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CLデビューから15年…メッシの偉大な足跡を振り返る

2018.09.18

メッシはチャンピオンズリーグにおいて、偉大な歴史と記録を創ってきた [写真]=Getty Images

 本来、サッカーにおいてゴールを決めるという作業は非常に難しい。特に、現代サッカーは選手のフィジカル能力が格段に上がり、ピッチ内に自由に動けるスペースはあまりない。密集をかいくぐりシュートを放つだけでも大変なのに、横7.32m、高さ2.44mのゴールマウスには相手キーパーが立ちはだかっている。繰り返しになるが、ゴールを決めることは非常に難しい「はず」なのだ。

 ただ、リオネル・メッシにこの常識が当てはまることはない。彼がゴールネットを揺らす光景は、エッフェル塔やトレヴィの泉、ノイシュヴァンシュタイン城に観光客が押し寄せる様と同じくらい「当たり前」のことのように思える。

 欧州の名だたる名門クラブが覇権を争うチャンピオンズリーグにメッシが足を踏み入れてから、15年の歳月が経つ。昨季には同大会通算100ゴールに到達した“D10S”の歩んだ道のりを、あらためて振り返ってみよう。

写真=ゲッティ イメージズ、アフロ

■2004-05シーズン

1試合出場

 チャンピオンズリーグデビューの瞬間は、2004年12月7日に訪れた。ミラン、シャフタール・ドネツク、セルティックと同じグループFに属していたバルサは、既に決勝トーナメント進出を決めていたこともあり、最終節のシャフタール戦で主力の多くを温存。背番号「30」を身にまとった17歳のメッシは、フランク・ライカールト監督によってピッチに送り出された。3トップの中央で才能の片鱗を見せつけ、フル出場を果たしたものの、試合には0-2で敗れている。2004-05シーズンの同大会出場はこのシャフタール戦一試合のみだったが、欧州トップレベルの世界を肌で感じ取った。

■2005-06シーズン

6試合出場 1ゴール2アシスト

 リュドヴィク・ジュリからポジションをほぼ奪い取るなど、飛躍のシーズンとなった。グループリーグ第4節のパナシナイコス戦では、チャンピオンズリーグ初ゴールも記録。しかし、決勝トーナメント1回戦セカンドレグのチェルシー戦で右足大腿二頭筋を痛め途中交代を余儀なくされると、以降の試合に出場することはできなかった。このシーズン、バルサは決勝でアーセナルを下して14シーズンぶりにヨーロッパチャンピオンの座に輝く。メッシにとっては、主力級として活躍できた充実感と、決勝の舞台に立てなかった悔しさの入り混じるシーズンだったことだろう。

■2006-07シーズン

5試合出場 1ゴール

 背番号が「30」から「19」に変更された。怪我に泣いた前シーズンの雪辱を果たしたいところだったが、このシーズンもリーグ戦で左足第5中足骨を骨折する不運に見舞われる。そのため、グループリーグ第5節のレフスキ・ソフィア戦、最終節のブレーメン戦を欠場している。チームも決勝トーナメント1回戦でリバプールに敗れ、早々とチャンピオンズリーグから姿を消すことになったため、メッシの同大会出場は5試合にとどまり、得点もグループリーグ第2節のブレーメン戦で挙げた1ゴールのみだった。メッシにとっては本来の力を発揮しきれない、消化不良のシーズンとなってしまった。

■2007-08シーズン

9試合出場 6ゴール2アシスト

 ゴール数を飛躍的に伸ばしたシーズンとなった。オリンピック・リヨン、シュツットガルト、レンジャーズと同居したグループリーグで、メッシは4ゴールを記録。決勝トーナメント1回戦ファーストレグのセルティック戦では2ゴールをマークした。だが、リターンマッチとなったセカンドレグで左足大腿二頭筋を損傷。チームは決勝トーナメント1回戦を突破したものの、続く準々決勝シャルケ戦にメッシの姿はなかった。準決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦では、ホーム&アウェイの2試合に出場するも無得点。チームも2試合合計0-1で敗れ、決勝に駒を進めることはできなかった。

