2016.02.15

今季のヨーロッパリーグは「ミニCL」! 32強は多士済々で個性豊かな名門ぞろい

Manchester United v Stoke City - Premier League
ELベスト32に登場する面々 [写真]=Getty Images
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

 今シーズンのヨーロッパリーグ32強の顔ぶれを見て、リヴァプールのユルゲン・クロップ監督はこう言った。

「グループステージ2位のチームも、チャンピオンズリーグから回ってきたチームも、本当にいいチームがそろっている。この大会が一流じゃないと思っていた人は、その考えを改めないといけない。ミニ・チャンピオンズリーグみたいなものだよ」

 まずは、大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』の優勝オッズに沿って、実際の主な顔ぶれを見てみよう。

 2月15日時点で優勝候補の本命はドルトムント(7倍)である。対抗馬にマンチェスター・Uとナポリ(9倍)。次いでリヴァプール(11倍)、セビージャ(13倍)、トッテナムにバレンシア(17倍)。このあたりまでが“第1グループ”だろうか。

 続く“第2グループ”には、ビジャレアル、アスレティック・ビルバオ、レヴァークーゼン、ラツィオ、ポルト(21倍)、さらにフィオレンティーナとシャルケ(26倍)も控える。ダークホース扱いの“第3グループ”以下にも、バーゼル、フェネルバフチェ、シャフタール(34倍)、ガラタサライ、マルセイユ、オリンピアコス、スポルティング、サンテティエンヌ(41倍)‥‥。なるほど、たしかに例年に増して名門クラブの名前がズラリと並ぶ。

 クラブの格だけでなく、戦術的に“トガった”個性豊かなチームが多いことも見逃せない。

 冒頭に名前を挙げたリヴァプールのクロップ監督は、もちろんドルトムント時代に確立したカウンタープレッシングが代名詞。そのドルトムントを今シーズンから引き継いでいるトーマス・トゥヘル監督は、前任者の基礎にポゼッション志向を取り入れることでチームに新たな色をつけた。同じドイツ組では、レヴァークーゼンのロジャー・シュミット監督が見せる「前へ前へ」の超アグレッシブな戦術もかなり特異だ。この両チームは、ブンデスリーガでバイエルンに次ぐ2位、3位と結果も出ている。

 同じ「走力」というキーワードで見ると、マウリシオ・ポチェッティーノ監督が決して足を止めないハードワーク集団に育てたトッテナム、パウロ・ソウザ監督の下でハイプレスを導入したフィオレンティーナも個性的だ。トッテナムは14日にマンチェスター・Cを破ってプレミアリーグで目下堂々の2位。フィオレンティーナも同日にインテルを破り、セリエAで3位を維持している。

 また、そのセリエAでユヴェントスと熾烈な優勝争いを演じ、ゴンサロ・イグアインが驚異的なペースでゴールを量産しているナポリは「超攻撃型」。反対に、リーガ・エスパニョーラでCL組の3強に次ぐ4位、5位につけているビジャレアルとセビージャは「堅守型」。マルセリーノ・ガルシア・トラル監督が率いる前者は今シーズンのリーグでレアル&アトレティコのマドリッド勢を1-0で破って実力を証明し、後者も戦術家ウナイ・エメリの下でELを連覇中だ。

 このように多種多様なチームカラーを色濃く持っている実力派ばかりだが、そもそもELクラブの多くは基本的に各国リーグの“持たざる者”たちである。CL級の予算とスーパースターを有する超ビッグクラブ相手に下克上を起こすべく、戦術を練りあげ、限られた資源でチーム力を磨く。それこそ生きる道、というクラブが多いのだ。上位に駆け上がるのは、その中でも己の道を究めたチーム。カウンターの機能美を武器に11-12シーズン王者となったディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリードがその好例だろう。

 一方で、翌12-13シーズンに優勝したチェルシーのように元々は“持てる者”だったCL常連組が意地を見せるパターンもある。今大会はその枠の候補に、マンチェスター・Uという大物がいる。プレミアでのトップ4入りが難しくなったため、今シーズンの彼らはEL優勝による「来シーズンのCL出場チケット」を本気で狙っている。それでも、リーグでの不振や自信を失った今の姿では絶対的な優勝候補とは言えず、それが逆にELの競争を熾烈にする要素でもある。

 ELの決勝ラウンドは、各クラブが創意工夫し、追求してきたスタイルの“展覧会”。同時に、CL復帰を目指すビッグクラブ、EL卒業を狙う気鋭のクラブ、ブランド価値向上を目指すダークホースと、様々な立場のプライドや思惑が交差する舞台でもある。だからこそ、CLとはひと味違った面白味が生まれるのだ。

 そうした背景の中で最高峰と言えるチームがそろった今大会は、決勝ラウンド1回戦から楽しみな個性のぶつかり合いが目白押しだ。ドルトムント対ポルトのポゼッションバトルに、フィオレンティーナ対トッテナムの走り合い、ビジャレアル対ナポリの“ほこたて”対決…。どちらかが早々に消えてしまうのが惜しいカードばかりだが、今シーズンの顔ぶれならベスト16以降もさらなる注目カードが組まれることは間違いない。

 もしかしたら、バレンシアで悪戦苦闘するギャリー・ネヴィル監督が古巣マンチェスター・Uに挑む試合が見られるかもしれないし、リヴァプールとドルトムントが当たればクロップと香川真司が再会する可能性もある。日本のファンなら、香川とユナイテッドの古巣対決だって見てみたい‥‥。

 これほど話題に事欠かないELも珍しい。今シーズンは火曜と水曜だけでなく、「木曜の夜」もぜひテレビのスイッチを入れてみてはいかがだろうか。そこには、CL級に質の高い戦術バトルと、因縁渦巻く名将や名選手たちの意地がぶつかる死闘が映し出されるはずだ。

文=Footmedia

欧州順位ランキング

レスター
81pt
アーセナル
71pt
トットナム
70pt
欧州順位をもっと見る
Bミュンヘン
88pt
ドルトムント
78pt
レーバークーゼン
60pt
欧州順位をもっと見る
バルセロナ
91pt
Rマドリード
90pt
Aマドリード
88pt
欧州順位をもっと見る
ユベントス
91pt
ナポリ
82pt
ローマ
80pt
欧州順位をもっと見る