2019.06.05

第10回大会を迎える『EXILE CUP』がついに開幕! “子どもたちに、夢を”というスローガンのもと、大会を見守り続ける岡田武史氏とÜSA氏の想い

[写真]=松原裕之
サッカー総合情報サイト

■いろいろなカタチで子どもたちの夢を応援する

―――2010年から開催されている『EXILE CUP』は、今年で10回目になります。最初はどういった経緯で始められたのでしょうか?

ÜSA 2010年に開催されたワールドカップ・南アフリカ大会に出場する日本代表の応援ソングとして『VICTORY』という曲をリリースさせていただきました。その頃、日本代表監督をされていた岡田(武史)さんを紹介していただき、ミュージックビデオ(MV)にも出演いただきました。その交流をきっかけに始まったんですよね?

岡田 MVに出演させてもらったのは確かだけど、後ろ姿ばかりで正面から撮影した部分はほとんど使ってもらえなくて(苦笑)。それ以前にHIROさんとATSUSHIがいろいろな話し合いをしている中で、作詞をATSUSHIが担当することになってインタビューを受けたんだ。その時、正直、『果たしてこれでどんな曲ができるのかな?』と思ったんだけど、本当に素晴らしい曲ができ上がって……。

ÜSA 僕たちは2010年に初めてスタジアムツアーを開催させてもらえるようになったんです。普段はサッカーで使っているスタジアムでライブをするのですが、サッカー場や競技場も会場の近くにあって。サッカーというキーワードが身近にあった年で「子どもたちのために“何か”やれることはないだろうか」とアイディアを出し合った中で、その時のツアー名を入れた「『EXILE FANTASY CUP』という名前のフットサル大会を開催するのはどうだろう?」というところからスタートしたんです。

岡田 当時はサッカーをやっている子どもたちが集まる大会というよりも、EXILEファンが集まってくるようなイメージだった

ÜSA 確かに僕たちも『EXILE CUP』がずっと続くような大会になっていくとは想像もしていませんでしたね。そもそも僕たちがスタジアムツアーを開催するからということがきっかけになって、加えて僕自身やEXILEメンバーにサッカーファンが多いということ。そして何より岡田さんとの出会いが開催を実現できた一番大きな要因かもしれないですね。

―――『EXILE CUP』には「Dreams For Children・子どもたちに、夢を。」というスローガンがつけられていますが、どんな想いが込められているのでしょうか?
ÜSA やはり未来を作っていく子どもたちのために「自分たち大人は何ができるのだろう」と考えた時に、LDHが大切にしている「Love」「Dream」「Happiness」というキーワードをカタチにしたかったんです。そこで「“子どもたちが夢を叶える場所”を作っていくことは、オレたちができることの一つだよね」とみんなで話して、いろいろなアイディアが出てきました。今では『EXILE CUP』だけではなく、ダンス大会を開催したり、いろいろなカタチで子どもたちの夢を応援するプロジェクトを進められていて、その始まりが『EXILE CUP』だと思っています。

岡田 『VICTORY』のMV撮影のときのスケール感も本当にすごかったんだけど、これだけのことを実現させて、それを継続させていく。そういうLDHのエネルギーにはいつも驚かされるよ。

■サッカーの質を追求する大会になっている『EXILE CUP』

―――大会はどのように成長しているように感じますか?
ÜSA 『EXILE CUP』について言うと、子どもたちがサッカーを大好きになって、そこで楽しんでもらうことが一番なのですが、大会の規模が大きくなっていけば、それだけ注目度も上がりますよね? そうなれば参加してくれる子どもたちのモチベーションもアップするでしょうし、子どもたちのチャンスも広がっていくはずです。これからもいろいろな人たちに注目してもらえるような大会にしていければいいなと思いますね。

岡田 年々、大会規模も大きくなっている実感もあるけれど、以前に比べるとサッカーの質を追求する大会になっている印象もある。ここ数年は、「この選手は将来が楽しみだな!」と思わせてくれる選手が何人もいるし、あのラモス(瑠偉)がびっくりしているぐらいだから(笑)。実際に、最近では『EXILE CUP』に出場した選手が年代別の代表に選出されたという話も聞くし、レベルは年々上がってきている。昔は開会式などの挨拶で「ゆくゆくは日本代表になってください」と話していたけれど、それが現実になろうとしているから驚かされるよ。

ÜSA 確かにレベルは年々上がっていますよね。観ている僕たちも楽しいですし、本気で泣いたり笑ったり、時にはぶつかり合っている姿を観られるのは本当にうれしいことですし、それが毎年の楽しみにもなっています。

