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浮き彫りになったデ・ブール監督のインテル大改革 シビアなポジション争いの行方は?

2016.09.27

デ・ブール監督(右上)のもと、長友(右下)らが熾烈なポジション争いに臨んでいる [写真]=Getty Images,nter via Getty Images

 25日に行われたセリエA第6節ボローニャ戦で、フランク・デ・ブール監督の構想に沿ったインテルの形がはっきり見えてきた。2週連続でインテルの話題になるが、日本代表DF長友佑都にも大きく関わってくることなので、書き留めておきたい。

 まず第一に、この日の試合がセリエA先発デビューとなったサイドバック、セナ・ミアングの存在だ。デ・ブール監督のインテルを印象づける選手となった。1997年生まれで現在19歳のベルギー人はフィジカル的にも恵まれており、同監督が初めてインテルで抜擢したプレーヤーとなる。

 そのボローニャ戦では、最初こそぎごちなかったものの徐々に試合に入っていき、守備の面では及第点となった。71分にはクロアチア代表MFイヴァン・ペリシッチとのコンビネーションでチャンスを演出し、ペリシッチのヘディングが決まっていれば初アシストとなるはずだった。戦術をよく理解して試合の流れに入ることができ、デ・ブール監督の起用はポジティブな結果をもたらした。試合後の会見でも同監督は「いいプレーをしていた。ハードなトレーニングを一生懸命こなす選手にはチャンスが与えられる」と、若手を積極的に育てている指導者らしいコメントを残した。

 一方、14分の失点に関わったフランス代表MFジョフレイ・コンドグビアはその後、交代を命じられた。指揮官のはっきりとした決断だった。コンドグビアについて「彼にはシンプルなプレーを心がけるよう要求した。特にゴールを背にした状態での混雑したゾーンについての注意だ。しかし何度話しても彼は理解しなかった。どこがどう頭打ちの状態になっているかわかっていないし、わかろうともしていない。ボローニャの得点シーンでは彼にファールがあったかもしれない。しかし関係ないよ。ミスは許されない。問題は聞く耳を持たないでおこうとしている彼だ」とバッサリ切り捨てた。その後、デ・ブール監督と同選手は和解したとも報じられているが、代わりに出場したコートジボワール代表MFアサン・ドゥモヤ・ニュクリがよく機能しただけに、コンドグピアの立場は厳しいものとなった。

 もはや、アルゼンチン人DFクリスティアン・アンサルディ、イタリア人DFダニーロ・ダンブロージオ、同DFダヴィデ・サントン、そして長友らサイドバックのポジション争いだけではない。ロベルト・マンチーニ前監督時代に活躍したコンドグビアや、クロアチア代表MFマルセロ・ブロゾヴィッチら中盤の選手も戦力外へ追い込まれる状況に来ている。

「話し合いをした上で、私の意見を聞かない選手はいらない。時間は残されていない」とデ・ブール監督。出場機会で即結果を出さないプレーヤーは不必要というシビアな方針が浮き出た一戦となった。

文=赤星敬子

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