FOLLOW US

鎌田大地にも可能性? 混戦極める今季ブンデスリーガ得点王争いの行方

2023.01.20

今季ブンデスの得点ランキングで上位につける選手たち [写真]=Getty Images

 日本代表のワールドカップ戦士たちが鎬を削るドイツのブンデスリーガが、今月20日(金)にようやく再開する。それでは、シーズン後半戦を前に抑えておきたいポイントをおさらいしよう。今回は混戦模様の「得点王争い」に焦点を当てる。日本代表のプレイメーカーも上位に食い込んでくるはずだ!

 今シーズンのブンデスリーガは、予想通り「得点王争い」が混沌としている。理由は単純明快だ。今季のブンデスリーガにはゴールの前の“王様”も“王子様”も不在なのだ。昨シーズンまで5年連続で得点王に輝いてきた世界一の点取り屋ことFWロベルト・レヴァンドフスキは、昨夏バイエルンからバルセロナに電撃移籍。過去9シーズンで7度の得点王に輝いている大エースの移籍により、久しぶりに本命なき得点王レースが開幕した。

 さらに2シーズン連続で得点ランク3位に入っていたノルウェーの怪物ことFWアーリング・ハーランドドルトムントからマンチェスター・Cへと巣立ってしまった。そのせいで“王様”も“王子様”も不在の得点王争いは混戦を極めている。果たして、今シーズンは誰が『Torjägerkanone(トーイェガカノーヌ)』(得点王に贈られる大砲のトロフィー)を射止めるのか? ブンデスリーガの得点王争いを見ていこう。

[写真]=Getty Images

■6位以下

鎌田大地

 まず、注目すべきはフランクフルトの日本代表MF鎌田大地(26歳)だろう。ワールドカップでは得点こそなかったが余裕を感じさせるプレーで日本代表のベスト16に貢献。今季いっぱいで契約が満了するため、去就が騒がれているが、このままチームに残るのなら得点王争いの上位に食い込んでくるはずだ。

 鎌田大地は今季ここまでブンデスリーガで13試合に出場して7ゴール。得点ランクで6位タイにつけており、まだシーズンは半分以上も残っているというのに既にシーズン自己ベストを更新している。得点ランク1位とは5ゴールしか離れておらず、アジア人史上初のブンデスリーガ得点王にも期待が寄せられる。シーズン序盤は左サイドなど高い位置での起用が多かったが、その後はセントラルミッドフィルダーに定着して少し得点ペースが失速するも、チャンピオンズリーグで3ゴールを決めてチームをグループステージ突破に導いており、得点力の高さは折り紙付き。ウィンターブレーク中の最後の親善試合となったレフ・ポズナン(ポーランド)戦でもFWマリオ・ゲッツェとのワンツーから決勝ゴールをマークしており、シーズン後半戦もゴールの予感が漂っている!

 鎌田大地の背後につけるのは得点王候補の本命と見られていた世界的なアタッカーだ。夏にレヴァンドフスキの後釜としてリヴァプールから加入したバイエルンのセネガル代表FWサディオ・マネは、順調すぎるスタートを切ったかに思えた。開幕戦でネットを揺らすと、第3節のボーフム戦では2ゴール。このまま一気に独走態勢に入るかと思いきや、チームが3試合もリーグ戦の勝利から遠ざかり、マネも不発が続いた。その後、3ゴールを加えて今季ここまで6ゴールで得点ランク10位タイ。2018-19シーズンにリヴァプールで22ゴールを叩き出してプレミアリーグの得点王に輝いたマネにとっては物足りないシーズン前半戦となった。

 さらにマネは、11月に右脚の脛骨を手術する大ケガを負ってワールドカップを欠場。現在リハビリ中でシーズン後半戦は出遅れる。2月中旬のチャンピオンズリーグ16強のパリ・サンジェルマン戦での復帰を目指しているようだが、それまでリーグ戦は5試合ほど欠場する。そうなると得点王は難しいかも…。

■4位タイ FWヴィンチェンツォ・グリフォフライブルク/イタリア代表) 9ゴール

ヴィンチェンツォ・グリフォ

 好調フライブルクの攻撃を牽引するウィンガーが得点ランク4位に入っている。今季ここまで15試合で9ゴールを叩き出しており、既にブンデスリーガ1部でのシーズン自己ベストに並んでしまった。彼の魅力はなんといってもキック精度だ。11月のウニオン・ベルリンとの上位決戦では、2本のPKを含めた3ゴールでブンデスリーガでの自身初のハットトリックを達成。チームを4-1の勝利に導いた。

 日本代表FW堂安律らと強力な3トップを形成しており、後半戦もゴール量産に期待が寄せられる。3位に入った1994-95シーズン以来となるトップ4を目指すフライブルクにとって最優先すべきはチームの成績だが、仮にグリフォが得点王に輝けば2007-08シーズンのFWルカ・トーニ(当時バイエルン所属)以来のイタリア人得点王の誕生となる。

■4位タイ FWジャマル・ムシアラバイエルン/ドイツ代表) 9ゴール

ジャマル・ムシアラ

 首位で新年を迎えたとはいえ、前半戦のバイエルンはケガや不振に悩まされる苦しい日々を過ごした。そんなチームを支えたのが19歳の若きアタッカー、ジャマル・ムシアラである。2020年に17歳でデビューを果たしたムシアラは、今季レギュラーに定着すると決定的な仕事で監督の信頼に応える活躍ぶり。10代の選手としては1965-66シーズンのゲルト・ミュラー以来となるブンデスリーガ開幕8節までに5ゴールをマークした(ちなみにミュラーは7ゴールだった)。

 そして中断前までに9ゴールを叩き出して得点ランク4位タイにつけている。もちろん彼はゴールだけの選手ではない。アシスト数でも4位タイにつけており「9ゴール6アシスト」はどちらもチーム最多の数字。そして「15ゴール」に直接関与というのはリーグ1位だ。2022年の1年間で見ても、リーグ戦で18ゴールに直接関与(11ゴール7アシスト)は10代の選手として欧州5大リーグで最多だった!

