ハンブルガーSVに所属する酒井高徳 [写真]=Bundesliga/DFL via Getty Images
日本代表DF酒井高徳が所属するハンブルガーSVのブルーノ・ラッバディア監督が、8日と13日に行われる代表戦で同選手の出場機会を切望していることが明らかになった。5日付の地元紙『Hamburger Morgenpost』が伝えている。
日本代表は、8日にFIFAワールドカップロシア アジア2次予選のシリア代表戦、13日に国際親善試合イラン代表戦を控えるが、酒井高は3日に行われたブンデスリーガ第8節のヘルタ・ベルリン戦で、後半からマティアス・オストルツォレクに代わって投入され、移籍後初のリーグ戦出場を果たしたばかり。
同紙によるとラッバディア監督は、ようやく新天地でリーグ戦デビューを飾った酒井高にとって、ここからが本当のスタートと位置付けており、できればチームに残り、17日の次節レヴァークーゼン戦に備えることを希望。しかし、「(日本サッカー)協会とも話し合ったが、どうにもできなかった」(ラッバディア監督)ため、代わりに代表戦で実戦経験を積むことを望んでいるという。
ヘルタ・ベルリン戦の前日にあたる2日、同紙は、ラッバディア監督の「(日本代表の試合で)14日間チームから離れることになる。彼に対しては、ハンブルクに残った方がいいと話をしたこともある。代表に行っても出番はないのだから」との言葉を引用し、酒井高の代表戦参加に否定的な記事を掲載したばかり。
今回の記事では、ハノーファー所属のDF酒井宏樹が負傷で招集が見送られ、同じサイドバックの酒井高を外すことはできなかったという日本代表の内部事情を説明したうえで、ラッバディア監督の、「少なくとも第2戦(イランとの親善試合)には出場機会を与えられるように。彼にはどうしても実戦経験が必要」という切実な思いを伝えている。
同監督は、シュトゥットガルト時代に酒井高を指導。指揮官の強い希望もあって、同選手のハンブルガーSV移籍が実現した経緯がある。
大方の予想に反して、酒井高が新天地でベンチを温める日々が続く中でも、「彼にはずば抜けたテクニックがある。それを出すための自信をつけてほしい。ものすごいポテンシャルの持ち主なのだから」と同選手への期待と信頼を口にしてきた。
ライバルのオストルツォレクが期待外れに終わっていることもあり、ラッバディア監督は引き続き酒井高にチャンスを与える意向だ。そのためにも、日本代表で試合に出て戻ってきてほしいという願いがある。
遠く離れたハンブルクから日本代表に熱い視線を送るラッバディア監督。その思いはヴァイッド・ハリルホジッチ監督に届くだろうか…。