北朝鮮戦にフル出場したMF伊藤洋輝 [写真]=VCG via Getty Images
北朝鮮とのグループリーグ最終戦、チーム唯一の高校生であるMF伊藤洋輝(ジュビロ磐田U-18)が躍動した。ボールを持てばグイグイと前へ運び、パスを出せばフリーランニングでペナルティエリアに侵入して行く。森保ジャパンの最年少は縦横無尽に動きながら、攻撃を活性化させた。
伊藤のパフォーマンスはまさに有言実行そのものだった。試合前日に「自分の良さである推進力やゴール前へ入っていくスピードを生かしたい。最年少だけれど、最年少に見えないようなプレーをしたい」と語っていたとおり、堂々としたプレーを披露。2アシストという数字も残した。
1点目は「キーパーが出られないところを狙った」とFKをファーサイドのDF柳貴博(FC東京)に合わせ、2点目は「動きが見えていた」と中央へ走り込んできた三好康児(北海道コンサドーレ札幌)に折り返した。
「2試合出番がなかったので、『アピールしなければ』という気持ちが強かった。決勝トーナメントで使われるためにも、自分の良さを出していきたかった」
攻撃への積極的な姿勢は、ボランチを組んだMF森島司(サンフレッチェ広島)が「洋輝が結構動くので、僕がバランス取りながら守備を頑張っていました。洋輝は意外と攻撃好きなんですよ。練習の時にちょっと気付いてはいたんですが、ビックリしました」と笑うほど。それに対して伊藤はというと、「司くんとは初めて組んだので、今日で自分のプレーを分かってもらえたと思う。司くんが前を向いたタイミングで、もっと飛び出して行きたい」とさらりと言ってのけるから舌を巻く。
決勝トーナメントに駒を進めた日本は、19日に準々決勝でウズベキスタンと対戦する。この日の出来に「シンプルに自分の良さが出せたのはうれしい」と笑顔を見せた18歳のレフティーは、「もっとゴール前に顔を出して行きたい。ミドルシュートも枠には飛んでいたので、精度やパワーをもっと上げて、自分のゴールにつなげたい」とさらなる意欲を示した。
取材・文=高尾太恵子