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【独占インタビュー】親友の退団とライバルの復帰 香川に芽生えた自覚「引っ張っていく存在に」

2016.08.26

サッカーキングの独占インタビューに応じた香川真司 [写真]=千葉格

 今夏、大きな変革を遂げたドルトムントで、「チームを引っ張っていく存在でなくてはいけない」と日本代表MF香川真司がリーダー役に名乗りを上げた。

 ドルトムントは今夏の移籍市場で、スペイン代表DFマルク・バルトラ、ドイツ代表のMFマリオ・ゲッツェやMFアンドレ・シューツレらの即戦力に加え、U-21フランス代表FWウスマン・デンベレやトルコ代表MFエムレ・モルなど若手選手も積極的に補強。トーマス・トゥヘル体制2年目でまた新たな変革を迎えた。

「新しい仲間が多いなかで多くの刺激がある」と新加入選手たちを歓迎している香川だが、特にポジション争いの最大のライバルと目されるゲッツェの存在は大きい。「マリオはドイツ代表でもあり、実績のある選手だし、プレーでも僕にないものを数多く持っている。マリオが入ったことで自分にとって危機感もある」とポジション争いにも緊張感が増したという。

ゲッツェ

3年ぶりにドルトムント復帰を果たしたゲッツェ [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images

 それでも「ポジション争いは、チームであれば必ずないといけないと思うし、その状況の中で持続していくメンタル的なものは必ず必要だと思う」と、昨シーズンの後半戦序盤に試合のメンバーから外される悔しい経験をした香川は語る。

 その経験があったからこそ「誰かと比較するのではなく、自分をより高める事が大事で、チームに貢献できる事を考えてプレーしていかなくていけないと思う」と自身の成長とチームの勝利に集中しており、「僕自身にしかできないプレーもあるし、(ゲッツェとも)ぜひ共鳴してチームの為に頑張って行きたい」とライバルとの共闘も楽しみにしている。

 近年稀に見る積極的な補強をした一方で、ドルトムントは主力3名が退団した。ドイツ代表DFマッツ・フンメルス、アルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンに加えて、香川が「昔からよく食事にも行ったし、よくサッカーについても話をした仲間」というドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンも移籍した。

 “親友”の退団に香川も「寂しい気持ちも半面、お互いが頑張っていかなくてはいけないとも感じます。日本にも遊びに来てくれたし、日本代表のユニフォームを着て応援もしてくれました(笑)彼はこれから先、数多くの結果をだせる選手だと思う。ぜひ対戦相手として試合もしたい」と率直な気持ちを口にした。

香川真司

仲良しで知られてる香川(左)とギュンドアン(右)[写真]=Borussia Dortmund/Getty Images

 ライバルの復帰を含む積極補強と、親友を含む主力の退団。ドルトムント復帰後3年目を迎えた香川にとっても大きな変化となったが、それがきっかけである自覚も芽生えた。

「今のチームを引っ張っていく存在でなくてはならない」

 7月にはドイツ紙『ビルト』も「リーダー役はこれまでにない役割だが、シンジはやってのけてくれるだろうし、やらなければいけない」と期待を寄せていたが、トゥヘル監督の下で1シーズン戦ったことで「監督の考え方を理解している」と自負する香川も、新加入選手が増えた新生ドルトムントにおけるリーダー役に名乗りを上げた。

 今シーズンはすでに14日に行われたドイツ・スーパーカップのバイエルン戦と、22日に行われたDFBポカール1回戦のアイントラハト・トリアー(4部)戦で、開幕から公式戦2試合連続でフル出場を果たした。0-2で敗れたバイエルン戦は勝利に導けなかったものの、トリアー戦では2ゴールを挙げる活躍でチームをけん引し、3-0の勝利に大きく貢献している。

香川真司

トリアー戦で今季初得点を含む2ゴールを挙げた [写真]=Getty Images

「公式戦2試合を終えましたが、まだこれからですね」と香川が言うように、本格的な戦いは27日に行われるマインツとのブンデスリーガ開幕戦からスタートを切る。ドルトムントは昨シーズン、クラブ記録に迫る勝ち点78を挙げたものの、宿敵バイエルンにブンデス史上初の4連覇を許した。「伝統として彼らは“チャンピオン”であり僕らは“挑戦者”でもあります。だからこそ挑戦者としての意地で、その差を1年間かけて埋めていきたい」と香川もバイエルンの連覇ストップに意気込む。

「(今シーズンの目標は)間違いなく優勝です。昨年チャンスがありながら勝ち取る事が出来なかったから、必ず手にしたい。ドルトムントはチャレンジャー精神があるチームです。今年のチームはほぼ同じポジションに各国の代表選手が2人以上いるので、まずは練習時からポジション争いをし続けなくてはいけません。だからこそ、チャレンジする気持ちを持ち続ければ、必ず結果が出てくるとも信じています」

 今シーズンはドイツでの戦いに加えて、日本代表でも9月から2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選が始まる。「どのチームにおいても引っ張っていくリーダーとしての存在でなくてはいけないと自覚しています。もう27歳になったし、今までとは違う香川真司をファンの皆さんとともに作っていかなくていけない」と、新たな覚悟を胸に香川がドルトムントを、そして日本代表をけん引する。

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