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偉大な“カピターノ”バレージに聞いたミランの現在地 「あるべき姿を知る人間がいることは大切」

2019.04.06

インタビューに応じてくれたバレージ

 ミランのレジェンドの1人であり、長年背負った背番号「6」は永久欠番となっている“カピターノ”フランコ・バレージに、デルビー・ディ・ミラノが行われた3月17日の試合前、サン・シーロでインタビューする機会を、わずかな時間ながら得た。

 現在はミランで親善大使のような役割を果たすことが多い彼は、この日も訪れた各国メディアの対応を次々とこなす。

 バレージに現在のミランをどう見ているか問いかけると、「当初の困難な状態から著しく成長を見せ、強固なチームになった。監督は優秀で、彼がチームにアイデアをもたらし、少しずつ成長させた。1月の移籍市場で加入した選手たちのクオリティと力も助けになっている。我々の目標であるトップ4を争えるチームになったよ」と、満足感を示す。

ジェンナーロ・ガットゥーゾ

ミランを率いるガットゥーゾ監督 [写真]=Getty Images

 そのアイデアをもたらしたというジェンナーロ・ガットゥーゾ監督については「難しい状況にも耐え、マネジメントした。常にチームに対して万全の注意を払っている。今は結果を手繰り寄せている段階だね」と手腕を評価し、パーソナリティの面でも「素晴らしい情熱、プロフェッショナル精神を持っている人間で、どんな時でも常に100%を注いでいる」と称えた。

 ミランではこれまでバレージ以降、パオロ・マルディーニ、アレッサンドロ・コスタクルタ、ヤープ・スタム、アレッサンドロ・ネスタ、チアゴ・シウヴァといった素晴らしいCBが在籍してきた。現在はアレッシオ・ロマニョーリが、その系譜を継ぐ者として期待されるが、「ロマニョーリはミランの偉大な選手であることを証明しつつある。今シーズンからキャプテンになり、責任感も備わっている。とても重要かつ支柱となる可能性は大いに秘めているよ」と期待を寄せる。

アレッシオ・ロマニョーリ

期待を受けるロマニョーリ [写真]=Getty Images

 そのミランはシルヴィオ・ベルルスコーニ体制が終わった後、中国資本の元にわたり、リー・ヨンホンが取り仕切るはずだったが、債務不履行に陥り、現在は資金を貸し付けていたアメリカのファンドであるエリオットグループが担保分として譲り受け、運営している。ファンドがオーナーとなったとは言え、ミランの価値を再び高めるため、クラブから離れていたマルディーニを呼び寄せ、レオナルドも招へい。再建の道を歩む。

 バレージは「2人の新たな特性が、素晴らしいクオリティや野心をチームにもたらすことができると証明している。パオロとレオナルドは偉大なプロ意識を持っている。ミランのあるべき姿を知っているということは大切なことで、チームの何から手をつけ、何を要求すればいいかを理解しているからだよ」と、2人の仕事ぶりへの賛辞と、現在のクラブ運営方法に同意している。

 バレージと言えば、日本では三浦知良がセリエAデビュー戦で鼻骨骨折した際、接触した相手としても知られるが、「50歳を過ぎてもプレーしていることは知っているよ。ずっと君のことを大切に思っている。幸運を」と、笑顔で言葉をくれ、日本のミランサポーターに対しても「たくさんのサポーターがいることはもちろん知っているよ。インターコンチネンタルカップの素晴らしい思い出があり、いつも熱い情熱をロッソネーリに注いでくれている。抱擁を」と、メッセージを残してくれている。

取材・文=小松春生

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