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仏1部、同性愛者侮蔑チャントで試合が一時中断…政府関係者もSNSで反応

2019.08.29

主審の指示でピッチから引き上げる選手たち [写真]=Getty Images

 28日に行われたリーグ・アン第3節ニースマルセイユで、ニースの一部サポーターから同性愛者侮蔑のチャントが歌われたために、試合が約10分間中断した。28日、イギリス紙『ガーディアン』やイギリスメディア『BBC』が伝えている。

 同性愛者侮蔑のチャントが歌われていることを確認したクレマン・ターピン主審は、両クラブの監督に説明を行った上で、選手にロッカールームへと戻るよう指示。その後、スタジアムの場内アナウンスは2度、チャントをやめるように要請した。

 またスタジアム内には、ニースのサポーターによる同性愛者を侮蔑する内容のバナーも見受けられた。『スタンドのファンが多いということは、スタジアムにより多くの同性愛者がいるということだ』と書かれたものや、ニースを買収したジム・ラトクリフ氏がサイクリングチームを保有していることから「pédale(フランス語でペダル、または同性愛者の軽蔑表現)」と書かれたものが掲示されていた。

ニース対マルセイユで掲示されたバナー

一部のニースファンが掲げた同性愛者侮蔑のバナー『スタンドのファンが多いということは、スタジアムにより多くの同性愛者がいるということだ』 [写真]=Getty Images

 ニースのパトリック・ヴィエラ監督は試合後、「試合を中断した主審は正しかった。これは許しがたいことだ。メッセージは明確で、主審にほかの選択肢はなかった」とターピン主審の判断を支持。一方で、ニースのMFウィラン・シプリェンは、「一部のバカが何かをする度に試合を中断したくはない。僕は(人種差別を含めて)あらゆる差別に反対するけど、少しでも試合を止めるべきではない。バカげた話さ」と中断の決定には同意していなかったことを明かした。

 フランスのサッカー界では、明確に同性愛者侮蔑のチャントが聞こえた場合、試合を中断するよう審判たちに指示をしている。16日に行われたリーグ・ドゥ(2部)第4節ナンシー対ル・マン戦でも、同様に同性愛者侮蔑のチャントが歌われたことで試合が一時中断していた。

 また、フランス政府のマルレーヌ・シアッパ女性権利大臣もこの問題に反応。自身の公式Twitterアカウント(@MarleneSchiappa)を通じて、「クレマン・ターピン主審に賞賛を。サッカーは“情熱”の問題であって、“憎悪”ではないのです」とコメントし、サッカーを利用したLGBTQ+への差別を批判した。

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