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【コラム】来季こそ名門復活へ…新生ミラン、夏の移籍市場でスタートダッシュ

2017.06.21

今夏ミランが獲得した(下段左から)ムサッキオ、A・シルヴァ、ロドリゲス、ケシエ [写真]=Getty Images

 シーズンオフでもメルカート分野だけは活発な動きが続いている。中でもミランのスタートダッシュぶりは勢いがあり、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督の2年目で、何としてでもチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得しなければならないという意気込みが伝わってくる。

 そして今月12日にはウルトラCをやってのけた。新生ミランの現場の中心となるマルコ・ファッソーネCEO、そしてスポーツ・ディレクターのマッシミリアーノ・ミラベッロ氏が獲得に動いていたのは、ポルトガル代表FWアンドレ・シルヴァ。ポルトとの話をまとめ、違約金を6000万ユーロ(約74億4000万円)から3800万ユーロ(約47億円)に下げ、獲得を決めた。A・シルヴァは昨シーズン、ポルトでリーグ戦32試合出場16ゴールという記録を残した。なお、代理人はジョゼ・モウリーニョ監督をはじめ、数々のサッカー界のビッグネームを担当するホルヘ・メンデス氏が務めている。

 どこか調子に波のあったコロンビア代表FWカルロス・バッカやミランの9番としての合格ラインには達しなかったイタリア代表FWジャンルカ・ラパドゥーラに代わり、A・シルヴァがセンターフォワード(CF)として、ミランの攻撃陣を引っ張ることになりそうだ。ポルト育ちの21歳で、クリスティアーノ・ロナウドの後継者との呼び声も高い。また、ミランでは日本代表MF本田圭佑がつけていた10番を引き継ぐのではないか、との話もある。

 これより前にも、ミランは来シーズンのチームの主軸となる選手を次々と獲得していた。サイドバックのスイス代表DFリカルド・ロドリゲスをヴォルフスブルクから、センターバックのアルゼンチン代表DFマテオ・ムサッキオをビジャレアルから、そしてアタランタのコートジボワール代表MFフランク・ケシエも獲った。ケシエは昨シーズン、30試合に出場し6得点を記録した伸びしろのある若手だ。

 そんな積極補強を続けるミランだが、ミラニスタが獲得を望んでいる選手は誰なのか。A・シルヴァ獲得前にイタリア紙『コリエレ・デッロ・スポルト』が実施したアンケートでは、1位がイタリア代表FWアンドレア・ベロッティ(トリノ)で30パーセント、2位がスペイン代表FWジエゴ・コスタ(チェルシー)で20パーセント、そして3位がガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン(ドルトムント)で19パーセント、A・シルヴァは4位で17パーセントだった。

 どうしても点取り屋にサポーターの期待が集まる。ファンが最も求めていたベロッティは2016-17シーズンのセリエAで得点ランキング3位(26得点)と活躍。本人がミランファンだともいわれている。ただ、トリノのウルバーノ・カイロ会長はもう1年、手元に置いておきたいと考えているようだ。また、CFというポジション的にもA・シルヴァと重なり、サッカー分析サイト『TransferMarket』でもミラン移籍の確立は33パーセントと少し下がった。

 準備が早ければ早いほど、クラブや監督、そしてチームが変わった選手にもいい効果が出る。A・シルヴァがイタリア・サッカー1年目で結果を残せるか、そしてミランの選手補強はどこまで成果を出すか、夏の戦いは始まったばかりだ。

文=赤星敬子

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