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【ルヴァン杯決勝 プレビュー】攻めて、攻めて、攻め勝つのみ! “日本一面白いサッカー”で17年ぶりの頂点へ

2018.10.26

チーム一丸、17年ぶりの制覇を目指す [写真]=J.LEAGUE

 横浜F・マリノスが2001年以来、17年ぶりのJリーグYBCルヴァンカップ制覇を目指す。現所属選手で最古参の中澤佑二と栗原勇蔵はともに2002年加入のため、トリコロールの一員としてリーグカップを掲げた経験のある選手はいない。もしタイトルを手に出来れば、新時代幕開けを告げる号砲となるだろう。

 今年9月に念願の日本代表デビューを飾り、押しも押されもせぬ中心選手に成長した天野純はこう断言する。

「今季は今までのF・マリノスと全く違うサッカーになった。間違いなく日本で一番面白いサッカーをやっていると思うし、こういうチームがタイトルを獲れば、これが最も勝つ確率の高いサッカーだと証明できる」

アンジェ・ポステコグルー

ポステコグルー監督は横浜FMにアタッキングフットボールを植え付けた [写真]=J.LEAGUE

 言葉から自信がにじみ出ているのは、紆余曲折を経てチームが前に進んできたからだ。今季から元オーストラリア代表監督のアンジェ・ポステコグルー氏を新指揮官として招聘。伝統の堅守をベースとした堅実なスタイルから、どんな状況や場面でもゴールを狙い続ける“アタッキングフットボール”に姿を変えた。

 明治安田生命J1リーグではここまで18チーム中トップの53得点を記録し、このルヴァンカップでも12試合で26得点とゴールを量産している。“攻撃は最大の防御”を地で行くサッカーを展開し、圧倒的なポゼッションで相手を押し込み、次々とゴールネットを揺らす。これは一発勝負の決勝戦でも不変のスタイルで、ポステコグルー監督は「注目度は高いが、自分たちがやるべきことは変わらない」と泰然自若の構えを示している。

 シーズン序盤は攻撃と守備のアンバランスさが目立ち、主にカウンターから失点を喫していたが、ここにきて攻守のバランスが整ってきた。本来アタッカーの大津祐樹が中盤の底から相手ボールを追いかけ、泥臭いプレスでチームを下支え。それをきっかけにチームは右肩上がりに調子を上げていく。プライムステージが行われた9月以降、現在8得点でルヴァンカップ得点王の伊藤翔やウーゴ・ヴィエイラ、仲川輝人といったオフェンス陣の得点力が一層引き出された。

ドリブラーからハードワーカーに変貌した大津祐樹 [写真]=J.LEAGUE

 唯一の気がかりは、ニューヒーロー賞を受賞した遠藤渓太が20日のJ1第30節・ガンバ大阪戦で左太もも裏を痛めて途中交代したこと。本人は「重傷ではなかったし、軽傷だった。出場を諦めてはいない」と強行出場の意思を示しているものの、万全の状態とは言い難い。ここにきてスタメンを固定化しつつあっただけに、若きドリブラーが欠場となれば不安は拭いきれない。

 それでもチームとして目指すスタイルは特定の選手に左右されない。誰がピッチに立っても、指揮官が思い描くポジショニングやフィニッシュに至る過程は大きく変わらない。そこは今季のマリノスにおける最大の強みと言えるだろう。

「自分がここに来たのはタイトルを獲れるようなチームにするため。自分たちは常にタイトルを獲れる常勝軍団になっていきたい(ポステコグルー監督)」

 タイトル獲得という成功体験は、転換期のチームに新たな活力をもたらす。そのために、ファイナルの晴れ舞台でも愚直に“アタッキングフットボール”を貫く。攻めて、攻めて、攻め勝つのみだ。

文=藤井雅彦

横浜F・マリノス 予想スタメン

▼GK
21 飯倉大樹
▼DF
27 松原健
13 チアゴ・マルチンス
2 ドゥシャン
24 山中亮輔
▼MF
6 扇原貴宏
9 大津祐樹
14 天野純
▼FW
19 仲川輝人
25 ユン・イルロク(11 遠藤渓太
7 ウーゴ・ヴィエイラ

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