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キャリア初の“クラシコ”に挑む選手たち…バルサとレアル、新戦力の現状は?

2019.12.17

初のクラシコに挑む新戦力たちの現状は? [写真]=Getty Images

 いずれも盤石とは言い難い試合を繰り返しながら、首位争いを繰り広げてきたバルセロナレアル・マドリード。前節も共に引き分け、12月18日のクラシコを同勝ち点で迎えることになった。

 ホームのバルセロナは長らくリオネル・メッシ、ルイス・スアレスの二枚看板に頼りきりだったが、ここにきて今季“トリデンテ”の一角に加わったアントワーヌ・グリーズマンが本領を発揮しはじめた。

チームに適応したグリーズマン&デ・ヨング

[写真]=Getty Images


 当初はプレーに関与する頻度が低く、メッシとは不仲が噂されるくらいピッチ内外で絡みが少なかった。まだまだ無難にパスを捌くばかりで仕掛けのプレーが少ない点は物足りなさを感じさせるが、徐々に彼の持ち味である裏への抜け出しをチームとして生かせるようになってきている。

 マジョルカ戦、レアル・ソシエダ戦で決めたゴールはいずれもDFライン裏のスペースへ抜け出して決めたダイレクトプレーによるもの。これはネイマールが移籍して以降、バルセロナの攻撃から失われていた武器であり、『MSN』が猛威を振るったルイス・エンリケ時代を彷彿とさせるものだった。

 開幕当初から即戦力としてフィットしてきたフレンキー・デヨングも、自身初クラシコでの活躍が期待される1人だ。

 アヤックスから来た22歳のMFは、確実にボールをキープしながら捌くだけでなく、鋭い出足でのボール奪取でも貢献。ピボーテ、インテリオールのいずれでも高い適応力を示している。バランサーのセルヒオ・ブスケツ、イヴァン・ラキティッチとの併用が増えているここ数試合は、特に攻撃面で崩しのプレーに関与する頻度が高まっている。

バルセロナに現れた17歳の超新星

ファティ

バルセロナの超新星アンス・ファティ [写真]=Getty Images


 トップチームでの初クラシコとなる若き逸材にも触れておきたい。17歳のアンス・ファティだ。

 カンテラ時代に久保建英と共にゴールを量産した経験もある彼は、第3節オサスナ戦にて16歳304日でクラブ史上最年少ゴールを決めると、初先発した第4節バレンシア戦でも1ゴール1アシストを記録。12月10日のチャンピオンズリーグ(CL)・インテル戦では、大会史上最年少ゴールを決めるなど、恐るべきスピードで成長し続けている。

 同じくインテル戦でCL初ゴールを挙げ、正式にトップチーム登録が決まった21歳のカルラス・ペレスと共に、試合展開によっては切り札として投入される可能性があるだろう。

レアルは左サイドの攻撃力が半減

[写真]=Getty Images


 レアル・マドリードバルセロナより1日以上も休みが少ない日程的な不利に加え、目玉補強のエデン・アザールを欠く陣容でクラシコを迎えることになる。

 まだリーガでの1得点のみと、アザールはチェルシー時代の輝きを取り戻すことができていない。それでも体重オーバーが指摘された開幕当初と比べれば体のキレは増し、左サイドでカリム・ベンゼマ、マルセロとパス交換を繰り返しながら突破を試みる形は遅攻における大きな武器となりつつあった。それだけに、マルセロの欠場と合わせ、左からの攻撃力は半減したと言わざるを得ない。

 アザールの代役として、ベンゼマの相方役を務めるのは誰なのか。そのヒントは直前のバレンシア戦で選んだ先発メンバーにありそうだ。この試合でジダンは4-4-2とも4-3-3とも言えない流動的なシステムを採用。右FWにはロドリゴ、左にはイスコをファルソ・エクストレーモ(偽ウイング)として起用している。

ロドリゴ・ゴエス

CLガラタサライ戦でハットトリックを達成したロドリゴ [写真]=Getty Images


 今夏に加入したロドリゴ・ゴエスは久保建英と共にBチーム所属の身でプレシーズンをスタートしながら、今や当然のようにビッグゲームで先発に名を連ねるようになった。

 これまでリーガで2発、CLで4発の計6ゴールは、ベンゼマの16ゴールに次ぐチーム2番手の数字だ。ゴール前での落ち着き、視野の広さが可能にする精度の高いフィニッシュには、とても18歳とは思えぬ熟練の味がある。守備面での献身性も兼ね備えており、クラシコでもギャレス・ベイルやビニシウス・ジュニオールをベンチに追いやることになるだろう。

いつも以上に予想が難しい大一番に

マルセロの代役を務めるメンディは攻守に不安を残している [写真]=Getty Images


 不安材料はマルセロ不在の左SBだ。新加入のフェルランド・メンディはこれまで攻守共にフィットしきれていない印象がある。メッシ対策を考慮しても、バレンシア戦で起用した守備の仕事人ナチョ・フェルナンデスに任せる方が無難かもしれない。

 バルセロナは守備、レアル・マドリードは得点力に問題を抱えており、今季最初のクラシコはいつも以上に展開を予想するのが難しい。しかも、カタルーニャは不安定な政情が続いており、試合当日には大規模なデモを起こそうという動きもある。

 年内最後の大一番は、ピッチ外も含めて何が起こるか分からない一戦となりそうだ。

文=工藤拓

☆12月はWOWOWでリーガが見逃せない!☆

〇伝統の一戦クラシコ バルセロナ vs レアル・マドリード
12/18(水)深夜3:30~ 現地より生中継

〇久保建英のマジョルカや乾貴士のエイバル、ラ・リーガ2部などその他の放送カードはコチラ

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