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アフガン戦は岡崎&金崎の先輩後輩コンビで新布陣形成か…ハーフナーの起用にも期待

2016.03.23

21日に埼玉県内でトレーニングを行ったFW岡崎慎司 [写真]=兼子愼一郎

「この2試合の目的は勝利、失点をしないこと、できるだけ沢山得点を取ること。まずはアフガニスタン戦に集中したい。シリア戦はダイレクトに順位に関係してくるので、シリア戦に向けての準備は様子を見ながら。アフガニスタンは監督が変わっていて、南アジアカップでかなりいい結果を残した。沢山のゴールを決めた試合もある。インドとファイナルをしたが、彼らがずいぶん支配していた。そういうこともあるので、本当に集中して多くのディテールを準備してきた」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が公式会見でこう強調した通り、日本代表は2018年ロシアワールドカップアジア最終予選進出に向け、まず24日のアフガニスタン戦(埼玉)を確実に勝つ必要がある。指揮官は2戦を別の陣容で戦う考えで、より重要度の高い29日のシリア戦に本田圭佑ミラン)と香川真司ドルトムント)ら主力を起用する意向のようだ。となると、アフガニスタン戦は金崎夢生(鹿島アントラーズ)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)、GK東口順昭(ガンバ大阪)ら代表実績がやや少ない面々がピッチに立つことになりそうだ。

 アフガニスタン戦前日の日本代表は、試合会場の埼玉スタジアムで17時15分から1時間程度、非公開で最終的な戦術確認を行った。「具体的には話せないけど、少し変わると思います。少しっていうか、だいぶですね(笑)。意外と言えば意外ですけど、分析した結果、それをチョイスしたと話していたので」と宇佐美貴史(G大阪)は驚き半分で話したように、24日はこれまでの4-2-3-1とは異なる布陣に挑む模様。清武弘嗣(ハノーファー)も「いろんなフォーメーションをモノにしていかないといけない。2つ3つあれば相手も戸惑うと思うので。2トップだった場合、前のターゲットが1人ではないし、2人いることでトップ下の自分にボールがこぼれやすいし、クサビに入った時にサポートしやすい。攻撃的に行く意味もあるんで、明日は沢山ゴールが取れればいい」と2トップ採用を示唆していた。ハリル体制になってから2トップは試合終盤に何度か試したことがあるが、頭からとなると初めて。リスクはあるが、それを公式戦であえてやることに意味があるはずだ。

 その場合、誰が最前線に陣取るかだが、指揮官は「私は代表に呼んですぐプレーさせることはやらない」と公言しており、ハリル体制初招集のハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ)と小林悠(川崎フロンターレ)が先発に抜擢されることはなさそうだ。本田が温存、宇佐美もクラブでは2列目で使われていることを考えると、今回の2トップは金崎と岡崎慎司レスター)という組み合わせになるのではないか。

 2人はご存じの通り、滝川第二高校の先輩後輩。岡崎の方は「まあ基本的にはあいつも自立してるんで」と2つ下の後輩を見守るスタンスを取っているが、金崎の方は「慎司さんにはいろいろ相談できる」と絶大な信頼を寄せている。前線で体を張ってキープできる金崎と献身的に動いてゴール前に飛び出せる岡崎なら相性もよさそうだ。岡崎にはプレミアリーグ優勝争いの原動力になっているクオリティを遺憾なく示し、攻撃陣を引っ張ってほしい。

 状況次第ではあるが、絶対的な高さを誇るハーフナーやゴール前で勝負強さを発揮できる本田が途中出場することも考えられる。特にハーフナーはハリルホジッチ監督もシリア決戦に向けてテストしておきたい人材に違いない。「高さを生かすようなトレーニングはもちろんありました。まだ出るかどうか何も分からないけど、自分の特徴を生かしたプレーを出せればそれが最大のアピールになると思う。歳も歳なんで、今回のワールドカップが最後になる。食らいついて定着できるように絶対に結果を残していきたい」と語気を強めていた。そんな彼がどんな使われ方をするのかも興味深いポイントだ。

 2トップが採用されるなら、中盤の構成も気になる。ダイヤモンド型だと仮定すれば、トップ下に清武、右に原口、左に宇佐美、ボランチに山口蛍(ハノーファー)といった組み合わせが1つ考えられる。清武は「自分と真司君にはトップ下でゴールに直結する仕事をしてほしいと監督に言われている」と証言しており、彼がトップ下要員と位置づけられているのは紛れもない事実。原口のトップ下も指揮官は1つのオプションと考えているが、原口・清武・宇佐美という顔ぶれならポジションに関係なく臨機応変に動き回れる。山口も清武と同じチームでタテ関係を形成していて、普段通りにプレーできるだろう。同じロンドン世代の4人が日本の攻撃陣を底上げしてくれれば、今後の最終予選にも希望が見えてきそうだ。

 もちろん、長谷部誠(フランクフルト)や柏木陽介(浦和レッズ)が入ってボックス型の中盤になることも考えられるが、とにかく今回はチームのバリエーションを増やしながら、点を取って勝つことが最大のテーマだ。

「チーム全員が本能的に連動して共鳴することが一番力が出る」と岡崎がレスターの快進撃になぞらえて勝てるチームの絶対条件を語っていたが、その片鱗をアフガニスタン戦の日本代表には強く示してもらわなければならない。

文=元川悦子

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