かつてプレミアリーグで笛を吹いたクラッテンバーグ氏 [写真]=Getty Images
かつてプレミアリーグで審判を担当していたマーク・クラッテンバーグ氏が、イギリス紙『デイリー・メール』のコラムで審判に対する誹謗中傷について語った。8日付の同紙電子版が伝えている。
プレミアリーグでは現在、2000年から同リーグで笛を吹くベテラン審判のマイク・ディーン氏が話題の中心となっている。ディーン氏は2日の第22節マンチェスター・U対サウサンプトン戦、6日の第23節フルアム対ウェストハム戦で、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の映像も活用した上で2試合連続レッドカードを提示した。
しかし、ともにクラブ側の異議申し立てが認められて判定が覆り、立て続けにミスジャッジを犯したとしてディーン氏は家族も含めて誹謗中傷の対象に。殺害予告なども届いたことから、地元警察が捜査を開始する事態にまで発展した。
2004年から2017年にかけてプレミアリーグで笛を吹いたクラッテンバーグ氏は、自身も頻繁に脅迫のメッセージを受け取っていたことを告白。審判も人間である以上ミスを犯しうると主張し、SNSなどを通じた誹謗中傷への取り締まりを強化するよう呼びかけた。
「審判をやっていると、誹謗中傷は日常的なものにある。私はよく家にそのような手紙を送られた。非難のなかには下劣なものもあったし、妻や子どもたちを標的にした脅迫めいたものもあった。警察には届けていたが、匿名で送られてきたから誰かが捕まったり有罪判決を受けたりということはなかった」
「マイク・ディーンがそうだったように、現代は誰かを簡単に挑発できてしまう。ソーシャルメディアであなたや家族を見つけ、顔の見えないアカウントから不快な投稿をするだけでいいのだから。それは感情を傷つけ、恐怖を与える。それを止められるのはプレミアリーグでもPGMOL(プロ審判員理事会)でもなく、ソーシャルメディア企業だ。私はギリシャサッカー連盟の審判長を務めているため、今でも誹謗中傷を受けている」
「マイクとは約15年間の付き合いがあり、彼は素晴らしい人物だ。信じられないほど経験豊富で、彼自身も判定が覆った2枚のレッドカードについて反省しているはずだ。審判は人間であり、瞬間の熱量の中で間違いを犯す。私自身も多くの間違いを犯した。越えてはいけない一線は、ソーシャルメディア上で簡単に越えられてしまう。間違ったことであるにも関わらず、ソーシャルメディア企業が何らかの対策を打たない限り、マイクの苦しみが止まることはない」
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By サッカーキング編集部
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