2016.03.07

ハリルの警鐘を受け取った槙野…「欧州組と比べたら黄信号。もっと成長しないと」

槙野智章
日本代表候補合宿に参加する槙野智章。危機感をあらわにした [写真]=野口岳彦
サッカーキング編集部。学生時代から全国のスタジアムへ通い続けてきた経験と人脈を生かして、Jリーグを取り巻くピッチ内外のネタを探り続ける。

「我慢にも限界があるぞ!」

 練習前のミーティングで輪になった代表候補選手に対して、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が強烈な檄を発した。いきなりのピリピリムード――。今年9月から始まるロシア・ワールドカップのアジア最終予選に向けた危機感が、指揮官にそう言わしめたのだろう。ハリルホジッチ監督は「我々の代表チームは第二段階に入った」とも話し、選手たちにさらなる成長を求めた。

 3月7日から千葉県内でスタートした日本代表候補合宿。国内組を対象にした今回の短期キャンプは、昨年12月の食事会から集合の機会がなかったJクラブ所属選手を集め、同月末のアジア2次予選に向けたセレクションとコンディション確認、そして代表チームのコンセプトを再確認するために行われることになった。

 7日に集合した選手たちは昼食を摂ることから活動を開始するはずだったが、その食事会場でも“ハリル節”が炸裂。「すんなり食べられるかなと思ったら、なかなか食事にありつけなかった」(槙野智章/浦和レッズ)というほど言いたいことが溜まっていた模様で、思わぬ展開から国内組合宿がスタートした。

 食事後に体脂肪チェックを行った選手たちは17時からのトレーニングに参加。ハリルホジッチ監督は前日にリーグ戦を戦ったメンバーにもハードなメニューを課すなど、短期間の合宿で伝えたい要求は山積の様子だ。その雰囲気は代表候補選手にも伝わっている。ハリルジャパンで主力クラスとして戦い続けてきた槙野が言う。

「過密日程の中で行われているこの合宿にそれぞれがどういう意識で臨んでいるかは分からないですけど、その中で一人ひとりに求められていることを理解することが必要だと思う。僕はダメなところ、できていない部分へのメッセージをもらいにきたつもりですし。個人としても、チームとしても、もっと良くならなければいけない。明日は二部練もありますし、今夜のミーティングも含めて、かなり密度の濃い3日間になる。この3日間で大きく変わると思っています。監督も一人ひとりと話をすると言っていましたし、それが短いようだったら自分でプラスアルファ聞きに行くことも大事。個人的には密度の濃い時間を監督と話すことで過ごすことができればと思っていますし、もっと高い要求に応えていけるようなメッセージを受け取れればと思っています。この合宿は褒められることよりも、怒られたり要求されたりすることのほうが重要だと思っていますから」

 現在、日本代表の約半数を国内組が占める。その成長がなければ、代表チームの強化にはつながらない。だからこそ国内組の意識改革が必要であり、指揮官も世界標準の高いハードルを設けている。そこを超えてこなければ真の日本代表には入れない――。必然的にハリルの要求は高いものになる。

「監督は昨年一年間でやりたいことは国内組に要求してきましたし、昨年末の食事会でもコンセプトなどについて話していました。一人ひとりの課題やチームが目指すものを聞いてから約3カ月が経ちますけど、監督は『まだまだ満足できない』と。そこはハリルさんが目指すものに足りていないのだと思いますし、もっともっと良くするためのメッセージでもある。僕はヨーロッパでプレーする日本人選手と比べて、国内組の選手には黄信号が灯っていると思っています。まだまだできるし、まだまだレベルアップしなければいけない。そういう意味では監督が僕たちに警鐘を鳴らしているんだと思います」

 槙野が話したとおり、日々のトレーニング環境や試合で世界を感じられる海外組との間に生じている“差”は、成長のスピードを上げることでしか埋められない。槙野は指揮官の意図を汲み、「海外組と一緒にプレーすることになった時に、国内組がプレッシャーを与えることができていない。自分たちが席を確保するために、ポジションを奪うためにプレッシャーをかけていかなければならない」と底上げの必要性も説いた。

 3月末にシリア、アフガニスタンとのホーム2連戦でアジア2次予選が終了し、6月のキリンカップを経て9月の最終予選に向かう日本代表。指揮官が口にしたように、チーム作りは明確に次なるステップへ移ろうとしている。国内組の選手たちに求めるのは、意識改革とヨーロッパ組同様のハードル。世界との戦いを見据えたハリルホジッチ監督が、日本代表候補合宿で今まで以上の厳しさを求めていく。

文=青山知雄

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