2015.11.17

香川の起用法に変化か…ドルトムント・スタイルでカンボジア撃破へ

SHIN1109
16日にトレーニングを行った日本代表 [写真]=兼子愼一郎
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

 2015年の日本代表年内最終戦となる2018年ロシアワールドカップアジア2次予選・カンボジア戦(プノンペン)が明日17日に迫ってきた。13日に現地入りし、3日間に渡って試合会場のナショナル・オリンピック・スタジアムで調整してきた日本代表は、不慣れな人工芝とボール、高温多湿の気象条件に徐々に適応しつつある様子。こうしたハードルを逞しく乗り越え、大量得点勝利を狙いにいくしかない。

 試合前日の彼らは17時半から前日練習にのぞんだ。右太もも打撲の金崎夢生(鹿島)はこの日も別メニュー。カンボジア戦欠場は確実となった。それ以外のメンバーはキレを出すためのラダートレーニングやジグザグ走、スピードを上げたスクエアパスなどを経て、狭いエリアでの10対10に突入した。

 主力組と目されたビブスなし組の方には、GK西川周作(浦和)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和)、長友佑都(インテル)、アンカー・長谷部誠(フランクフルト)、右インサイドハーフ・山口蛍(C大阪)、左インサイドハーフ・香川真司(ドルトムント)、右FW南野拓実(ザルツブルク)、左FW清武弘嗣(ハノーファー)、1トップ・岡崎慎司(レスター)が陣取っており、彼らがカンボジア戦スタメンのベースになる見通し。右サイドバックが酒井宏樹(ハノーファー)と、遠藤航(湘南)のどちらなのか、左サイドバックで長友ではなく藤春廣輝(G大阪)の先発はあるのか、左FWは宇佐美貴史や原口元気(ヘルタ)ではないのか…といった疑問は残るものの、西川、吉田、香川、岡崎らチームの軸はこの構成でほぼ決まりだろう。

 今回の注目点は代表初先発が有力視される南野。「若いやつがちょっとでももらったチャンスを生かすかどうか。そこは本人次第だと思います」と日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長もコメントしていたが、彼がシンガポール戦の金崎や柏木陽介(浦和)のようにインパクトを残せるか否かが1つの大きな見どころだ。遠藤も右サイドバックかボランチのいずれかで頭から出ることが考えられるだけに、やはり貴重なチャンスを生かすしかない。

 そして、もう1つの注目点が中盤の構成だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が大事な試合前日にわざわざ逆三角形の中盤を試したように、香川をドルトムントに近い役割でプレーさせる可能性を垣間見せたのは特筆に値する。

「シンジは沢山ボールを触ることでリズムを作るタイプ」とトーマス・トゥヘル監督も語っていたが、「4-2-3-1」のトップ下だとお膳立て以上にゴールの比重が高くなる。本人も「日本代表とドルトムントでは役割や求められることが違う。より高い位置でプレーすることが多くなる」と話していたが、自陣に引いて人数をかけるカンボジアのような相手だと、単に前にいるだけではボールをもらえなかったり、ブロックの網にかかったりするケースが増える。やはり前後左右に動きながらゲームメークしつつ、スペースを見出していった方が彼らしい輝きを放つことができるはずだ。

 加えて、山口がイルカイ・ギュンドアンのようなバランスを取ってくれれば、ドルトムントと非常に近い感覚でプレーできる。「9月のカンボジア戦(埼玉)の時は真司君からは『左サイドに流れたいからあまり上がらずにいてほしい』と言われたけど、その後は『上がってフォローしてほしい』と言われた。一緒に出ることがあれば、フォローの仕方も考えていきたい」と山口も攻撃姿勢をより強める構えだ。実際、9月のアフガニスタン戦(テヘラン)では、後半12分に山口のタテへの突破から岡崎慎司(レスター)のゴールが生まれている。彼はギュンドアンのようなタテへの推進力を十分出せるのだ。

 その2人の背後で長谷部や遠藤がしっかりと全体をコントロールし、的確な配球をしてくれれば、間違いなく香川は躍動できるはず。彼がアクションを起こすことで、相手のマークが引きつけられ、岡崎や宇佐美、南野がフリーになる状況も確実に増えるだろう。この陣容で2次予選E組最下位の相手を徹底的に叩ければ、チームの競争激化が進むと同時に、未来への明るい希望も開けてくる。いずれにしても、彼らには、見る者をスカッとさせる勝利で2015年を締めくくる責務がある。

文=元川悦子

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