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シュトゥットガルトFW、「ワマンギトゥカ」は偽名だと公表…元代理人が脅迫・搾取か

2021.06.08

偽名でプレーしていたことを告白したムヴァンパ [写真]=Getty Images

 シュトゥットガルトは8日、コンゴ民主共和国人FWサイラス・ワマンギトゥカに関する公式声明を発表した。

 同選手は先日、元代理人による策略の犠牲になっていること、また「ワマンギトゥカ」が本名ではないことをシュトゥットガルトに明かしたという。同選手の本名は「サイラス・カトンパ・ムヴァンパ(Silas Katompa Mvumpa)」であり、「ワマンギトゥカ(Wamangituka)」は父親の名前だという。1999年10月6日生まれだとされていたが、正しい生年月日は1998年10月6日で、出身地はコンゴ民主共和国の首都キンシャサ。シュトゥットガルトと新しい代理人のサポートのもと、同選手はここ数日から数週間、状況を明らかにするために努力を重ね、正しい個人情報が記載された有効なパスポートを数日前にコンゴ民主共和国から受け取ったようだ。

 ムヴァンパは、個人情報の改変がどのようにして起こったのか、すべての詳細をドイツ当局に開示したいと考えているという。また、シュトゥットガルトは、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)とドイツサッカー連盟(DFB)に連絡を取っている。同クラブは「事実を法的に評価した結果、同選手が有効なプレー許可証を所持していたこと、そして今後も所持し続けること、さらに本名の新しいプレー許可証に置き換えられることを前提としています。これに関わらず、シュトゥットガルトは同選手を支持し、透明性のある方法でこの件を解明する手助けをしたいと考えています」と伝えている。

 シュトゥットガルトが入手した記述や文書によると、ムヴァンパの個人情報の改変は以下のような経緯で起こった。

 2017年、当時18歳のムヴァンパは、ベルギーの名門アンデルレヒトに招かれてトライアルトレーニングを受けた。このため、同選手は2017年8月15日から同年11月14日まで有効なベルギーのビザを取得し、ビザは本名で発行された。アンデルレヒトはビザが切れる直前に同選手との契約に興味を示したが、同選手に対し、まずはコンゴへと戻り、新しいビザを取得して戻ってきてから契約をまとめるよう要求。このような状況のなか、ベルギーのとある代理人が、大規模な圧力をかけて同選手に対し、「ベルギーを出てコンゴに行ったら、ヨーロッパに戻ることは叶わない」と説得したという。

 まだ若く、経験もなく、孤独だったムヴァンパは、コンゴでの出会いから知っていた代理人を信頼するように。結局パリFCに入団した同選手はパリで元代理人と一緒に暮らしていたが、銀行口座や公的書類に同選手がアクセスすることはできず、いずれも元代理人が管理。また、元代理人が同選手の身分証明書の氏名や生年月日に変更を加えた。同選手は真相を明かせば、自分だけでなく故郷の家族にも危害が加えられかねないとして、精神的に大きな負担を強いられていたという。また、元代理人は同選手に対し、「事実が公になれば、君は二度とサッカーができなくなる」と脅し続けたようだ。

 ムヴァンパは2019-20シーズンにシュトゥットガルトへと移籍したが、2019年12月、フランスでの報道により、その身元に対する疑念が初めて浮上。ドイツのメディアでも話題になり、そのためシュトゥットガルトはDFLから説明を求められた。シュトゥットガルトはその後、当時まだ同じ代理人がついていたムヴァンパ側から提出された書類を、以前の契約時と同様に徹底的に調査。選手および元代理人と話をしたが、疑う理由がなかったという。フランスとドイツの両国家機関で同選手に関する必要な書類がチェックされたが、完全かつ形式的に正しいものであったという。

 それでも、シュトゥットガルトの関係者と信頼関係を築き、元代理人とも少しずつ距離を置くことができるようになったムヴァンパは、元代理人やその脅しに怯え続けながらも代理人の変更を決意した。なお、シュトゥットガルトは元代理人の名前を把握しているものの、ムヴァンパを守るために公表しないという。

シュトゥットガルトは現在の知見を以下のように示している。

「前任の代理人が逸脱した個人情報を提供することは、サイラスが欧州での在留資格を取得するためには必要ではなかったはずです。それどころか、元代理人がサイラスに搾取的な圧力をかけず、異なる個人情報を提供していたとしても、フランスとドイツで発行された滞在許可証は交付されていただろうとすべてが示しています。また、サイラスが元仲介者の行動から金銭的な利益を得ていたことも明らかになっていません」

「この問題を正しく解決することが、サイラスの利益であると同時に、シュトゥットガルトの利益にもつながります。元代理人に対する法的措置は、サイラスと彼をサポートする人々によって現在検討されています。また、シュトゥットガルトはその権利を有しています」

 ムヴァンパは発表に際し、クラブ公式サイトを通じて次のようにコメントした。

「ここ数年、常に恐怖を感じながら生活しており、コンゴにいる家族のことも非常に心配していました。自分のストーリーを明らかにすることは、僕にとって難しいステップでした。それができたのは、新しい代理人のサポートがあったからです。もう恐れる必要はないし、一緒にいればすべてを持ち寄ることができるということを実感しました。もし、シュトゥットガルトやチームが私にとって第二の故郷であり、安心できる場所でなければ、このようなステップを踏む勇気はありませんでした。今日はとてもほっとしました。そして、同じような経験をした他の選手の励みになればと思います。この間、シュトゥットガルトが信頼して支えてくれたことに深く感謝しています。彼らやファンの皆さんにピッチ上で恩返しができればと思っています」

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