は、イタリア北部エミーリャ・ロマーニャ州の州都であり、イタリアで人口7番目の数字を誇る。また、欧州最古の総合大学があることから若者が多く活気に溢れ、そして、イタリア有数の美食の街としても知られていることから、近隣のドイツやスイスを中心に世界中から多くの観光客が訪れている。富安選手がボローニャに移籍したこともあって、日本人サポーターがこの町を訪れる機会も増えるだろう。今回は、そんなボローニャの街を案内したい。


■主要都市からのアクセス

 ボローニャへは首都ローマのテルミニ駅から、トレニイタリア社の高速鉄道フレッチャロッサもしくはフレッチャアルジェントを利用すれば、料金は62ユーロ(約7400円)から、最短1時間55分で到着できる。またもう一つ、NTV社の高速鉄道、“列車のフェラーリ” の異名を持つイタロでは約2時間15分。こちらは54.90ユーロ(約6500円)からの料金設定となっている。

 一方、第2の都市ミラノからは、フレッチャロッサで59分と1時間を切るほどアクセスが良く、料金は48ユーロ(約5700円)からとなっている。イタロを使えば、時間こそ1時間12分と多少長くなるが、39.90ユーロ(約4700円)とフレッチャロッサよりも多少安い料金設定となっている。そのときの運行状況や希望料金によって選択することとなるが、行きと帰りで双方の列車の乗り心地などを比べてみるのも良いかも知れない。

■スタジアム

レナート・ダッラーラ

レナート・ダッラーラのマラトーナの塔

 ボローニャの本拠地は、1927年建設と90年以上の歴史を誇るスタジアム。スタジアムの名称、レナート・ダッラーラは、地元出身で1934年から30年間クラブの会長を務めた人物の名を冠したもの。在位中には4度のスクデットを獲得するなど、クラブ史で欠かせない人物となっている。ワールドカップが行われた1990年には大規模な修繕工事が行われ、現在は3万6462人の収容能力を持つ。

 足を踏み入れると、このスタジアムがほかと異なる姿を持っていることがすぐに分かる。バックスタンド中央に聳える塔だ。『トッレ・ディ・マラトーナ』の名前を持つ高さ42メートルのモニュメントで、イタリア統一運動のために戦ったボローニャの英雄ウーゴ・バッシが射殺された地に、アスリートたちの精神力と耐久力を讃えて1929年に建設された。また、現在は電波塔としての役割も担っている。

 なお、レナート・ダッラーラはトラックを排除した改築計画が持ち上がっているが、この塔は残され、新しいスタジアムに取り組まれる予定となっている。この歴史あるスタジアムには、中央駅から21番の市内バスを利用するのが便利だ。バスに乗って15分ほどでスタジアム近くのスタディオ停留所まで着くことができ、そこから約5分でスタジアムに到着可能だ。中心街からスタジアムに向かう14番のバスでもスタジアムに向かうことはできる。ただし、ボローニャ中心街は、“Zona T”もしくは“T Days”といった土日祝祭日に車両通行禁止区域が設けられており、停留所が変わる場合があるので注意が必要だ。

■街を散策

ボローニャ

マッジョーレ広場のシンボル、ネットゥーノの像

 試合がない日はぜひこの歴史ある街を散策したい。ボローニャの街は、“ポルティコ”と呼ばれるアーケードの歩行者通路が市内の至るところまで張り巡らされており、快適に街歩きを楽しめる。ただ、市販のガイドブックでは「天候に関わらず、街歩きを楽しめる」と書かれていることが多いが、実際には道路を渡る際にはポルティコが切れてしまうので、やはり傘を持つことは必要となってしまう。

ボローニャ

市内に張り巡られているポルティコ

 中央駅から約20分のマッジョーレ広場は、必ず訪れたいところだ。先ずはネプチューンの噴水が、この広場への到着を歓迎してくれる。広場にはゴシック様式の傑作、サン・ペトロニオ大聖堂が鎮座。重厚な市庁舎には図書館が付属されている。ボローニャは絵本の街としても知られており、世界中から集められた絵本を読むことができる。マッジョーレ広場のすぐ近くには、この街のシンボルであるボローニャの2本の塔が聳える。ガリゼンダと呼ばれる低い塔は48メートル。高いアジネッリの塔は97メートルで、どちらも頂上まで登ることが可能だ。高さ制限が設けられている街の中心街から大パノラマが広がり、晴天時にはアルプス山脈が見えることも。しかし、大学生は登ることを躊躇した方が良いかも知れない。ボローニャ大学の学生の間では、「大学を卒業しないと2つの塔を上ってはいけない」という言い伝えがあるからだ。

ボローニャ

ゴシックの傑作、サン・ペトロニオ大聖堂

ボローニャ

市庁舎内の図書館

ボローニャ

ボローニャのシンボル、2つの塔。脚力に自信のある人は頂上まで登ることも可能だ

■本場のパスタ、生ハムもぜひ

ボローニャ

タリエーレと呼ばれるまな板に乗った生ハム・サラミなどの盛り合わせ

 美食の街、ボローニャで食事を外すことはできない。日本でのミートソース・スパゲッティの原点でもあるボロニェーゼ・ソースのパスタはどのリストランテやトラットリアなどでも食することができる一品だ。ただ、この街で使うパスタはスパゲッティではなく、タリアテッレ。卵と小麦粉をベースにした平めんに、濃厚なボロニェーゼ・ソースが添えられたもので、本場のパスタを味わうことができる。生ハムやサラミもぜひオーダーしてみたい一品。タリエーレと呼ばれるまな板にびっしりと乗った一皿は10ユーロ(約1200円)も出せば、日本では味わえないほどのボリュームを堪能できる。日本ではあまりお目にかかれないブイヨンスープのトルテッリーニも、ぜひ味わって欲しい料理だ。

ボローニャ

生ハムとサラミの盛り合わせ、このボリュームで10ユーロ(約1200円)

 おすすめはのスポットは、目抜き通りのリッツォーリ通りから一本、北側に路地を入って行くと突き当たるマルサーラ通り界隈にあるリストランテやトラットリア、もしくはオステリアと呼ばれるレストランだ。グーグルで検索して好みにあった料理店を探すと良いだろう。それから、市内郊外には日本にも支店を構えるイタリアンスーパー、イタリーの巨大版『フィーコ』に足を運ぶのもいいだろう。レストラン、食材店などだけで150店舗を擁す、イタリア中の食材が集められた食のテーマパークだ。中央駅からシャトルバスが30分おきに運行しており、夜はなんと深夜零時まで営業。施設内が巨大ディスコと化すときもあるようだ。

ボローニャ

食のテーマパーク、フィーコ

ボローニャ

フィーコ敷地内の地図。食に関する150ものショップが軒を連ねる

■体力自慢の方は「サン・ルーカ」を徒歩で

ボローニャ

巡礼地サン・ルーカに続く道。今年はジロ・デ・イタリア第1ステージの舞台となった

 最後に訪れたいのは、丘に聳える巡礼地のサントゥアーリオ・デッラ・マドンナ・ディ・サン・ルーカ(通称、サン・ルーカ)。このふもとはレナート・ダッラーラ・スタジアム脇のポルタ・サラゴッツァが巡礼地の入り口となっており、頂上は今年開催されたジロ・デ・イタリアの第1レースのゴール地点となった場所としても知られている。着工は1194年、竣工は1765年と、建設までに600年近くを要した歴史ある教会だ。

ボローニャ

サン・ルーカ頂上からの眺望

 ポルティコのアーケードが入り口から教会まで続き、日中でも時間によっては直射日光を避けながら通ることができるが、約2.2キロの道のりは平均勾配8.7パーセントと容易ではない。体力に自信がない人は、マッジョーレ広場からサン・ルーカまでトロリーバスが出ているので、こちらの利用をおすすめしたい。それでも、やはりこの巡礼地は自分の足を使ってチャレンジしたいところだ。ボローニャのジョーイ・サプート会長は18-19シーズン中、降格の危機にあった時に「残留したらサン・ルーカを登りたい」と験を担ぎ、残留後には公約を果たして徒歩で頂上まで登っている。また、白血病により闘病を余儀なくされたシニシャ・ミハイロヴィッチ監督の回復を願って、多くのサポーターが監督のためにサン・ルーカを訪問し、祈りを捧げた。ボローニャを訪れる冨安選手のサポーターは、その活躍を願って、この地を巡礼してみてはどうだろうか。

文・写真=佐藤徳和/Norikazu Sato

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