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4発大勝も気持ちは晴れず?…手倉森監督、メンバー選考は「厳しい決断」

2016.06.30

U-23日本代表の国内最後の試合を終え、サポーターの声援に応える手倉森監督 [写真]=三浦彩乃

 キリンチャレンジカップ2016が29日に長野県の松本平広域公園総合球技場で行われ、U-23日本代表はU-23南アフリカ代表と対戦し、4-1の勝利を収めた。

 リオデジャネイロ・オリンピックに臨む最終メンバー発表を前にした最後のテストマッチ。試合後、手倉森誠監督は負傷明けの中島翔哉(FC東京)や室屋成(同じくFC東京)らをスタメンに送り込んだ意図を明かし、国内最後の試合に駆けつけたファンやサポーターへ感謝の気持ちを語った。

「試合前、この世代だけでの強化試合で成長とこれからの可能性を示そうという話を選手たちへしました。メンバー選考へのラストチャンスだという意味合いで、(負傷からの)復帰組主体にメンバーを出し入れして、みんな申し分なく期待に応えてくれましたね。ゲームは4-1という完勝で晴れ晴れしい結果だったのですけれど、何か(選考作業を控える)自分の気持ちだけが晴れない(笑)、そんな状況です。国内最後の強化試合でこれだけ多くのファンが来てくれる中でその期待に応えられて良かったし、期待と注目が高まることでまたこの世代は成長できるんだと感じられた。サッカーをやるほうも観るほうも日本を盛り上げようというような共闘ができればいいなと。良い雰囲気を作ってくれたサポーターに感謝したいです」

 復帰した中島の具体的な評価を問われると、「普段、本当に試合に出ていない選手なんだろうかというね(笑)。切れ味もあるし、好調だった。日頃は90分やれていないので、ひざの痛みも癒えた中でどのくらい持つのだろうかというトライもできる状況だったので、90分使いました。それは(同じく負傷明けの)室屋も一緒なんですが。あとは彼らが連戦に耐えられるくらいのコンディションまで向上させて維持できるかというところについては、こっちが勝手に計算してあげないといけないだろうなと思っています」と、パフォーマンスには満足感を示し、コンディションについては今後を見守りたいと口にした。

 この試合では矢島慎也(ファジアーノ岡山)に背番号10を与え、この世代で10番を背負ってきた中島には敢えて13番を与えた手倉森監督。「正しい競争がこの世代にはあって、本当にポジティブな競争になっている。まあ、(復帰した中島に)10番を与えなかったのは良かったなと思います。我ながらいいマネジメントだったなと(笑)。ゲームを決定付ける仕事に関しては矢島もすごく伸びたなと思っていますし、(中島)翔哉は相変わらずここに来ると結果を出す奴だなと。ホントに良い競争の中から自分は選ぶことになるという話をいまちょうどしてきました。『託す側』と『託される側』に分かれるだけで、決して落とされたり外されたりという話じゃない。今日の21人、本当に良い存在感を発揮してくれたと思います。『託す側』になった選手はここからA代表を目指すだけなんだという言葉をかけてきました。本当に将来の日本サッカーの可能性・希望というのを皆さんもこの世代から見出してくれればと思います」と、チーム内に良い競争が生まれていることが結果につながっていると語った。

 また、メンバー選考について「18人を選ばなければいけないという作業は、今日の試合が終わったところでより厳しい決断をしなければいけないという状況になった。この世代、自分は余裕を振りまきながら肩に力を入れないようにニコニコしてやって来ましたけれど、ここからちょっと厳しい顔にならないといけない」と、気を引き締めた。

 リオ五輪本番へ向けた強化ポイントについては、「ここからはスピードとパワーとコンビネーションをもっともっと高めないといけない。オーバーエイジで入ってくる選手たちとのすり合わせ、やるサッカーに対してのメリハリに関してはブラジルへ行ってから高めていかないといけない。環境への適応能力というのも少し向こう行ってからイメージさせないといけないだろうと思っています。最初にこちらが仕掛けられる準備をしながら、それでコントロールしていけるような準備というのが必要になってくると思います」と、オーバーエイジとの融合やブラジルの環境への適応など、具体的な課題を挙げた。

 最後に、最終メンバー発表でのサプライズの有無を問われると「いや、僕がここに来て悩んでいる状況で記者会見するとは思っていなかったので、それがサプライズです(笑)」と口を濁し、明言を避けた。

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