昨夏、大型補強を行ったインテル。第17節を終えて首位に立つ [写真]=Getty Images
ロベルト・マンチーニ監督の下、名門復活を目指すインテルが首位でシーズンの中盤を迎えた。4日に冬のメルカート(移籍市場)が始まったばかりのヨーロッパだが、インテルはその躍進によって選手個人の価値が大幅にアップしているという面白いデータが出ているので、ぜひ紹介したい。ここからの情報は、イタリア三大スポーツ紙の一紙『コレエレ・デッロ・スポルト』が出したもの。
同紙は2015年夏のメルカートにおける所属26選手の推定移籍金と、この冬のものを単純比較すると、その合計額が7980万ユーロ(約103億7400万円)も増えるとしている。ほとんどの選手がその額を維持、もしくは増加させており、ダウンしているのはDFマルティン・モントーヤとMFジョフレイ・コンドグビアの2人だけだ。これも数パターンのフォーメーションで、選手を固定せずに起用しているマンチーニ・マジックの賜物なのだろうか。
日本代表DF長友佑都も上昇額が著しい。マンチーニの構想外として、夏に放出確実と言われていた長友は当時200万ユーロ(約2億6000万円)の価値と見られていた。しかし、現在の価値は倍額の400万ユーロ(約5億2000万円)となっており、いい意味で再びサイドバックのプレーヤーして注目されていると言ってもいいだろう。メルカートではシャルケが常時、ラブコールを送っているようだが、スクデットとチャンピオンズリーグを狙える位置にインテルがいる現在、本人の残留希望の意思は強い。ディフェンスの選手が多すぎるインテルとしては数名を放出したい考えだが、長友よりもアンドレア・ラノッキア、ダニーロ・ダンブロージオ、ダヴィデ・サントンらの移籍の可能性が高いと見られている。
同じディフェンダーで今シーズンのインテルに欠かせないのが、センターバックの2人だ。固定レギュラー・メンバーなどほぼいないと言ってもいいインテルにおいて、ジェイソン・ムリージョとミランダは別格。特にムリージョは夏時点の900万ユーロ(約11億7000万円)から3500万ユーロ(約45億円)と、選手としての格を4倍にまで上げた。年末のフレンドリー・マッチ、パリ・サンジェルマン戦では勝てなかったものの、エリック・トヒル会長の改革がようやく実を結びそうな、明るい2016年の年明けを迎えたインテルなのだった。
文=赤星敬子
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