 ワールドカップでもドイツ代表として全3試合にスタメン出場。日本に敗れてグループステージで敗退したが、間違いなくインパクトを残したヤングスターの一人だった。

■2位タイ FWニクラス・フュルクルク(ブレーメン/ドイツ代表) 10ゴール

ニクラス・フュルクルク

 10ゴールで得点ランク2位につけるのは今季ブンデスリーガ前半戦の主役の一人となったブレーメンのFWニクラス・フュルクルク(29歳)だ。シーズン開幕前の得点王オッズではトップ30にも入っていなかった遅咲きのストライカーが、今では大旋風を巻き起こしている。昨季2部リーグで19ゴールを叩き出してブレーメンの昇格に貢献すると、今季はブンデスリーガでもゴールを量産。ここまで14試合に出場して10ゴール。チーム全体のゴール数の42%を一人で稼いでいる。

 若い力が台頭しているブンデスリーガにあって、フュルクルクは苦労人と呼べるだろう。ハノーファー時代の2017-18シーズンに、レヴァンドフスキ(29点)、ニルス・ペーターゼン(15点)次ぐブンデスリーガ得点ランク3位の14ゴールをマークして一度はブレーク。だが、その後はケガに悩まされ、所属チームが2度も降格。それでも昨季2部リーグでブレーメンの昇格に貢献すると今季は飛ぶ鳥を落とす勢い。

 その好調さが認められて昨年11月にワールドカップのドイツ代表メンバーにサプライズ招集。11月16日の親善試合で「29歳280日」にして代表デビューを果たした。これは最近20年間で見るとドイツ代表の最高齢デビューだった! そしてワールドカップ本大会ではスペイン戦での同点弾など3試合で2ゴールの活躍を見せ、さらに評価を高めている。

■2位タイ FWマルクス・テュラムボルシアMG/フランス代表) 10ゴール

マルクス・テュラム

 フランスの英雄リリアン・テュラムを父に持つFWマルクス・テュラム(25歳)は今シーズン目覚ましい活躍を見せており、2019-20シーズンの自己ベストに並ぶ10ゴールを既に叩き出している。特筆すべきは“働きぶり”だ。途中交代が多い最前線のストライカーにあって彼はフル出場を続けている。今季は9月のライプツィヒ戦で91分に途中交代した以外、全てフル出場を果たしており、出場時間1350分はフォワードとしては断トツの1位。父親譲りの鉄人ぶりを発揮している。

 昨年のワールドカップでも5試合に出場してフランス代表の準優勝に貢献。アルゼンチンとの決勝戦では途中出場からFWキリアン・エンバペの芸術的なボレーシュートをお膳立てした。欧州のビッグクラブも注目する大型FWは、1月の親善試合で負傷交代して心配されたが、深刻なケガではないため22日のレヴァークーゼン戦に間に合う見込みだ。ブンデスリーガ史上初のフランス人得点王を目指して後半戦もゴールに迫るぞ。

■1位 FWクリストファー・エンクンクライプツィヒ/フランス代表) 12ゴール

クリストファー・エンクンク

 今季のブンデスリーガで得点ランク首位を走るのは、年々のように進化を遂げるアタッカーだ。これまで中盤やサイドでの起用が多かったが、昨シーズンの途中から前線で起用されると得点力が開花。昨季はリーグ4位タイの20ゴールを叩き出すと、今シーズンはここまで15試合で12ゴールを決めて得点ランク1位に立っている。

 裏への抜け出し、ドリブル突破、ワンタッチシュートなど様々な形でゴールを量産。昨年デビューを果たしたフランス代表でもワールドカップでの活躍が期待されたが、大会前の練習中に左ひざのじん帯断裂という大ケガを負って無念の欠場。そのケガのせいで2月末まで離脱する模様で、今シーズンのブンデスリーガの得点王争いは、さらに混戦を極めること間違いない。

 そのため、本当にアジア人初のブンデスリーガ得点王が誕生するかも…。ブンデスリーガの後半戦は、鎌田大地の活躍と得点王争いに注目したい!

(記事/Footmedia)

【PR】「ABEMA」なら
ブンデスリーガが無料視聴可能!

ABEMA

「ABEMA」とは、好きな時間に好きな場所で、話題の動画を楽しめる新しい未来のテレビ。登録不要でプレミアリーグを含む様々なコンテンツが無料で視聴できます。

ただし、ブンデスリーガの無料配信は一部(毎節3試合予定)のため、厳選の好カードを堪能するなら「ABEMAプレミアム」月額960円(税込)への加入がおすすめ。

  1. ABEMAプレミアムなら厳選された注目カードが楽しめる!
  2. 追っかけ再生、見逃し配信などうれしい機能が充実!
  3. 初めてABEMAプレミアムに登録する方は2週間無料!

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO