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リオ五輪代表を襲った「アクシデント」…久保裕也の派遣問題、交渉の行方は

2016.07.28

リオ五輪代表に選出されているヤング・ボーイズFW久保裕也 [写真]=AMA/Getty Images

 スイスのヤング・ボーイズが公式HPを通じて、リオデジャネイロ・オリンピック日本代表に招集されている同クラブ所属FW久保裕也の派遣を拒否する意向であることを発表した件で、日本サッカー協会の霜田正浩ナショナルチームダイレクター(ND)が交渉のため、ブラジルから急きょスイスへと飛んだ。

 日本サッカー協会(JFA)によると、ヤング・ボーイズのゼネラルマネージャー(GM)から霜田NDのもとに「FWが負傷したため、久保のオリンピックへの派遣を見送りたい」との内容のレターが届いたのは26日夜のことだった。

 26日に開催されたチャンピオンズリーグ予選3回戦ファーストレグのシャフタール戦で同クラブ所属のスウェーデン人FWアレクサンデル・ゲルントが左ひざを負傷。そのため、久保をクラブに残す決断が下されたのだ。

 それを受けて霜田NDは「承服するのは難しい。ミーティングの場を設けてほしい」との内容のレターを返し、翌朝スイスに向けて出発。ヤング・ボーイズのGMと会い次第、ミーティングを行って結論を出すという。

 規定によれば、初戦の24時間前までなら、所定の手続きを踏めば欠員の補充は可能だという。もし、実際に久保の招集が不可能になれば、予備登録した35人のメンバーの中から代わりの選手を選ぶことができる。ただ現実的に考えれば、4人のバックアップメンバー、FW鈴木武蔵、MF野津田岳人(ともにアルビレックス新潟)、DF中谷進之介(柏レイソル)、GK杉本大地(徳島ヴォルティス)の中から補充することになるだろう。

 この件について問われた手倉森監督は、落ち着いた様子で語った。

「ひとつ、大会に向けた中でのアクシデントですよね。選手を抱えるクラブの事情が優先されるのが、このオリンピックですからね。今、霜田ダイレクターが動いてくれて、この先どうなるのか。実際にそうなれば、彼自身が一番無念だろうし、残されてきた仲間も無念だし。逆に言えば、ここにいるメンバーがここにいることの誇りと責任をより感じてもらわなければいけない出来事だと思います」

 日本サッカー協会としては、交渉を終えてブラジルに戻ってくる霜田NDの口から結論について発表させたい意向だという。今後の動向に注目したい。

文=飯尾篤史

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