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【コラム】優秀な指導者が続々…欧州各国で成功を収めるイタリア出身の名将たち

2017.01.03

(左から)アッレグリ監督、コンテ監督、アンチェロッティ監督 [写真]=Getty Images

 ここ数年、イタリア人監督が欧州各国で数多くの成功を収めている。

 今シーズンではプレミアリーグのチェルシー就任1年目、アントニオ・コンテ監督が13連勝で首位をキープ。昨シーズン、夢のリーグ優勝を果たしたレスターのクラウディオ・ラニエリ監督に続くイタリア人監督のプレミア連覇も視界に入ってきた。

 これについて77歳の大御所、ジョバンニ・トラパットーニ氏は「決してサプライズではない」と言い切る。「アントニオはユヴェントスでタイトルを勝ち得た。監督としてセリエBも経験し、そしてイタリア代表でのキャリアを経て満を持してプレミアに挑んでいる。つまり実践的な指導者としての体験があるということだ」と評価した。

 そして忘れてはならないのが、現在ブンデスリーガに挑戦しているバイエルンのカルロ・アンチェロッティ監督だ。セリエAではミランでスクデットやチャンピオンズリーグ(CL)、コッパ・イタリアを獲得し、国外へ挑戦。2010年にはチェルシーでプレミアリーグ優勝、また2014年はレアル・マドリードでCLを制すと、クラブワールドカップも勝ち取り世界一となった。2013年にはパリ・サンジェルマンでチームをフランス王者に導いている。

 トラパットーニ氏は確信している。「イタリア、イングランド、フランス、スペインを制覇した。次にドイツ王者になるのは疑いもない。彼自身がそれぞれの国での経験を生かしながら、選手時代のMFとしての基本方針を貫いているからだ。それらが助けとなっている」。アンチェロッティ監督が出身国イタリアに加えて、スペイン、イングランドにフランス、そしてドイツとヨーロッパの主力リーグを指導者として制覇する日もそう遠くはないだろう。

 またマンチェスター・Cを優勝に導いたロベルト・マンチーニ氏、ロシアのゼニトで名をあげたルチアーノ・スパレッティ監督(現ローマ)もいる。アジアでは、日本代表監督だったアルベルト・ザッケローニ氏がなじみ深い。またマルチェロ・リッピ中国代表監督は広州恒大からアジアに名を馳せた。

 イタリアサッカーはCL出場枠が3に減ったまま、国別の競争力としては低迷している。しかし、指導者を送り出すという点においては、今後、もっと注目されてもいいはずだ。ユヴェントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督も来シーズンのプレミアリーグ行きが報じられている。プレーヤーだけではなく、そんなイタリア人指導者の動向にも注目していきたい。

文=赤星敬子

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