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日本の意地を示したい本田…イランは「やはり勝たなければいけない相手」

2015.10.11

10日にテヘラン市内でのトレーニングに臨んだ本田圭佑 [写真]=兼子愼一郎

 13日の国際親善試合・イラン戦(テヘラン)のため、シリア戦(8日=マスカット)直後の9日未明に移動して、調整を続けている日本代表。現地2日目となった10日は、前日と同じ17時から市内西部のパス・スタジアムでトレーニングを実施した。

 この日もテヘランは好天に恵まれ、爽やかな陽気。練習開始時は気温24度、湿度25パーセントという過ごしやすい気象条件に恵まれた。予定より少し遅れて練習会場に到着したヴァイッド・ハリルホジッチ監督と選手たちは2分程度の短い青空ミーティングの後、2組に分かれてトレーニングを進めていった。

 シリア戦で先発したフィールドプレーヤー10人は軽いランニング、短い距離のもも上げ走などのウォーミングアップ、ボールを使ったサーキットトレーニング、7対3のボール回し、体幹・ストレッチという流れで、負荷は軽かったが、時間そのものは1時間半と通常とほぼ同じ長さだった。一方、シリア戦控え組はランニング、キレを出すための短い距離のダッシュ、5人1組のボール回し、狭いエリアでの5対5と進んだところで、別練習していたGKのうち東口順昭ガンバ大阪)と六反勇治ベガルタ仙台)が合流。5対5+GKに入った。この後はダッシュとクロスを交えながらのシュート練習へ。最後は体幹・ストレッチで締めるという内容で、2時間近いハードメニューだった。

 主力組は控え組より一足先に帰路に着いたが、本田圭佑ミラン)がスタジアムから出てくるとメディアと地元ファンが殺到。一時、騒然とした雰囲気に包まれた。けれどもアジアで何度もこういう経験をしている当の本人は至って冷静で、普通と変わらない堂々とした姿勢で取材に応じた。

「前回の反省点を(イラン戦)でどれだけ修正できるか分からないですけど、短い(準備時間の)中でも特に近い選手とは、ちょっとした精度を上げていくこととか、ちょっとした距離感を縮めていくことの確認を密にしている。準備はできるかなと思っています」と彼は話を切り出した。

 この距離感の話は、シリア戦後にも特に強調していた部分。前半は自分と原口元気(ヘルタ・ベルリン)が外に開きすぎた結果、停滞感の強い試合をしてしまった。それを後半から修正したことで劇的な改善が見られたが、同じようなミスを繰り返していたら、アジア屈指の強豪・イランには勝てない。それは本田自身も実感しているところだという。

「次のイランはシリアより激しく来ると予想されるんで、球際のところで失うことも想定される。失うこと自体はいいけど、距離感を遠くして失うのではなく、距離感を近くして失う。失った瞬間にまたプレスをかけられるようにすることが大事。それを頭の中でできていても、大事なのはピッチの中でいかに具現化できるかってことだと思いますね。

 練習試合とはいえ、イランはやはり勝たなければいけない相手。それは向こうにとっても同じことなので、非常に厳しい試合になる。その意味は若い選手も理解しているし、意地がかかってくると思いますね」と彼はイラン相手にベストな距離感を探りつつ、勝利に強くこだわることを改めて誓った。

 日本がイランのホーム、アザディ・スタジアムで対峙するのは、2005年3月の2006年ドイツ・ワールドカップ最終予選のアウェー戦以来。この時はスタンドを埋め尽くした8万人超の大サポーターの異様な熱気に圧倒され、日本はヴァヒド・ハシェミアンの2ゴールで1-2の苦杯を喫している。2008年6月のバーレーン戦(埼玉)で代表デビューした本田は因縁の試合を実体験したわけではないが、プロ1年目の新人選手として神妙な面持ちでゲームを見たはずだ。だからこそ、「イランとは意地のかかった試合になる」という発言が出たのだろう。

「今のイランのことはそこまで詳しくないけど、やっぱり印象的なのは体の強さ。シリアもそうだったですけど、岡崎(慎司=レスター)があれだけガツガツ来られてやられるっていうのは、アジアレベルではありえないこと。イランもヨーロッパと全然変わらない体型で挑んでくるんで、警戒しないといけないですね」と本田は語気を強めた。

 イランという高い壁を乗り越えることができれば、彼自身3度目となるワールドカップの舞台が見えてくる。そこで2010年南アフリカ・ワールドカップの16強を上回る結果を残して世界を驚かせるとともに、2014年ブラジル大会での屈辱を晴らす…。それが、彼らに託された重要な使命だ。

 現在、イングランドで開催中のラグビー・ワールドカップで、日本代表は悲願の8強入りはならなかった。が、南アフリカとサモアに2勝という堂々たる結果を残した。それも彼にとっては大きな刺激になったようだ。

「どっちにしても快挙であることは間違いない。日本のラグビーもやるんだぞというのは確実に示せたんじゃないかと思うし、イタリアの選手も知っていましたしね。我々もここ最近、結果を出せてないんで、やっぱり負けられない。いい意味での刺激はもらえたかなと思います」

 イラン戦ではその刺激を力にして、チームを力強くけん引してほしいものだ。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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