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日本が初のW杯出場を決めた日 ジョホールバルの歓喜がフル配信決定! 楽しむための10の裏話

2020.06.24

©J.LEAGUE

 6月26日20時から、日本サッカー協会(JFA)の公式YouTubeチャンネル『JFATV』にて、日本代表が初のワールドカップ出場を決めた試合である「FIFAワールドカップフランス’98 アジア地区第3代表決定戦 対イラン代表」が放送されます。

 日本サッカー史に刻まれ、現在までの大きな発展につながった記念すべき試合を視聴する前に! 当時の小話をご紹介します。最後まで読んでいただいて、放送のお供にしてください。

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■驚異の視聴率!

 この試合、地上波は代表戦の放送で不敗神話を誇るフジテレビ、衛星放送ではNHK-BSで生中継された。凄かったのは視聴率だ。日曜日の深夜だったにも関わらず、フジテレビのそれは驚異の47.9%。NHK-BSの視聴率も含めれば、大変な数字になるわけだ。それこそ日本中が固唾をのんで見守っていた証。歴史的な瞬間の目撃者となるために…。

■スポーツ紙も専門誌もバカ売れ!

 凄かったと言えば、メディアもそうだ。一般紙は号外を出し、スポーツ紙も飛ぶように売れたが、専門誌の売り上げも空前絶後。スポーツ総合誌Numberの速報号は瞬時に完売し、続く特集号は創刊以来最多部数を更新するプレミア版となった。また老舗の専門誌サッカーマガジンも即日完売の在庫切れ。編集部員の手元にすら残らない「幻の一冊」となった。

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■VゴールのW杯出場は史上日本だけ!

 Vゴール(正式にはゴールデンゴール)によってW杯出場を決めたのは、後にも先にも日本だけ。延長戦に突入後、どちらかのゴールが決まった時点で試合終了となるゴールデンゴール方式は1998年フランス大会と2002年日韓大会のみ採用され、2004年以降は廃止に。今後、この方式が採用されない限り、日本は最も劇的な予選突破を決めた唯一の国として、サッカー史に残り続ける。

■ヒーロー岡野の凱旋に1万人が集結!

 劇的なVゴールを決めた岡野雅行と言えば、Jリーグ屈指の強豪クラブである浦和レッズに在籍していた。成田空港で帰国会見を終えると、スタッフに連れられて浦和駅に直行。無事到着すると、辺り一面は人、人、人…。実に1万人を超える地元の人々がヒーローの凱旋を待ちわびていたのだ。岡野いわく「建物の屋上から見下ろしたときの光景は忘れられないですね。いまでも目に焼き付いています」と。

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■代表戦士が何と歴史図鑑に登場!

 W杯初出場を決めた代表戦士はその功績を称えられ、日本の歴史図鑑に登場。記念切手がつくられたほど有名人となる岡野雅行は娘さんから「パパが歴史の本に載っていた」と。ついに聖徳太子と肩を並べることに!? また名波浩も高校生の娘さんから「図書館にパパのいる本があった」と。代表戦士は文字どおり、日本の輝かしい歴史の1ページをつくったわけだ。

■監督宅に見知らぬ人からも電話の嵐!

 凱旋後、岡田武史監督の自宅では祝福の電話が鳴りっぱなし。しかも、見知らぬ人たちからの祝福の電話が何本も…。その話を本人から聞いたスポーツ紙の番記者たちが理由を探ってみると、なんと一般配布の電話帳に自宅の番号が載っていたらしい。そりゃ、ジャンジャンかかってきちゃいますよね、岡田さん!

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■イランが情報戦で大芝居!

 試合前は「きつねとたぬき」の化かし合い。情報戦が付きものだ。そこで大芝居を打ったのがイランだった。試合前日、足にギブスをはめて車椅子に乗っていた主力選手のホダダッド・アジジがまるで何事もなかったかのように堂々のスタメン出場。大ケガを装って日本側を煙に巻く作戦に出たわけだ。もっとも、あまりにも派手な演出で胡散臭さ満載だったが…。

■なぜかイランのベンチへ歓喜の疾走!?

 人間、興奮すると我を忘れるもの。Vゴールを決めた直後の岡野もそうだった。ふと気づくと、なぜか相手方のイランのベンチに向かって歓喜の疾走。慌てた岡野は「遠くにぼんやりとメガネが浮かんできて…あ、あっちだと。もう必死に走りましたよ」と。メガネと言えば、もちろん岡田武史監督のトレードマークだ。その先に歓喜の輪が広がっていた。

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■歴史的快挙にもクールを貫く中田英寿

 突破が決まり、日本ベンチが歓喜の渦に包まれる中、最初から最後までクールを貫いたのがエースの中田英寿だ。試合後のインタビューでも「代表はうまく盛り上がったんで、これからはJリーグを盛り上げてください」と、優等生のようなお言葉。しかし、先輩の名波浩いわく「決まった瞬間は本当にうれしそうだった。あれはクールを気取っていただけ」とニヤリ。

■試合後はお祭り騒ぎ……ではなかった!

 W杯の出場が決まった直後はピッチもスタンドも歓喜の渦。しかし、試合後の控室は水を打ったように静まり返っていた。まるで負けた試合後のように…。宿泊先のホテルに戻ってからも派手なお祝いはなかったという。それもそのはず。選手も監督もスタッフも疲労困憊でぐったり。精根尽き果て、祝い、騒ぐ余力など残っていなかった。それほどの激闘を制して、ようやく歴史の重い扉が開いたわけだ。

監修=北條聡

「FIFAワールドカップフランス’98 アジア地区第3代表決定戦 対イラン代表」

配信日:6月26日(金)

配信時間:20時~
※日本国内限定配信、アーカイブ無し

実況:山本浩
解説:中山雅史、名良橋晃

ハッシュタグ「#最後は岡野」
放送当日の6月26日(金)22:00頃(延長後半118分に岡野雅行がゴールデンゴールを決める瞬間)には、ハッシュタグ「#最後は岡野」をつけてSNSに一斉投稿し、サッカー日本代表の歴史的瞬間を目撃することになるファン・サポーターの感動や熱狂や盛り上がりで、SNSが溢れかえることを目指しましょう!

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