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「決定力不足」で片付けてはいけないU-19日本代表のアジア予選敗退

2014.10.18

北朝鮮戦に出場したU-19日本代表のFW南野拓実(左)[写真]=Getty Images

 またしても…またしても世界の扉をこじ開けることが出来なかった。グループリーグを劇的な展開で勝ち上がり、誰もが負ける流れではなかったと思っていただろう。しかし、やはりアジアの戦いの怖さか、この流れを持ってしても、大きな落とし穴が待っていた。

 準々決勝の北朝鮮戦、日本は多くのチャンスを作った。しかし、前半の決定機を再三外した結果、カウンターから北朝鮮の猛攻を受け、先制を許す展開になった。後半、ようやくPKで同点に追いついたが、全員が自陣に張り付いてディフェンスを固める北朝鮮を崩しきれないまま、延長戦も経過し、PK戦にもつれ込んだ。結果論だが、日本はPK戦に持ち込ませた時点で、勝機を半減させてしまっていた。なぜなら、この試合は「勝てた試合」であり、北朝鮮は『引き分けが精一杯』だったからだ。相手に取って最良の展開に持ち込まれてしまった時点で、PK戦敗退は決して運が悪かったでは片付けられないものにしてしまった。

「ラストパス、動くタイミング、受けるタイミング、シュートの正確性。シュートテクニックの問題が多かった。気にはしていたが、こうなってしまった」(鈴木政一監督)

『決定力不足』

 そう片付けてしまっては簡単だ。もちろんこれが大きな敗因ではあるが、それ一つだけではない。決定力不足に繋がる技術不足、判断不足、そしてメンタルの弱さなどいくつもの要素が課題として顔を出してしまった。

 確かにグループリーグの勝ち上がりは、このチームの力を感じた。しかし、エース南野拓実頼りだったことも否定できない。もし南野がいなかったら…それを考えただけでもぞっとする。結局FWでゴールを決めたのは南野のみ。しかも総得点の3分の2以上を挙げている数字から見ても、エースに頼り切った図式は否めない。

「自分たちのサッカーは出来ていた」と鈴木監督はコメントした。確かに北朝鮮戦はポゼッションで圧倒し、ほぼハーフコートゲームを演じた。しかし、この試合は一発勝負の戦い。自分たちのサッカーが出来ましただけではいけない。結果が伴わなければ、それは出来ていなかったのも同じ。

 自分たちのサッカーと決定力不足を切り離してはいけない。ここを切り離している以上、いつまでも同じ過ちを繰り返してしまう。決定力も含めて、自分たちのサッカーである。北朝鮮戦で言うなら、がっちりとブロックされた相手に対し、『ポゼッションさせられている時間』が長かったからこそ、延長戦を含めて、PKによる1点しかとれなかった。させられているポゼッションではなく、崩すための手段の一つとしてのポゼッションをする。要はポゼッションが結果を生み出す効果的な手段になって初めて、自分たちのサッカーが出来たと言える。決して『決定力不足』で片付けてはいけないし、U-19というアンダーの代表だから、若年層、育成年代だからという言葉に逃げてはいけない。

 この大会は育成の場ではなく、どん欲に結果を追い求める、真剣勝負の場であることを忘れてはいけない。4大会連続のアジア敗退が生み出す物は、決して明るい未来ではないことを、肝に銘じておかないといけない。

文=安藤隆人

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