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【コラム】セリエAのEL出場権争いが激化、切符を勝ち取るのはどのチームか

2017.04.11

ラツィオ、アタランタ、ミラン、インテルが5ポイント差にひしめき合っている [写真]=Getty Images

 セリエA第31節は、来シーズンのヨーロッパリーグ(EL)出場権をめぐる争いのターニングポイントとなるゲームが多かった。

 4位ラツィオはナポリに0-3と完敗、今シーズンのビッグ・サプライズとなった5位アタランタはサッスオーロと引き分け連敗をストップさせた。ミラノを本拠地とする2チームはそれぞれ降格圏のチーム相手に戦い、明暗を分けた。6位だったインテルは18位クロトーネにまさかの黒星で勝ち点を稼げず。そして7位だったミランはホームで19位のパレルモに4-0と大勝し、勝ち点3をものにした。これでインテルとミランの順位が入れ替わり、4位ラツィオの勝ち点60から7位インテルの勝ち点55まで、5ポイント差に4チームがひしめき合っている。

 残すところあと7試合――。どこがヨーロッパへのチケットを獲得するか占ってみたい。

 まず、上位チームとの直接対決が最も多いのはインテルの3試合だ。15日はミラノダービー、そして5月の第37節ではラツィオと対戦する。第29節でトリノと引き分けて以降、ホームのサンプドリア戦では後半に2点を失い逆転負けを喫し、クロトーネ戦でも勝ち点を取れず、スランプに陥っている。昨年、就任してからコンスタントに順位を上げてきたステファノ・ピオリ監督にとって、ここが正念場だろう。通常であれば試合翌日はオフなのだが、クロトーネ戦後の10日は急きょ練習を行った。チームのEL出場だけではない。ピオリ監督には、来年もインテルを指揮できるかどうかがかかってきている。EL出場が夢と消えれば、まず間違いなくクビを言い渡されるだろう。なかなかプレーする機会が巡ってこない日本代表DF長友佑都も、逆転負けのサンプドリア戦後にミックスゾーンを通り過ぎた時の表情は非情に険しいものだった。

 その他の3チームの直接対決はそれぞれ1試合ずつ。アタランタ対ミランは5月の第36節に予定されている。今シーズン、予想以上の好成績を挙げているアタランタは安定したチーム力で、クラブ史上初のEL出場に手が届くところまできている。しかし次節は2位ローマとの対決で、4月末には首位ユヴェントスを本拠地に迎え撃つなど、決して容易い道のりではないだろう。もしEL出場となれば、設備上の規定などからサッスオーロの保有するレッジョ・エミリアにあるマペイ・スタジアムで試合することになりそうだ。

 ラツィオにはローマダービー、ミランにはミラノダービーが残っている。アタランタはピッグチームとの戦いで、またその他の3チームはダービーマッチでどれだけ勝ち点を稼げるか。順位も毎週末ごとに変化していくに違いない。イタリアも日中は20度を超える暑さになってきた。フィジカルとメンタル、両方での選手たちと監督、関係者の強さが問われる終盤に入ってきた。

文=赤星敬子

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