武藤嘉紀はチームの勝利だけを渇望している [写真]=Getty Images
日本代表は15日、ベースキャンプ地のカザンで2018 FIFAワールドカップ ロシアに向けて非公開練習を実施。練習後、武藤嘉紀がメディアの取材に応じた。
日本が勝つために――、武藤が胸に秘めるのはその思いだけだ。
「ベンチスタートでもチームのために声を出したり、裏方でサポートしますし、途中から入ってもチームの助けになるようなプレーをしたい。途中から入ったフレッシュな選手が躍動しないと、チームを活性化させることはできないので。とにかく、流れを変えるようなプレーを意識したい」
武藤はこれまでは「エゴイストになる」と度々口にしてきた。多少の強引さは厭わず、自分でゴールを決めチームを勝たせるためにエゴを全面に出すというコンセプトを掲げてきた。それでも今は、日本代表が勝つことだけしか頭にない。そのためには途中出場、あるいはピッチに立てなくともチームを全面的に支えていくという。そして、試合に出たときは“活性化”をチームにもたらそうと考えている。
「緊迫した試合では自分たちの思うようなプレーができない。かなり雰囲気にも呑まれると思う。でも、そこで誰かが勢いあるプレーや勇気あるプレーを出すことによって周りも活性化すると思う。そういうプレーを出していきたいと思いますし、日本が勝つために何が必要か考えながらプレーしなければならない」
4-2で勝利したパラグアイ戦、武藤は右サイドで先発出場。「あんまりやったことがなかった」と話すポジションにも、献身的な守備と推進力豊かな攻撃でチームに流れをもたらした。さらに、良いイメージと新たな発見を手にするための動きにも余念はない。この日も同じ右サイドの原口元気、代表屈指のドリブラー、乾貴士と議論を重ねた。
「(右サイドは)初めてだったので、元気くんのドリブルだったり、乾くんも入って、どういうドリブルが良いのか3人で話しました。ライバルでもありますけど共有し合って、その方が日本が勝つためにチームが活性化すると思う」
全ては日本代表が勝つために……。エゴを捨てた武藤がピッチ内外でチームをサポートする。