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全てはメンタル次第…猛暑逆手に、優位な状況作ると意気込む長友佑都

2014.05.31

合宿地タンパで本田(左)と調整する長友(右) [写真]=Getty Images

 29日に日本を発ち、同日夜にブラジル・ワールドカップ直前合宿地のアメリカ・タンパ入りしたザックジャパン。一夜明けた30日はまず宿泊先のホテルでメディア対応を行い、夕方17時から初練習を行った。

 暑熱対策のために選ばれた場所だけに、現地は午前中からギラギラと太陽が照り付けた。午後には突如として激しい雷雨に見舞われたが、再び晴れ間ののぞいた練習時の気温は約33度。コロコロと変わりやすい気象条件はブラジル大会初戦・コートジボワール戦が行われるレシフェによく似ている。

 本番のシミュレーションという意味では最適な環境の中で、選手たちはストレッチや短い距離のダッシュなど、時差調整を兼ねたフィジカルトレーニングを精力的にこなしていた。右ひざ負傷の酒井高徳(シュトゥットガルト)は依然として別メニュー調整だったが、間もなく合流できる見込みという。非公開になってからは戦術練習が行われた模様だ。

 キャプテンの長谷部誠(ニュルンベルク)が「今はまだ高ぶる気持ちをちょっと抑えている感じ。フィジカル的な部分は十分スタッフの方たちが考えて準備してくれているので、それを絶対的に信じて。あとは精神的な部分でうまく試合に臨めるように、調整してやっていきたいですね」と言うように、選手たちも本番モードに入りつつある。

 27日のキプロス戦で打撲を負った長友佑都(インテル)も「足は問題ない」と強調。「今の状態はまだ80%くらいなので、これから初戦に向けて100%の状態に持っていき、初戦の後には100以上、120くらいまで持っていきたいと思っています」とここから一気にコンディションを上げていく考えを口にした。

 4年前の南アフリカ・ワールドカップでは、サミュエル・エトー(現チェルシー)などに対してエースキラーとして存在感を示した長友だが、今回は「自分は守備だけの選手ではない」という強い自信を胸に秘めて、本番に臨むつもりだ。

「4年前の僕は、守備で相手を止めることを意識してずっとやっていましたけど、今は相手が僕を止めないといけないっていう状況に来ているのかなと。もちろん自分のレベルの部分は自分自身が一番よく分かっていますし、改善点が多いのも分かっていますけど、自分をマークしないと逆に相手が危険な目に遭うんじゃないかなっていうふうには思っています。守備だけだったら僕みたいな選手をサイドバックに置く必要はない。攻撃面でチームに貢献したい」とスケールアップした自分を2度目の世界舞台で示す強い覚悟を、改めてのぞかせた。

 セリエAでも相手のマークが年々強まっていると実感しているという長友。彼の鋭いパフォーマンスは確かにキプロス戦でも際立っていた。他のメンバーが長友くらいのキレ味鋭い動きを見せられるようになれば、日本のベスト16以上の結果も見えてくる。彼には世界基準を身をもってチーム全体に示してもらいたいものだ。

文=元川悦子

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