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アッズーリの新世代を担う逸材…初の大舞台に臨む伊代表MFベルナルデスキ

2016.06.08

イタリア代表の一員としてユーロに臨むベルナルデスキ [写真]=Getty Images

 ユーロ2016フランス大会開幕まであと3日となった。コンテ・アッズーリの集大成となるイタリア代表も各国代表などを相手に親善試合で最後の調整を行っている。2006年ドイツ・ワールドカップで世界一に輝いてから早10年。イタリアにとって、どのように世代交代をしていくかが課題となっている。セリエAのチームでも1993年から95年生まれの選手が、次世代を担っていく素材としてプレー中だ。なかでも、DFダニエレ・ルガーニ(ユヴェントス)、FWドメニコ・ベラルディ(サッスオーロ)と同じ94年生まれのMFフェデリコ・ベルナルデスキフィオレンティーナ)を取り上げたい。ユーロの代表メンバーに名を連ね、アッズーリのユニフォームを身にまとい、初の大舞台に臨む。

 ヴィオラ(フィオレンティーナの愛称)の背番号「10」を背負うベルナルデスキは、2015-16シーズンを33試合出場2得点で終えた。「もっとゴールを決めなければ」と本人も認めており、数字だけを見ると物足りない印象を受けるだろうか。しかし、そのプレーに注目してほしい。主に任されているサイドハーフでボールを粘り強くキープし、前線のエリア内にチャンスボールを供給するスタイルだ。代表の中で最年少の22歳とは思えないトリッキーなプレーで、驚きを与えてくれる。「戦術的には右サイドハーフをやっている。でも監督に指示されたポジションでうまくやれる。それがプロ。将来的にはトレクアルティスタ(トップ下)をやってみたい」と意欲的だ。

 GKジャンルイジ・ブッフォン(ユヴェントス)と同じイタリア中部のマッサ・カラーラの出身で、アドバイスを受けたりしているという。「彼にしても(フランチェスコ・)トッティにしても、ほぼ40歳なのにすごい。若手のお手本だ」と尊敬している。アッズーリの同世代を一言で表すと、FWロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)は「衝撃」、FWステファン・エル・シャーラウィ(ローマ)は「スター」なのだそう。アントニオ・コンテ監督については「偉大な個性を持ち、カリスマ性がある人。練習でも試合でも常に100パーセントを要求される」という。

 ピッチ外ではその個性的なヘアースタイルが話題となっている。両サイドをそり上げ、中央部分を残した髪型は子どもたちの間でも人気で、真似をするサッカー少年が続出しているとか。

 ユーロ本大会でどのくらいの出場機会があるかはわからない。ただチャンスが巡ってくれば「サプライズを起こしたい」とやる気満々だ。ヨーロッパリーグでは7試合4得点と、大舞台の方がセリエAよりもゴール数が多い成績で、対戦相手の隙をつく可能性も十分にある。「子どもの頃から代表を夢見てきた。それが現実となって誇りに思う。大会では優勝を狙っていく」とキッパリ。バイエルンやバルセロナ、チェルシーも興味を示し、そのクオリティは4000万ユーロ(約50億円)と言われる逸材に注目だ。

文=赤星敬子

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