FOLLOW US

優勝争いはまたもやユーヴェの独走か…伊代表OBたちがセリエA新シーズンを占う

2016.07.21

15-16シーズンのセリエAを制したユヴェントス [写真]=Anadolu Agency/Getty Images

 7月も後半に入り、イタリアの各チームがキャンプをスタートさせている。キャンプ地の地元クラブなどを相手にテストマッチを行うチームも多くなってきた。ここ数日のイタリアメディアでは、アルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインについて、所属するナポリと興味を示すビッグクラブの間の“攻防”が盛んに取り上げられている。ナポリにはこれまでもヨーロッパのビッグクラブからオファーがあったものの、ここ数日でユヴェントスも獲得競争に参戦した。ユヴェントスはメルカート(移籍市場)でも早々と、ローマからボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピアニッチを獲得。そしてバルセロナからブラジル代表DFダニエウ・アウヴェスを、バイエルンからモロッコ代表DFメディ・ベナティアを獲得するなど、速攻で目的のプレーヤーをものにした。

 ここまで明らかに“一人勝ち”しているのはユヴェントスだ。この調子だと、またもやセリエAのスクデット獲得最有力候補であることは間違いない。そこにイグアインが加われば、怖いものなしだろう。元イタリア代表のサッカー識者たちは、この状況をどのように見ているのだろうか。

 インテルで長年プレーし、サッカー番組で解説者を務めるジュゼッペ・ベルゴミ氏は「毎年、ユーヴェが強固なチームになっている。他と比べて、まだまだ成長できる伸びしろを持っている。セリエにしてもチャンピオンズリーグ(CL)にしても、(ポール)ポグバをキープできるかが、(マッシミリアーノ)アッレグリ監督にとってカギになる」と分析した。フランス代表MFポール・ポグバに関してはマンチェスター・Uの噂もあるが、今のところユヴェントスに放出する意思はなさそうだ。

 ミランOBで、現在はイタリアサッカー協会(FIGC)の副会長を務めるデメトリオ・アルベルティーニ氏は、次のように話した。「ユーヴェだけがクラブとして明確な計画を持ち、それに従ってやっている。これによってライバルの他チームとの差を広げている」と、組織としての優秀さが成績につながっているとみている。

「早い時期のメルカートでの勝負が功を奏す。ベナティアを相手にゴールを決めるのは難しい」と言うのがパルマ、チェルシーなどで活躍したジャンフランコ・ゾラ氏だ。CLについては「ヨーロッパのカップ戦で勝利を挙げるのは大変困難なこと。ただポグバや(レオナルド)ボヌッチが残留すれば、ヨーロッパとの差も縮まる」との見方を示した。

 それではOB意見はどうだろうか。2007年までユヴェントスでプレーしたアレッシオ・タッキナルディ氏は「カルチョーポリ(カルチョスキャンダル)の前の時代の“戦艦”のようなユーヴェに戻りつつある」と黄金時代が続くと予測する。

 ユヴェントスの独走ではなく、シーズンを面白くするためにも、他チームの追い上げを期待する。

文=赤星敬子

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO