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【EXILE CUPヨーロッパサッカー夢者修行】ドイツでも貫いた“自分たちらしい”戦い

2019.04.05

ディアブロッサ高田FCがドルトムントU-12との対戦に挑んだ [写真]=千葉格

 ドイツでも”自分たちらしさ“は変わらなかった。小学4年生から6年生を対象にしたフットサル大会「EXILE CUP 2018」を制覇したディアブロッサ高田FC(奈良)が3月に「ヨーロッパサッカー夢者修行」でドイツ遠征を実施。3日目はドルトムントU-12との親善試合を行った。

 興奮のブンデスリーガ観戦から一夜明け、ドルトムントの本拠地シグナル・イドゥナ・パルクの脇にあるピッチで世界との対決に挑んだ。試合の前には、大会アンバサダー香川真司(現在はドルトムントからトルコのベシクタシュにレンタル移籍)からのプレゼントとして、選手1人ずつにトレーニングシューズが届けられ、「最高!」「香川選手ありがとうございます!」と喜びの叫び声が響きわたる。再三のサプライズで試合前に選手たちの気持ちも高まった。

香川真司からのサプライズに大興奮 [写真]=千葉格

 試合はサッカーコートを一回り小さくしたピッチで、9人対9人、30分×3で実施された。試合前のアップはキャプテンの岩本悠庵(イワモトユアン)くんが「やろうと思ったことをやる」と言うように選手主導で考え、主に1対1の練習を実施。「基本的に自由に自分たちで考える」(川上弘仁監督)というのがディアブロッサ高田FCのやり方だ。それは試合中にも存分に発揮されていた。

いよいよ世界を知る戦いへ [写真]=千葉格

 1試合目は、最終ラインでボールを回してビルドアップを試みるドルトムントに対し、トップの今本瑶晟(イマモトヨウセイ)くんが「相手が後ろから回すタイプだったので、前からプレッシャーに行くように変えました」と、すぐに相手のサッカーに対応。岩本くんも「相手が回してきたから、(前から)ハメてインターセプトしか考えてなかった」と相手が縦に入れてきたところを積極的に狩りにいった。

 その狙いが功を奏し、岩本くんが高い位置でボールを奪って敵陣中央から思い切りよくミドルシュート。「GKもパス回しに参加するためにゴールから左右にずれていた。そこでカットできたらゴールが空いているから、打とうと思っていました」と狙い通りのゴールで先制に成功した。さらにその後、今本くんが味方のシュートのこぼれ球を押し込んで追加点。1試合目は2-0で終了した。

2点先行で試合を優位に進める [写真]=千葉格

 ハーフタイムにも選手たちが輪になって積極的に話し合い、岩本くんが「相手が最終ラインで回してくるので、我慢してインターセプトを狙おう」と声をかける。「気になったところは直接言って話し合います。言わなかったらそのままなので、言ったほうがいいし、みんなで考えてやったほうがいい」。

 2試合目に入ると、ドルトムントは体格のいいセンターフォワード(CF)を起点に反撃に出て、CKから1点を返す。それでもディアブロッサ高田FCはセンターバックの高岡達矢(タカオカタツヤ)くんらを中心に守備陣が奮闘。フィジカルの差に苦戦しつつも、右サイドバックの細川侑磨(ホソカワユウマ)くんは「(相手CFに)サイドバックとかボランチとかと一緒に2人で対処できたのがよかった。守備ではしっかり最後のところでやらせなかった」と相手を勢いに乗らせない。

相手CFと競り合う高岡くん。「CKを決められたのはむっちゃ悔しかった」 [写真]=千葉格

 すると、その好守がゴールにつながる。高岡くんが「めっちゃ狙っていた」という相手CFへの縦パスをカット。そこから速攻につなげ、西込龍吾(ニシゴミリュウゴ)くんが打ったシュートは相手GKに触られつつもネットに吸い込まれた。「GKに弾かれたけど、思い切って蹴ったからそのまま後ろに流れていってよかった。一瞬、入らないと思いました(笑)」。2試合目は2点リードを保ったまま終了した。

追加点を決めた西込くん(左)。「やっと入ったので嬉しかった」 [写真]=千葉格

 3試合目は立ち上がりに右CKから武藤亮真(ムトウリョウマ)くんが頭で合わせて追加点。さらに岩本くんがGKからボールを奪って5点目、7分後にも先制点のような豪快なミドルシュートを沈めて6点目を決めた。最後は慣れない試合時間による疲れもあり、2失点目を喫したものの、そのまま6-2で快勝を収めた。

 自分たちで考えて戦う。ディアブロッサ高田FCらしさが光った勝利だった。試合中に相手が嫌がる部分を的確に突き、その一方で自分たちらしい積極的な仕掛けも見せて相手ゴールに迫った。キャプテンの岩本くんやディフェンスリーダーの高岡くんを中心に、それぞれが試合を通じて大きな声を出し合い、ハーフタイムにも選手たちが話し合って狙いや修正点を確認。監督も試合中に必要以上に具体的な指示を出さず、攻撃時は「なんでもありやで!」とアイディアを促し、守備時は「やばくなるのはどこや!」と危機察知能力を刺激するだけにとどめていた。

ハーフタイムは選手たちで話し合う [写真]=千葉格

「普段からそういう感じですね」と監督は言う。「例えば守備のところだと、結局は点をとられなければいいので、(局面に応じて)どこが危なくなるのかを感じられる選手になってほしい。たまにこっちから指示をするときもあるけど、まずは試合を通して、やられてみて、そこから経験して、というのを繰り返していくことだと思います」

 選手たちは試合後、「楽しかった」と口を揃えた。サイドで積極的な仕掛けを見せた木村宗太郎(キムラソウタロウ)くんは「自分がボールを持っている時とか、ワンタッチではがせたときは良かったけど、もうちょっと抜けたらいいなと思いました」と語り、高橋凌大(タカハシリョウダイ)くんは「滅多にない経験をできたし、改善するところはしたいです。もっと前を向いて仕掛けたり、正確なパスをしていきたい」と課題と収穫を得た。

課題と収穫を得た高橋凌大くん [写真]=千葉格

 高岡くんは「声を出してやるのは自分の持ち味。(ドイツでも)自分のプレースタイルを生かせましたし、意外とできるなと思いました」と話し、佐藤聡祐(サトウソウスケ)くんも「相手のうまいパスをインターセプトできたし、勝てたので自信になりました」とコメント。ドイツの強豪クラブの同世代を相手にしても、いつものように自分たちらしい戦い方で快勝をつかんだことで、大きな自信につながったようだ。

【EXILE CUPヨーロッパサッカー夢者修行2019/現地レポート全4話】
第4話「自然体で楽しんだドイツ遠征」に続く。

【第1話】「サッカーに熱いドルトムントで夢を追う遠征開始」
【第2話】「ブンデスリーガ生観戦。鳴り響く8万人の歓声に感動」
【第4話】「自然体で楽しんだドイツ遠征」

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By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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