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手倉森監督が“予告先発”…ブラジル戦は「世界中に驚きを与えるチャンス」

2016.07.30

ブラジル戦に向けた記者会見に出席した手倉森誠監督 [写真]=JFA

 30日にゴイアニアのセーハ・ドウラーダ・スタジアムで行われるリオデジャネイロ・オリンピック日本代表とブラジル代表の国際親善試合。その前日となる29日に公式会見と公式練習が行なわれ、ブラジル代表を率いるロジェリオ・ミカーレ監督がスタメンを発表すると、それに対抗して手倉森誠監督も予告先発に打って出た。

「基本的に今日、ビブスを着ていなかったほうがメンバーです。ブラジルも公表したので、うちも公表します(笑)」

 その20分ほど前に終わった公式練習でビブスを着用していなかったのは、DF室屋成(FC東京)、塩谷司(サンフレッチェ広島)、植田直通(鹿島アントラーズ)、藤春廣輝(ガンバ大阪)、MF遠藤航(浦和レッズ)、原川力(川崎フロンターレ)、矢島慎也(ファジアーノ岡山)、中島翔哉(FC東京)、南野拓実(ザルツブルク)、FW興梠慎三(浦和レッズ)の10人。彼らとともにプレーしていたGKは中村航輔(柏レイソル)で、試されていたのは、興梠を1トップに置いた「4-2-3-1」の布陣だった。

 約1時間の公式練習は、いつもどおりランニングからスタート。続いてダッシュを中心としたフィジカルメニューのあと、ディフェンスラインからビルドアップし、シュートまで持ち込む戦術練習が行なわれた。

 その際、日本の選手がシュートを外すと、スタンドに詰めかけた約4000人のブラジル人サポーターから冷やかしや嘲笑、ヤジが乱れ飛ぶ。これにはキャプテンの遠藤も「国民性がすごく表れているなと感じましたね」と苦笑しかなかった。

 続いて、ビブス着用組と未着用組(メンバーは前述のとおり)に分かれ、ハーフコートより少し広いサイズでの紅白戦。そしてコーナーキックからの攻防を確認し、トレーニングは締めくくられた。

 練習後、会見場に姿を現した手倉森監督は開口一番「明日は、最終テストで強豪国の強さを思い知らされてみたい。勝てば日本中が盛り上がると思うが、本当に盛り上がるのは大会でメダルを取ること。いろんなことを欲張ってしまうと、いろんなものを失ってしまう」と、謙虚な姿勢で臨むことを強調した。

 ところが数分後には、「選手たちには、明日のブラジル戦は世界中に驚きを与えるチャンス。やってみせるという気持ちで挑んでみるべきだと話した」ことを明かし、「日本中を驚かせるような結果を得てみたい」とも語った。

 本音はいったいどちらなのか――。そう訊ねると、指揮官が笑いながら答えた。

「どっちに転がるか分からないという、それぐらいの気持ち。でも、できればやっぱり大会には自信を持って入りたいというのがありますから、勝ってみせたいですよね」

 いずれにしても、本番直前に、金メダル候補のホスト国と完全アウェーの環境で戦えるわけだから、勝敗に関係なく、日本にとって得るものしかないのは間違いない。

 ちなみに、ブラジルの予告スタメンは以下のとおり。

GK⑱ウイルソン(アトレチコ・ミネイロ)、DF②ゼカ(サントス)、③ロドリゴ・カイオ(サンパウロ)、④マルキーニョス(パリ・サンジェルマン)、⑥ドウグラス・サントス(アトレチコ・ミネイロ)、MF⑧ラフィーニャ(バルセロナ)、⑯チアゴ・マイア(サントス)、⑰フェリペ・アンデルソン(ラツィオ)、FW⑩ネイマール(バルセロナ)、⑨ガブリエル・バルボーザ(サントス)、⑪ガブリエウ・ジェズス(パルメイラス)。キャプテンを務めるのは、ネイマール。合宿中に負傷したオーバーエイジのGKフェルナンド・プラスと合流したばかりのオーバーエイジ、レナト・アウグストを除いたベストの布陣で日本戦に臨んでくる。

 なお、試合は日本時間31日の4時30分キックオフ予定。テレビ東京系6局ネット、NHK-BS1にて生中継される。

文=飯尾篤史

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