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今季の“デア・クラシカー”は一味違う?…無敗のドルトムントが“挑戦者”バイエルンを迎え撃つ!

2018.11.09

前半戦の大一番、今季最初の“デア・クラシカー”が開催される [写真]=Getty Images

 通算120回目の“デア・クラシカー”が近づいてきた。過去9シーズンのリーグタイトルを寡占しているバイエルン(7回)とドルトムント(2回)が、激しく火花を散らすドイツ版クラシコだ。舞台はジグナル・イドゥナ・パルク。チャンピオンズリーグ(CL)のアトレティコ・マドリード戦(CL第3節)で4-0の大勝を飾るなど、今季のドルトムントが無類の強さを示しているスタジアムで、10日18時30分(日本時間11日2時30分)に熱戦の火蓋が切って落とされる。

王者バイエルンが絶好調のドルトムントに「挑戦する」一戦

サンチョ、ロイス、プリシッチらが活躍し、ドルトムントは開幕から10戦無敗でリーグ首位を快走している [写真]=Getty Images

 今回の激突が普段にも増して注目を集めているのは、6連覇中の絶対王者がチャレンジャーの立場にあるからだ。ブンデスリーガの首位を走っているのは18チームで唯一、開幕から無敗(7勝3分け)のドルトムントであり、バイエルンはこのライバルに勝点4差の3位と後れを取っている。開幕前はおそらく誰も予想しなかった構図が出来上がり、バイエルンの名物会長ウリ・ヘーネスも「本命はドルトムントの方だ」といつになく謙虚だ。

例年になく不安要素が多いバイエルン

トリッソの離脱やミュラーの不調など、バイエルンには多くの不安要素が [写真]=Getty Images


 本命視されるドルトムントが勝利を収めるには、キャプテンのマルコ・ロイスを中心に充実一途をたどる攻撃陣の活躍が不可欠だろう。公式戦の無敗記録が「15」でストップした直近のアトレティコ戦(CL第4節)では、相手の規律あるディフェンスに苦しみ、自慢のウイング(ジェイドン・サンチョとクリスティアン・プリシッチ)が振るわず、得点源のパコ・アルカセルも沈黙した。その悪いイメージを一掃する意味でも、早い時間帯にゴールを奪い、ホームの大声援を追い風にして一気に畳み掛ける展開が理想的だ。

 ここまでリーグ最多の30ゴールを挙げているドルトムントに対し、バイエルンは同5位タイの18ゴールと本来の爆発力が影を潜めている。決定力や崩しの局面でのアイデア不足、トーマス・ミュラーの不振、頻繁なローテーションに伴う連係の不備など、さまざまな原因が指摘されているが、地味に痛手となっているのがコランタン・トリッソの不在だ。エリア内に絶妙なタイミングで飛び込むこのセントラルMFが第3節に負傷離脱し、攻撃の最終局面におけるロベルト・レヴァンドフスキへの負担が強まった印象が否めない。

レヴァンドフスキはCLで2得点を挙げて復調気配を見せている [写真]=Getty Images


 ただ、そのレヴァンドフスキはリーグ戦2試合連続ノーゴール中だが、直近のAEKアテネ戦(CL第4節)できっちり2ゴールを挙げた。ドルトムント時代を含め、デア・クラシカーで歴代2位の12ゴールを挙げてきた“ミスター・クラシカー”は、心身ともに充実した状態で古巣のホームスタジアムに乗り込めそうだ。バイエルンにとって最大の拠り所であり、ドルトムントが最も警戒する点取り屋の出来が勝負の行方に影響を及ぼすのは間違いない。

伝統の一戦に挑むニューカマーたち。一方で香川真司は…

移籍後すぐチームにフィットしたヴィッツェルもデア・クラシカー初出場選手の1人 [写真]=Getty Images


 好調のドルトムント、不調のバイエルンという構図以外にも、今回のデア・クラシカーを目新しくさせる要素がある。ドイツ伝統のナショナル・ダービーに初めて臨む選手が少なくないのだ。特に未経験者が多いのはドルトムントの方だ。パコ・アルカセル、トーマス・デラネイ、アクセル・ヴィツェル、アクラフ・ハキミ、アブドゥ・ディアロ、ヤコブ・ブルーン・ラーセンらニューカマーは、デア・クラシカー特有の雰囲気に呑まれることなく、自身のパフォーマンスを示せるか真価が問われる。

 一方で、我々日本人にとって気になるのは香川真司の状況だ。アウェイで戦ったアトレティコ戦の遠征メンバーから外れた攻撃的MFは、11月6日に行われたドルトムントⅡ(U-23)対エッセンのゲームに先発出場すると、4アシストを記録して5-0の大勝劇を呼び込んだ。レギオナルリーガ(4部)のチームが相手とはいえ、地元紙『ルール・ナハリヒテン』のツイッターが「日本人は新たな自信を掴んだ」とつぶやく活躍ぶりだった。そのアピールがルシアン・ファブレ監督にしっかり届いているといいが……。

アンダーカテゴリーとの試合で結果を残した香川真司だが、メンバー外の厳しい状況が続いている [写真]=Getty Images

 いずれにせよ、デア・クラシカーが見逃せない一戦なのは確か。ドルトムントにとっては、バイエルンの一強支配に終止符を打つ資格があるか試される大一番になる。『キッカー』誌が「フランク・リベリ、アリエン・ロッベン、マッツ・フンメルス、トーマス・ミュラーの4人がニコ・コバチ監督の退任を望んでいる」と報じるなど、内紛問題も浮上している王者にとっては、嫌なムードを振り払うにはこれ以上ない試合となりそうだ。

文=遠藤孝輔

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