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名を捨てて実を取るオランダ代表の“ブレない”ポリシー

2014.06.27

オランダの快進撃を牽引するキャプテンのロッベン [写真]=Getty Images

 今大会のオランダ代表は、前回王者スペインを5-1で一蹴し、グループリーグの3試合で出場国最多の10ゴールを挙げた。しかし、5-3-2をベースとした戦い方は、オランダ伝統の「トータルフットボール」というより「カテナチオ」なのではないか――。オランダ国内の複数メディアによると、一部の識者やファンからはそんな声も出ているようだ。

 アヤックスを率いるフランク・デ・ブールは、オランダ代表を指揮するルイス・ファン・ハールの教え子だ。しかし、彼はアヤックスで今後同じ戦術を採用するかと聞かれると、こう答えた。

「私の心がノーと言うだろう。もしバルセロナと対戦することになっても、私はゲームを支配する戦術で戦いたい。そのポリシーは簡単には変えられない」

 オランダ人記者の中にも、ファン・ハール監督の守備的な戦術について疑問を持つ者は多い。しかし、当の指揮官はこう反論している。

「私は他の誰が何と言うかなど興味がない。重要なのは相手よりも多くのゴールを決めること。それだけだ。私はワールドカップの開幕前からそれを言い続けてきた。」

 選手たちは、ファン・ハールを全面支持している。代表チームのキャプテンを任されているアルイェン・ロッベンはこう擁護する。

「オランダ国内で何を言われているかは知っている。だが、僕はそこまで否定的に思っていない。正直、思っていた以上の結果を出せているからね。メキシコに勝てれば決勝まで勝ち上がれると思う」

 ウェズレイ・スナイデルも、監督に忠誠を誓うひとり。

「僕も、もう4年前のようなワールドクラスではない。今は“働き者”として頑張らないといけないんだ」

 ジョージニオ・ワイナルドゥムも同意見だ。

「美しいサッカーが全てじゃない。ワールドカップでは結果が全てなんだ。みんなが望むほど美しいサッカーではないかもしれない。だが、結果は出ている。長いこと、オランダは魅力的な攻撃的サッカーの象徴だったが、過去40年間で手に入れたタイトルは1988年のユーロだけだ。美しいサッカーで勝てないのなら、勝つサッカーをするだけさ」

 理想か、現実か。どちらが正しいかは、これから始まる決勝トーナメントで明らかになるはずだ。

(記事/Footmedia)

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