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女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』発足! リーグ開幕は2021年秋を予定「女性活躍社会の象徴に」

2020.06.03

JFAが、女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』新設を発表 [写真]=JFA

 日本サッカー協会(JFA)は3日、ビデオ会議サービス『Zoom』でオンライン記者発表会を開催し、新しく設立される女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』について発表した。

 日本の女子サッカー界に、変革が巻き起こる。「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」ことを理念とする『WEリーグ』は、日本女子サッカーのトップリーグとして設立される。つまり、位置づけとしては、30年以上にわたって日本の女子サッカーを牽引してきたなでしこリーグの上位ということになる。参入クラブは2020年秋に発表され、リーグ開幕は2021年秋を予定している。リーグはまず6~10チームでスタートし、複数年は降格無しのエキスパンション型を取るという。

 JFAの田嶋幸三会長は、新型コロナウイルスの影響で情勢が変わるなかでも、日本の女子サッカー界への投資を行う決断が揺らがなかったことを語った。

「JFAは昨年来、女子サッカーのプロ化に関して理事会で多くの時間をかけて議論してきました。5年間で10億円以上のお金を投資していこうということも議論しました。ただ、今年の3月から新型コロナウイルスの影響があり、多くのことを変更せざるを得なくなりましたが、女子サッカーに対して3億円の予算を確保しています。そのとき、新型コロナウイルス対策として7億円、女子サッカーに対して3億円と、予算をしっかりと残しました。こういう時期ですが、私たちは選択と集中を行いながら、投資するものにはしっかり投資する、我慢するものには我慢するという意思決定をしています。女子サッカーには、しっかりと投資していこうということです」

 新型コロナ禍における新リーグ設立について、議論を重ねたことを明かした田嶋会長は、「今こそ踏み出すべきという結論を出した」とも語った。

田嶋幸三会長 [写真]=Zoom会見時の画面キャプチャ

 また、日本女子代表(なでしこジャパン)の監督として、2011 FIFA女子ワールドカップ ドイツでチームを優勝に導いた佐々木則夫女子新リーグ設立準備室長は、新リーグ設立の意義を語った。

「なでしこリーグは30年以上も続いてきましたが、近年何でこんなに人気がなくなってしまったのかなと、ふと思いました。そんな時に(田嶋)会長と話して、新リーグ設立のはこびとなりました。2011年、なでしこジャパンはW杯で優勝しました。選手、スタッフが同じものを目指し、意思が体現されたからこそ、勝利をつかめたのだと思います。あまり認知のない選手たちが、日本に感動と勇気を届けることができたのです。スポーツには力がある。新型コロナウイルスによって不安が広がる昨今だからこそ、新リーグ開催へ導いていくことが大事だと考えました。新しい社会の在り方に向かっていく今だからこそ、新リーグを設立し、女子サッカーを通じて多様な夢、生き方の実現を支えていきたいと思います」

「『WEリーグ』の名称は、『Women Empowerment(女性の力)』を端的に表したものです。このネーミングには、4つのあるべき姿が象徴されています。一つ目は『女子が「サッカー選手」を夢見ることができる未来』。二つ目は『サッカーを超えて、女性活躍社会の象徴となる未来』。三つ目は『リーグの描く未来を、さまざまな人々と協力・共創していく意思』。そして四つ目は『関わる「わたしたち」みんなが主人公になるという意思』です」

佐々木則夫女子新リーグ設立準備室長 [写真]=Zoom会見時の画面キャプチャ

 今井純子女子委員長は、『WEリーグ』の3つのビジョンを説明した。「世界一の女子サッカーを」「世界一アクティブな女性コミュニティへ」「世界一のリーグ価値を」――。このビジョンの元で、『WEリーグ』は日本の女子サッカー界のみならず、女性が活躍する社会に対しても貢献していくことを明かした。

今井純子女子委員長 [写真]=Zoom会見時の画面キャプチャ

 また、記者発表会の最後に登場した高倉麻子現なでしこジャパン監督は、『WEリーグ』への大きな期待感を口にした。

「日本初の女子プロサッカーリーグがスタートすることを非常にうれしく思います。今から30年前、日本で女子のサッカーリーグが始まりましたが、女子サッカーの認知度は低く、『そんなものが本当にできるのか?』という声をいただきながらのスタートでした。しかし、たくさの人のサッカーに対する熱、そして選手たちの努力によって、2011年の世界一という大きなものにつながったと思います。今、新型コロナウイルスの影響で大変な時ではありますが、世界の女子サッカーの進歩を見ると、各国が国内のリーグを盛んに行っています。とにかく今スタートしなければ、大きな一歩を踏み出せないのではないかという不安もあります。だからこそ、今みんなで手を取り合ってリーグをスタートさせることが非常に重要だと感じています。たくさんの人の努力があります。何と言っても忘れてはいけないのは、選手が覚悟を持ってこのリーグに臨むこと。大好きなサッカーへの思いをグラウンドで表現してほしいです」

高倉麻子現なでしこジャパン監督 [写真]=Zoom会見時の画面キャプチャ

 なでしこリーグの発足から、早30年。激動のこの時代に、日本の女子サッカー界は進化への一歩を踏み出す。

By サッカーキング編集部

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