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ベスト4での敗退から4年…なでしこは新たな歴史を開けるか/フランス戦

なでしこは4年間の思いを胸に、初の決勝進出を目指す

 大会前に大きな不安を呼び起こした敗北が、大一番を前にしてチームに大きな活力を与えている。

 なでしこジャパンは、準々決勝のブラジル戦で組織だった守備と鋭利なカウンターによって、2-0の快勝を手にした。とは言え、試合自体は個人技を押し出 してくるブラジルに終始圧倒される苦しい展開だったことには違いなく、激闘による燃え尽きや準決勝に向けて中2日で再びモチベーションを上げられるかは心配どころだった。

 しかし、激闘直後にも関わらず、多くの選手から準決勝に向けた意気込みが口をついて出ていたことから、どうやら杞憂のようだ。澤穂希が「リベンジの意味を込めて勝ちたいと思います」と語ったように、準決勝の相手が大会直前に完封負けを喫したフランスとなったことが、かえって闘志を高ぶらせる好影響を与えていることは明白だろう。ブラジル戦の勝利を大きな山場を乗り越えた安堵感より、チームを後押しする勢いとして持ち込めることは、一発勝負の戦いにおいて は何よりもプラス材料となる。

 4年前にアメリカに敗れて決勝進出が絶たれた悔しさも大きい。澤が「もう悔しい思いをするのは嫌。絶対にこのチャンスを逃したくない」と力を込めるように、悲願のメダル獲得、決勝進出へ向けての気の緩みは全く見当たらない。

 ただ、勢いの面では対するフランスも負けてはいない。グループリーグ初戦で、アメリカに2点リードをひっくり返されるショッキングな逆転負けを喫したが、その後に2連勝。グループリーグを2位で通過すると、準々決勝のスウェーデン戦では2-1の逆転勝ちを収め、ベスト4に駒を進めてきた。実力は大会前の親善試合でなでしこを蹂躙したサッカーから言うまでもないだろう。

 なでしこにとっては、おそらくブラジル戦同様に押し込まれる展開が予想される。体格面で上回るフランスのセットプレーは脅威であることから、ファウルを犯さずどこまで粘り強い守備で食らいついていけるかが、ポイントになるだろう。攻撃ではブラジル戦で見せたカウンターに活路を見出すことは1つの手だが、 圧倒的に守勢を強いられる展開でなければ、試合開始から逆襲を狙うサッカーよりもパスワークで相手とのフィジカルコンタクトをできる限り排除する戦い方がより現実的と言える。

 なでしこは昨年の女子ワールドカップを制したことで、多くの期待とともに重責も担うことになった。フランス戦での完敗による悲観論や大会中の采配をめぐる逆風はその現れとも言えるが、多くの障壁を乗り越えて、前回同様に過去最高のベスト4まで辿り着いた。歩んだ軌跡の正しさを証明できれば、4年間の思い とともに歴史の扉は自ずと開かれるはずだ。

文=小谷絋友(サッカーキング編集部)

 

[写真]=Getty Images

 

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