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気温50度の炎天下で緊急トップ会談……ハリル「日本サッカーの危機だ!」

2015.08.03

通訳を介して大仁会長らに熱弁を振るうハリルホジッチ(左)[写真]=兼子愼一郎

文=青山知雄

 ハリルの直訴だ。温度計が50度を超えて測定不能になる灼熱の炎天下、ピッチサイドでいきなりのトップ会談が行われた。

 朝鮮民主主義人民共和国に衝撃的な逆転負けを喫したEAFF東アジアカップ初戦から一夜明け、日本代表が3日午前に武漢スタジアム横のグラウンドで練習を実施。選手たちがランニングで周回する中、視察に訪れていた日本サッカー協会の大仁邦彌会長の下へヴァイッド・ハリルホジッチ監督が歩み寄ると、樋渡群通訳を介して緊急青空会談がスタートした。

 指揮官は身振り手振りを交えながら、大仁会長、田嶋幸三副会長、霜田正浩技術委員長を相手に約10分間にわたって熱弁を振るった。

 練習後に取材を受けた大仁会長は、緊急会談の内容について「ハリルホジッチ監督は『日本サッカーの危機だ。やり方を変えないといけないし、練習の質も上げなければいけない。もちろんコンディションは良くなかったし、フィジカルでやられたが、チャンスは作っていたし、全部が悪いわけではない。期待できる選手はいた』とも言っていた」と明かし、指揮官が何度も訴えているスケジュールの問題についても「少しそういう話もあった。そこはこれからJリーグと話していく」と今後の対応にも触れていた。

 また、霜田技術委員長は「今までずっと代表チームとしてやってきた部分もあって、そこは監督も聞いていこうとしてくれています。過去の試合内容、やられ方、日本に対する相手の対策は理解した上でミーティングもやっていますけど、口で言うのは簡単で、それでもやられてしまう。それは今まで日本がずっと経験してきたもので、同じ過ちを繰り返さないようにしなければならない。もちろん僕らはメッセージを受け取るだけじゃなく、お互いに『強くなるためにやれることはすべてやりましょう』というスタンスですから」と話し、ハリルホジッチ監督はしっかりコミュニケーションが取れていることを強調した。

 指揮官と大仁会長らは宿舎でも日常的に会話を重ねているというが、かねてから過密日程やコンディション、大会に向けての準備不足を訴えてきたハリルホジッチ監督がピッチ上で報道陣を前に動いた形だ。一朝一夕で解決できる問題ではないが、初戦で敗れた指揮官のチーム立て直しと合わせて、日本サッカー界が今後どう変化していくかにも注目していくべきだろう。

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