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澤穂希の6大会連続W杯出場は? メンバー発表迫る…“サプライズ”は無しか

2015.04.30

2011年のW杯を制し、トロフィーを掲げる澤(左)と佐々木監督(右) [写真]=ullstein bild via Getty Images

文=馬見新拓郎

 5月1日、FIFA女子ワールドカップカナダ2015に臨むなでしこジャパン(日本女子代表)のメンバー23人が発表される。

 なでしこジャパンが初優勝を成し遂げた2011年のドイツ大会は、1チーム21選手の編成だったが、今回のカナダ大会は出場国の増加に伴い、決勝まで計7試合を戦うため、2人多い23人を大会登録メンバーとする。

 4月24日には、予備登録された35選手のリストが明らかになったが、これを見る限り、佐々木則夫監督は女子W杯で勝つための現実的な選択をしたことが明白だ。前回のドイツ大会とその翌年のロンドン・オリンピックを戦った選手の中から、現役を引退した選手を除く全員を予備登録した。

 国内には将来性豊かな若手選手がいるが、佐々木監督はあくまで現時点で世界の強豪と戦える選手を選び、前回大会とロンドン五輪で培った貴重な経験を持つ選手のさらなる伸びしろに期待していることが窺える。

 よって、5月1日に発表されるメンバーには、大きなサプライズは無いと考える。

 やはり世間の注目の的は、『澤は選ばれるのか』だろう。なでしこジャパンの象徴とも言えるMF澤穂希(INAC神戸レオネッサ)は、負傷やコンディション不良によって、14年5月の女子アジア杯(ベトナム)を最後になでしこジャパンに選ばれていない。以降の代表メンバー発表会見の場で、佐々木監督に対し、メンバーリストに名前がない澤に関する質問が記者から出るのは恒例となっていた。

 澤は今回の女子W杯メンバーに選ばれると個人としては予想する。

 プレナスなでしこリーグで現在首位を走るINAC神戸で、背番号8の澤は再び輝きを取り戻している。日テレ・ベレーザ時代に数々のタイトルをともに獲ってきた恩師・松田岳夫新監督の下、澤はボランチの位置で存在感を示している。

「松田さんは、まだまだサッカーがうまくなりたいって思わせてくれる監督。今が一番サッカーが楽しいかもしれない」と澤が微笑めば、松田監督も「澤のコンディションは非常にいい」と、不安要素はあまり見当たらない。

 5大会連続で女子W杯に出場している澤の特筆すべき点は、実力が拮抗した相手との試合で非常に高いパフォーマンスを披露できることだ。神経を研ぎ澄ましてボールを奪い、得点に直接関わる澤の長所は、ビッグゲームでこそ最大限に発揮される。そして今回のメンバー発表に合わせるかのように、先週末のなでしこリーグで澤はチームの全3得点に絡んだ。節目の試合で結果を残してきた、百戦錬磨の澤は健在と言える。

 4年前のドイツ大会と違う点を挙げるならば、移動距離が大幅に長くなること、そしてタイトルホルダーとして臨むということだ。

 カナダ大会は決勝まで勝ち進むならば、最少でも4回の空路移動が強いられる。それによってコンディション調整が難しくなるのは明らかで、いかに疲れを大会終盤に残さないかが連覇のカギだ。主力選手が4年前からあまり変わらないということは、対戦相手もなでしこジャパンの戦い方や選手個々のクセを研究しやすい。

 そこで重要な役割を担うのが、12人目以降の選手だ。大会中にはターンオーバーを採用して、控え組中心のチームが1、2試合を戦うだろう。4年前のドイツ大会には参加したが、翌年のロンドン五輪メンバーに入れなかったMF宇津木瑠美(モンペリエHSC/フランス)、12年のなでしこリーグ得点王であるFW高瀬愛実(INAC神戸)、JFAアカデミー福島出身で昨季の同得点王であるFW菅澤優衣香(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)といった選手は、今最も成長著しい選手たちだ。チームに勢いをもたらすためにも、12人目以降の選手としてどの選手が選ばれるのかにも、注目したい。

 ユニフォームの右胸に直近の女子W杯優勝チームであることを示す、金色のチャンピオンエンブレムを付け、カナダのピッチに立つことが許されるのは23人だけだ。

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