■2008-09シーズン

12試合出場 9ゴール5アシスト

 ミランへと去ったロナウジーニョから背番号「10」を引き継ぐと、新指揮官のジョゼップ・グアルディオラからはチームのエースに抜擢される。スポルティング、シャフタール、バーゼルと同居したグループリーグで5ゴールを挙げると、決勝トーナメント1回戦セカンドレグのリヨン戦や、準々決勝ファーストレグのバイエルン・ミュンヘン戦でも重要なゴールをマークする。決勝のマンチェスター・U戦では勝利を決定づける2点目を決め、2005-06シーズン以来の優勝に大きく貢献。9ゴールを記録するなど、メッシのプレーは輝きに満ち溢れていた。

■2009-10シーズン

11試合出場 8ゴール

 グループリーグでは2ゴールとやや省エネモードだったが、決勝トーナメントに入ると決定的なゴールを決める力が爆発する。なかでも圧巻だったのは、準々決勝セカンドレグのアーセナル戦。ボージャン・クルキッチ、ペドロ・ロドリゲスと3トップを形成したメッシは、一人で4ゴールを奪取する大車輪の活躍を見せる。しかし、続く準決勝のインテル戦では、ホーム&アウェイともに沈黙。ジョゼ・モウリーニョ監督の守備戦術に完全に抑え込まれる結果となる。2シーズン連続のチャンピオンズリーグ制覇の夢は、あと一歩のところで潰えた。

■2010-11シーズン

13試合出場 12ゴール4アシスト

 これまで3トップの右ウイングでプレーしていたメッシだったが、グアルディオラ監督によって“偽9番”の役割を与えられると、さらに選手として完成度を高めていく。トップの位置から頻繁に中盤まで下りてくることで相手ディフェンスの混乱を誘発し、ダビド・ビジャやペドロの輝きを引き出した。パナシナイコス、ルビン・カザン、コペンハーゲンと同居したグループリーグでは6ゴールを記録。準決勝で実現したレアル・マドリードとの「ユーロクラシコ」では、ファーストレグで2ゴールを奪取。決勝のマンチェスター・U戦では、地を這うようなシュートでキーパーのエトヴィン・ファン・デル・サールを攻略し、自身三度目のチャンピオンズリーグ優勝を手中に収めた。

■2011-12シーズン

11試合出場 14ゴール7アシスト

 チャンピオンズリーグで、最も多くのゴールとアシストを記録したシーズン。このシーズンも基本的には“偽9番”を務めることが多かったが、セスク・ファブレガスがその役割を担う時は右ウイングの位置からゴールをうかがった。決勝トーナメント1回戦セカンドレグのレヴァークーゼン戦では5ゴールを決める離れ業を披露するなど、“ゴールハンター”ぶりはとどまることを知らない状態だった。しかし、連覇を懸けて挑んだ準決勝のチェルシー戦では、2試合ともに先発フル出場するもゴールネットを揺らすことはできず。チームも2試合合計2-3で敗れ、またも連覇を果たすことはできなかった。

■2012-13シーズン

11試合出場 8ゴール3アシスト

 バルサは決勝トーナメント1回戦でミランに苦しめられる。アウェイでのファーストレグを0-2で落とし、小さくないハンデを抱えたままカンプ・ノウでのセカンドレグを迎えたのだ。だが、絶対的エースのメッシがこの苦境を救う。前半だけで圧巻の2ゴールを決め、ミラン撃破に大きく貢献した。しかし、準々決勝でパリ・サンジェルマンに競り勝った後の準決勝・バイエルン戦で、チームは2試合合計0-7と大敗を喫することに。メッシはファーストレグを無得点で終えると、セカンドレグはベンチで戦況を見つめた。各チームの“偽9番”対策が進み、窮屈そうにプレーするメッシの姿が度々見られるシーズンでもあった。

