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ドイツが敗者ブラジルに敬意「我々は自国開催の準決勝で負ける痛みを知っている」

2014.07.10

ドイツ代表は敗者のブラジル代表に敬意示すメッセージを送った [写真]=Getty Images

 衝撃の7ゴール。ワールドカップ準決勝、ドイツ代表はブラジルを文字通り“粉砕”した。もちろん、ドイツ国内は歓喜に沸いている。各メディアによると、現地時間22時から「ZDF(第2ドイツテレビ)」で放送されたこの試合の平均視聴者数は3,257万人。ドイツ人の約4割が試合を見ていた計算で、これは同国にとって記録的な数字だという。

 すでにアンゲラ・メルケル首相が決勝戦を観戦するためブラジルを“再訪”することも発表されており、1990年イタリア大会以来、東西ドイツ統一後初となるワールドカップ優勝に向け、ドイツの盛り上がりは最高潮だ。

 しかし、国民が歓喜に沸く一方で、ドイツサッカー連盟(DFB)は、母国で大敗したブラジルを気遣っている。DFB公式ツイッターには、こんな書き込みが見られた。

「我々は、自国開催の準決勝で負ける痛みがどれくらいかは2006年から知っている。未来の幸運を祈る」

 そう、ドイツもまた、自国開催の2006年大会の準決勝でイタリアに破れた過去がある。その悪夢を経験しているからこそ、ブラジルに敬意を示したのだ。

 また、敵同士とはいえ同じフットボーラー。ドイツ代表選手たちも、ブラジルへの気遣いを忘れなかった。

 メスト・エジルは「あなたたちは美しい国、素晴らしい人々、驚くべきフットボーラーを持っています。この試合があなたたちの誇りを損なうことはありません」とツイートし、10万件近くリツイートされている。

 また、ルーカス・ポドルスキは自身のツイッターにポルトガル語でメッセージを掲載。ブラジルの選手と国民を励ました。

「歴史と伝統ある黄色のシャツに誇りをもってください」

「みんなブラジルを見て育ってきました。僕らが憧れたヒーローは、みんなこの国の出身です。町の暴動や混乱、抗議は何も解決しません」

「頭を上げてください。僕はブラジルを愛しています」

 大小あれど、選手なら誰もが敗北の痛みを知っている。歴史的勝利に浮かれることなく、敗者へのリスペクトを忘れないのが、一流プレーヤーの証だ。

(記事/Footmedia)

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