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小林悠がエース・本田に挑戦状…裏への飛び出しを“武器”に代表定着へ

2016.03.09

日本代表候補合宿に参加した川崎FW小林悠 [写真]=兼子愼一郎

 7日から千葉県内でスタートした日本代表国内組候補合宿も9日が最終日。前日とは打って変わって真冬の気候となる中、選手たちは午前10時半から1時間30分程度のやや短いトレーニングをこなした。前日の午後練習で右足首を捻挫した森重真人(FC東京)は大事を取って練習に参加せずクラブに戻り、金崎夢生(鹿島)も接触プレーのあるゲーム形式には参加しなかった。

 前夜に行われた攻撃に関するミーティングを踏まえ、この日はクサビを入れながらタテを狙うパス練習をまず実施。その後はピッチの3分の2を使った紅白戦へと突入した。組み分けは、白ビブス組がGK西川周作(浦和)、DFは(右から)米倉恒貴(G大阪)、植田直通(鹿島)、丸山祐市(FC東京)、車屋紳太郎(川崎)、ボランチ・遠藤航、柏木陽介(ともに浦和)、右FW小林悠(川崎)、左FW宇佐美貴史(G大阪)、トップ下・武藤雄樹(浦和)、1トップ・浅野拓磨(広島)の「4-2-3-1」。赤ビブス組はGK東口順昭(G大阪)、DF(右から)塩谷司(広島)、昌子源(鹿島)、槙野智章(浦和)、藤春廣貴(G大阪)、アンカー・永木亮太(鹿島)、右インサイドハーフ・柴崎岳(鹿島)、左インサイドハーフ・遠藤康(鹿島)、右FW齋藤学(横浜)、左FW永井謙佑(名古屋)、1トップ・興梠慎三(浦和)の「4-3-3」だった。

 ゲームは10分と8分の2本行われ、2本目はGKが東口、林彰洋(鳥栖)という顔ぶれに変わったが、全体を通してインテンシティーの高い内容だった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「今日やったゲームはJリーグで見られないスピードだった」と振り返った通り、選手たちはワンタッチとタテへの意識を前面に押し出しながらプレー。1本目には浅野と宇佐美がゴール。2本目も永井が強烈ミドルを叩き込んだ。

 このうち、宇佐美が奪った得点場面では練習の効果が如実に表れていた。右サイドからパスを受けた武藤が相手裏に抜け出した小林にパス。折り返しを浅野がスルーし、宇佐美が飛びこむという形だった。

「裏を抜けてしっかりアシストできたのはよかった。裏へのスプリントというのはフロンターレで要求されていることと変わらない。自分の得意とする動きをここでも求められているので、自分らしさを出せばアピールにつながると思う」と小林は大きな手応えをつかんだ様子だった。

 ハビエル・アギーレ前監督体制からたびたび代表に招集されていた小林だが、毎回のようにケガで辞退や離脱を繰り返し、定着のチャンスを逃し続けてきた。が、今季はすでに3点を奪い、得点ランキングトップに立つなど絶好調。今回の合宿もケガなしで終えることができた。本人も「どこもケガせずに終わったんで一番ホッとしてます」と安堵感をのぞかせたが、再び代表定着への大きな一歩を踏み出したのは間違いないだろう。

 とはいえ、彼の右FWにはエース・本田圭佑(ミラン)と若手のホープ・南野拓実(ザルツブルク)という欧州組が陣取っている。その間に割って入ることは簡単ではない。それを本人もよく分かっているという。

「圭佑君はボールすごい収まりますし、フィジカル面で体も強くて、あとは決めるってところだと思う。南野君はドリブルだったり、フリーのランニングは僕とまたタイプが違う。僕のプレースタイルはランニングして、裏に抜けてというところ。そこはやっぱり負けたくないですし、ゴールの部分もこだわってやっている。スプリントの回数をもっともっと増やさなきゃいけないし、フィジカル的な強さを向上していくという課題はありますけど、とにかく自分のよさを出して、負けないように頑張りたいですね」と目を輝かせた。

 小林本人も言うように、本田や南野にない裏への飛び出し、より点取り屋らしいプレースタイルをこの先も強く押し出し、Jリーグでゴール量産を続ければ、3月末に埼玉スタジアム2002で行われる2018 FIFAワールドカップロシア アジア2次予選のアフガニスタン代表とシリア代表との2 連戦での連続代表招集も十分あり得るはず。そこが小林にとっての次なる目標だ。もちろん、この日のゲームで輝きを放った浅野、武藤らも同じテーマに向かって自己研鑽を続けていくのは間違いない。1週間後に発表が予定される3月の2連戦に臨むメンバーに生き残るのは果たして誰か。まずは小林の動向に注目したいものだ。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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