岡田 本当にそう思うよ。最初の頃は、試合で負けて泣いている選手はあまりいなかったけれど、最近は悔し泣きする選手もたくさんいる。やっぱり優勝賞品がヨーロッパサッカー夢者修行と豪華だし、それを逃したら相当悔しいだろうからな(笑)。

ÜSA アハハハハ。ただ、サッカーの質が上がる一方で、子どもたち同士の和気あいあいとした雰囲気もちゃんと残っているんです。負けてしまったチームの子どもたちをミックスして、そこに大人たちも加わって一緒に試合をしたり。
決勝大会では同じ宿舎に泊まって一緒に食事をしたり、そこでチーム同士の出し物を披露したり……。そういう交流があるもの『EXILE CUP』の良さだと思っています。

岡田 その余興でオレもいろいろとやらされるんだよなぁ(苦笑)。昔、富良野で決勝大会を開催したでしょ? その時にダンス大会をやったんだけど、一人めちゃくちゃうまい子どもがいたよね?

ÜSA その子は全然ダンスを習ったことはないのに、音楽やその場の雰囲気に反応して踊っていて、そこが本当にすごいなと思いましたね。

岡田 あの子のダンスは今でも印象に残っているよ。それはさておき『EXILE CUP』の素晴らしさは、サッカーだけの大会ではないところ。今治で行われる決勝大会では、3日間という期間中に野外体験や環境教育といったいろいろなプログラムを通して学ばせるのはいい試みだと思います。そうすることで参加する子どもたちは単にサッカー大会に出たという以上のものを持ち帰ることができるのは本当に素晴らしいことだから。

ÜSA 試合のあと、選手たちには自然体験プログラムをやってもらったりするのですが、そこで楽しみながら地球環境などさまざまなことを学べるので、それはすごく素敵なことだと思います。子どもたちもすごく楽しそうにやってくれるので、今後はキャンプをやったりして、子どもたちの生命力をアップさせるようなプログラムができたらいいなと思いますね。

■人の心を元気にできると思い出させてもらった2011年大会

―――ダンスの話がでたので、開会式の“恒例”になっている『EXダンス体操』についても聞かせてください。運動不足の大人たちにとっては、少しハードなウォーミングアップですよね(苦笑)。
ÜSA そうですね。親御さんに聞くと、結構息が上がってしまう方もいるそうですね(苦笑)。

岡田 本当にそうなんだよ。オレの会社の社長が何を思ったのか、「朝礼のときに『EXダンス体操』を社員全員でやる」とテレビで話してしまって……。みんな、「朝からこの体操をやったらキツいぞ」とざわついたことがあってね(笑)。

ÜSA そうなんですね(笑)。でも、LDHでも一時期朝礼でやっていましたよ。

岡田 あれだけ動くと汗をかいちゃうから止めようという話になったんだ。ÜSAから見て、『EXダンス体操』はどういうところがポイントにしているの?

ÜSA 体操の動きに加えて、音楽に合わせてしっかりとリズムを取ることですね。普段はなかなか使わないようなリズム感を取り入れることで、いろいろなスポーツにも活かされると思いますし、例えばサッカーではあまりやらない動きをすることでいい効果があると思うので、その辺りをポイントにしています。

岡田 ストレッチ要素とかも入っているし、大人には少しキツいけど、元気な子どもたちの準備運動としてはすごくいい体操だと思う。

ÜSA 僕たちが子どもの頃は、ラジオ体操でテンションを上げていたのですが、やっぱりビートに合わせてジャンプをしたり、手を叩いてリズムを取るだけでも、心と体がつながっていてどんどん元気になっていくので、とても効果があると思っています。

岡田 オレはテクニシャンタイプじゃなく、ハードディフェンダーだったから全然リズム感がなくてうまく踊れないんだよ。みんなが右回りなのにオレだけ左に回っていたり……。でも、オレが踊らないと会場が盛り上がらないから、笑われながらも頑張っているんだけど、やっぱり『EXダンス体操』は難しいよ(苦笑)。

ÜSA 実は今、『EXダンス体操』を改良して新しいバージョンを作ったので、今年の『EXILE CUP』で取り入れようと思っているんですよ。肩を回しながらのステップとか少しハードかなと思うところを軽めにしているので、やりやすくしているのでお楽しみに! 