■2013-14シーズン

7試合出場 8ゴール

 グループリーグ初戦のアヤックス戦でいきなりハットトリックを決め、幸先の良いスタートを切ったかに思えたが、9月のリーグ戦で右足の大腿二頭筋を損傷。復帰後はミランを相手にホームとアウェイで3ゴールを奪ってみせたものの、11月に再び大腿二頭筋を痛めて離脱を余儀なくされる。決勝トーナメント1回戦で対戦したマンチェスター・シティからは、2試合で2ゴールを挙げることに成功する。しかし、2試合合計1-2で敗れた準々決勝のアトレティコ・マドリード戦では、敵将ディエゴ・シメオネがプランニングした堅い守備組織に封じ込められる。90分間を通して決定的な仕事をすることができないまま、試合終了の笛を聞くことになった。

■2014-15シーズン

13試合出場 10ゴール5アシスト

 夏に加入したルイス・スアレスがセンターフォワードの位置に収まると、主に右ウイングを主戦場とするようになった。アポエル、パリSG、アヤックスと同居したグループFでは、初戦のアポエル戦を除く5試合でネットを揺らす。準決勝ファーストレグのバイエルン戦では2ゴール1アシストと大暴れ。緩急と角度をつけたドリブルで相手ディフェンダーのジェローム・ボアテングを転倒させたシーンは、世界に衝撃を与えた。決勝ではユヴェントスと対戦。ゴールこそ奪えなかったものの、スアレスの勝ち越しゴールにつながる強烈なシュートを放つなど、随所で煌めくプレーを見せた。チームは3-1でユヴェントスを破り、メッシは四度目のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。

■2015-16シーズン

7試合出場 6ゴール1アシスト

 9月のリーグ戦において左膝内側側副靱帯を損傷した影響で、グループリーグは第2節~第4節を欠場した。ただ、第5節のローマ戦では2ゴール1アシスト、最終節のレヴァークーゼン戦でも1ゴールを挙げており、怪我からの復帰後はフルスロットルの活躍を披露している。決勝トーナメント1回戦では、得意とするアーセナルを相手に2試合で3ゴールを決めた。しかし、準々決勝ではアトレティコを相手にゴールを奪うことができず。2013-14シーズンと同じラウンド、同じ相手に苦杯をなめることになった。

■2016-17シーズン

9試合出場 11ゴール2アシスト

 セルティック、ボルシア・メンヒェングラートバッハ、マンチェスター・Cと対戦したグループリーグでは、相変わらずの得点力を見せた。初戦のセルティック戦と第3節のマンチェスター・C戦ではハットトリックを記録している。バルサは決勝トーナメント1回戦でパリSGと激突するも、アウェイでのファーストレグを0-4で落としてしまう。絶体絶命の状況で迎えたセカンドレグだったが、チームは脅威のゴールラッシュを披露。メッシのゴールを含む6ゴールで、大逆転でのベスト8入りを果たした。メッシは準々決勝のユヴェントス戦でホーム&アウェイの2試合に先発フル出場したが、カルチョの守備戦術にはまりゴールを奪うことができず。チャンピオンズリーグでの冒険は、ユヴェントスによって終止符が打たれることとなった。

■2017-18シーズン

10試合出場 6ゴール2アシスト

 このシーズンのハイライトは、決勝トーナメント1回戦に訪れた。チェルシーのホームに乗り込んだファーストレグは、先に先制を許す苦しい展開。だが、相手のミスパスを拾ったアンドレス・イニエスタからパスを受けたメッシが冷静に左足のシュートを沈め、バルサを蘇生させる。相手ゴールキーパーのティボ・クルトゥワを攻略した一発は貴重なアウェイゴールであると同時に、メッシにとってキャリアで初めてチェルシーから奪ったゴールでもあった。セカンドレグでも2ゴールを加えたメッシは、チャンピオンズリーグ通算100ゴールを達成。“D10S”とバルサの幸福な時間は、しばらく続くかと思われた。しかし、準々決勝のローマ戦でバルサは失態を犯す。ファーストレグで4-1と大きなアドバンテージを得ながら、リターンマッチで0-3と大敗。メッシも無得点のまま2試合を終え、3シーズン連続で準々決勝での敗退を強いられることになった。

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