ハットトリックを達成した武藤嘉紀 [写真]=Bongarts/Getty Images
日本代表FW武藤嘉紀が所属するマインツは、10月31日に行われたブンデスリーガ第11節でアウクスブルクと対戦し、3-3で引き分けた。
マインツは前半に武藤の2ゴールで2点をリードしながら、後半の立ち上がりに追いつかれると、試合終盤には逆転を許してしまった。武藤は「4点を取れてチームも勝てればそれがベストだった」と勝点3を得られなかったことを悔やんだが、「あきらめずに3点目を取れたってことは次につながる」と最低限の結果を残せたとは感じている様子。
それでも「3点を取って勝てないというのはもったいないと思うので、それを次につなげられるようにしなきゃいけない」と武藤が語るように、リーグで3番目に多い19失点を献上する守備がチームの課題となった。
武藤は前節のブレーメン戦で左足を痛め、ミッドウィークに行われた1860ミュンヘンとのDFBポカール2回戦を欠場。この日も万全なコンディションではなく、「(少なからず)支障があるだろうと思って試合に出ている。(痛みは)ありましたけど、出るからにはその痛みのせいにはしたくなかった」と語るように痛みを抱えながらの出場であったことを明かした。
痛み止めを服用してまで強行出場を決めた理由は、チームが公式戦6試合で1勝5敗と苦しんでいるからこそ。「負けが続いていて、何が何でも出たかった」という武藤の意向と、マルティン・シュミット監督からの信頼があってアウクスブルク戦に出場することになった。
前節のブレーメン戦に続き、この日の先制点と2点目はクロスを押し込む、ポジショニングセンスが光るゴールだった。「そういうゴールが少なかったので、岡崎(慎司)選手のゴールシーンだったり、そういうFWとしてのゴールシーンを見るようにしていた」とマインツと日本代表の先輩であるレスターFW岡崎慎司からの影響は強い。
また、最後の最後で同点ゴールを決めたことについて、チームメイトのDFニコ・ブンガートからは精神力の強さを称賛された。それでも武藤は謙遜し、「チームとして最後まで点を取りに行こうという姿勢がこういう結果につながったと思う。チームとしてのスピリッツが素晴らしかった」とチーム全体で奪った3ゴールだと強調した。
2013年のJリーグデビュー以来、初のハットトリックをブンデスリーガで達成。日本人のハットトリックはフランクフルトに所属していた元日本代表FW高原直泰(現SC相模原)が、2006年12月のアーヘン戦で達成して以来2人目となった。率直に「非常にうれしく思う」とハットトリックの喜びを口にしたが、「これに一喜一憂せずにまたチームのためにプレーして得点を取り続けられたらいい」と継続して活躍することが重要だと語った。
次節、マインツはホームでヴォルフスブルクと対戦する。
By サッカーキング編集部
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