―――これまでの9大会を振り返って、特に印象に残っている大会やチームなどはありますか?
岡田 2016年大会で優勝した関西大会代表のEDC。

ÜSA 確かに本当にみんながうまかったですよね。彼らと一緒にドイツに行って、食事をしたり、練習もしたのですが、結構大変でしたよね(笑)

岡田 当時、ドルトムントでプレーしていた香川真司選手が来てくれてね。

ÜSA EDCのメンバーはやんちゃな子が多くて、香川選手に会うなり「年収はいくらなんですか?」といきなり聞いちゃうぐらいで(笑)。

岡田 EDCのメンバーは「しっかり試合を観ろよ」と言っても全然観なかったけど、ボールを持たせるといつまでもサッカーをやっていたね。目の前でレベルの高いサッカーがやっているのに観ることにはまったく興味を示さなくて……。

ÜSA でも、ドイツのチームに負けなかったですからね。本当に日本のレベルはすごく高いんだなと改めて思いました。それから印象に残っている大会と言えば、2回目の開催となった2011年大会です。3月に東日本大震災が起きてしまって、岡田さんとも被災地へ行ったのですが、そこで子どもたちを元気づけようとサッカーをやったり……。その年、宮城県でも『EXILE CUP』を開催したのですが、悲しい出来事のあとだったので、僕たちも『どうだろう、大丈夫かな』という想いを持って行ったのですが、参加してくれた子どもたちがとても喜んでくれて、その時にスポーツやエンターテインメントというのは人の心を元気にできるんだなと改めて思い出させてもらいました。本当に開催して良かったなと感じています。

■どこの会場でもその場の雰囲気を楽しいものに

―――ÜSAさんにとっては、『EXILE CUP』というグループ名が入った大会になります。主催する側として大切にされていることは?
ÜSA 『EXILE』という冠をつけさせてもらっているからには、どこの会場でもその場の雰囲気をとても楽しいものにしたい。“目で見える部分”だけではなく、これまでEXILEが大切にしてきた“EXILE魂”であったり、ピンチをチャンスに変えるという言葉や、絶対に負けないという精神を大切にしていきたい。僕らはダンスや歌ですけど、自分たちの活動をなかなか知ってもらえない時期もありましたが、それを乗り越えて今までやってきました。これからもそういう気持ちをみんなと分かち合えるような大会にしていきたいなと思います。

岡田 最初はEXILEファンが集まってくるような大会だったのが、今では一生懸命にサッカーをやっている選手たちが目指す大会になっていて、それは子どもたちの大きなモチベーションになっていると思う。サッカーをプレーするだけではなく、“新しいつながり”や“新しい経験”を持ち帰ることができるのは子どもたちの可能性を広げてあげることになるから。私がこの活動に一番共感しているのは、「Love」「Dream」「Happiness」というキーワードのもとで芯の通ったことをずっとやっているから。子どもたちにとってはすごく貴重な経験になると思っているので、ゆくゆくは『EXILE CUP』が海外チームの子どもたちが各地域の予選を勝ち抜いて参加するような大会になったらもっと魅力的な大会になると思う。それが実現する頃には決勝大会を今治市では開催してくれないかもしれないけどね(苦笑)。

ÜSA 世界規模の大会になっていってくれたら楽しいですね(笑)。でも、将来的に『EXILE CUP』がもっともっと注目されるような大会になって、たくさんの子どもたちに参加してもらえるような大会にしていけたらいいですよね。 僕自身も観客として子どもたちのプレーを観るだけでも毎回本当に感動するので、“観て楽しむ”人が増えてくれたらもっともっと楽しい大会になると思います。

―――6月9日、熊本県で開催される九州大会を皮切りに各地域で、『EXILE CUP 2019』の予選大会が始まります。今大会に参加する子供たち、そして応援をする親御さんにメッセージをお願いします。
岡田 『EXILE CUP』は過去9回も開催されてきて、私自身もとても夢を見させてもらってきていますし、参加する選手にとっても夢のある大会だと思います。例えば、EXILEのメンバーやラモス(瑠偉)に会えたり、優勝すればヨーロッパにサッカー観戦に行けるとか。これほど魅力の多い大会はないと思います。その夢にチャレンジすることは、とても意義のあることなので、ぜひ今治市で開催される決勝大会を目指して頑張ってもらいたい。それから選手たちのお父さんやお母さんもぜひ会場に来てもらって、みんなで『EXILE CUP』を楽しんでもらえたらうれしく思います。

ÜSA レベルにかかわらず、サッカー・フットサルが大好きな子どもたちにぜひ、各地区の予選大会に出場してもらいたいです。
選手のみんなにとっては真剣勝負の場ではありますが、会場ではEXILEの曲だけではなく、LDHに所属するアーティストたちの曲を流していて、雰囲気がとても楽しいので、家族みんなでピクニックに行くような気持ちで応援に来てもらえたらうれしいですし、そこで僕も一緒に『EXILE CUP』を楽しみ、盛り上げたいと思っています。

取材・構成:奥田明知 写真:松原裕之 協力:日本サッカーミュージアム

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