サッカーゲームキングジャック6月号
2016.02.02

自らの言葉で信頼を得た本田圭佑…“主役”演じたダービーが分岐点となるか

during the Serie A match between AC Milan and FC Internazionale Milano at Stadio Giuseppe Meazza on January 31, 2016 in Milan, Italy.
“ミラノ・ダービー”の勝利を喜ぶ本田圭佑 [写真]=Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 3-0というミラノ・ダービーの結果は、ミランの日本代表MF本田圭佑への評価へとつながり、イタリア人の不満を一気に晴らした。この試合で2本のシュートを放った本田は、前半にDFアレックスの先制点をクロスでアシスト。また後半は、クロスなどで前半よりいい動きを見せた。試合終了間際にMFケヴィン・プリンス・ボアテングとの交代を告げられた本田を、サン・シーロの7万7000人以上の観客はスタンディング・オベーションで称賛。そんな中、クールな表情で本田はピッチを出た。こんな光景を目にしたのは今シーズン初めてのことだった。試合後、本田は「許されるのなら今日の試合で辞めたいです。もっとファンの印象も変わるでしょう」と口にしている。今シーズンでのベストマッチ、いや本人の中では、ゴールラッシュだった昨シーズンの前半の7試合よりも重要な意味を持つゲームだったのかもしれない。

 伏線はダービー前日からあった。イタリア三大スポーツ紙『コリエレ・デッロ・スポルト』が、本田の独占ロングインタビューを掲載したのだ。本人が初めて自分の右サイドのポジションについて語っている。スピードで相手を振り切って上がっていかなければならないサイドは「自分の特徴ではない」と言い切った。そして「今は我慢の時」であるとも。その他にもミランがチームのプレースタイルを見つけられていない点や、クラブ、チーム、サポーターが一丸となって団結しボジティブでなければならない、などと語った。

 この記事を訳した後、筆者はほっとしていた。本田がイタリア紙に対して、自ら語りだしたからだ。というのは10月上旬のナポリ戦後のクラブ批判ともとられかねないコメントを覚えているだろうか。あの後、シニシャ・ミハイロビッチ監督やミラン担当のメディアらの本田に対する印象はガタ落ちした。日本語からイタリア語への“伝言ゲーム”ではどうしても100パーセント正確には伝わらない。その誤解を解くため、誤差を埋めるためには、本人がアドリアーノ・ガッリアーニCEO(最高経営責任者)、同監督らと直接話し合うことが必要だ、と以前にも書いた。そしてまたイタリア人の取材を直接受けて、ダイレクトにコメントを出さなければならないと考えていた。ようやく、それが実現したのだ。お互いが母国語でない英語だっていい。“伝言ゲーム”になってしまうより、はるかに価値のあるインタビューになるはずだ。

 本田は勝敗で一喜一憂するイタリア人にあきれながらも「人々が日々サッカーの中に生きている。無関心よりいろいろ言われる方がいい。僕以上にダービーの重要性をわかっている」と答えている。そしてミランからの移籍を考えたことは全くなく「恩返しがしたい」とも。同紙は本田を7.5と採点し、この試合のMVPに選出すると、「無得点でもダービーの主役」とも表現した。辛口評価のイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』ですら6.5と評価した。このダービーが本田にとって、また上位への巻き返しを目指すミランにとってのターニング・ポイントとなるよう心から願っている。

文=赤星敬子

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