ファジアーノ岡山は5日、同日に行われた臨時実行委員会および臨時理事会において、協議の結果、競技規則の適用ミスが判明した『明治安田生命J2リーグ第8節モンテディオ山形vsファジアーノ岡山』の再試合が決定したことを受け、北川真也代表取締役社長名義で声明を発表した。
当該試合では、前半10分過ぎに山形のバックパスが無人のゴールに入る寸前でGK後藤雅明が手でかき出した際に、清水修平主審はレッドカードを提示して後藤は一発退場。岡山には間接FKが与えられ、この場面で得点は生まれなかったが、10人となった山形相手に岡山が後半のアディショナルタイムに得点を奪って勝利を収めていた。
Jリーグは「当該試合は競技規則の適用ミスによって、山形は約80分間にわたって一人少ない状態で試合を行うことになり、試合の結果に重大な影響を及ぼし得た」と判断。競技規則の誤適用を是正するための措置に関するJFA及びJリーグの各種規程に該当する定めはなく、本件は試合の成否を決定するというJリーグにおいて重要な意思決定となるため、Jリーグ理事会規程の決裁権限における「IV-1-(2)定款 Jリーグ規約その他の諸規程に定められた事項およびこの法人の重要な業務執行に関する事項」に基づき、理事会にて決議を行うに至った。
岡山は今回の決定が難しいものであるとしながらも、理事会の決定を尊重。その一方で、明確なルール整備がなされていなかったリーグ側の問題点も指摘し、「当事者としてルール作りに適切に関わり、二度と同じ思いをするクラブが出ることがないよう対応してまいりたいと考えています」と主張。誹謗中傷ではなく、建設的な議論を行っていく必要性を強調し、再試合に向けて一致団結していく姿勢を示した。
今回発表された岡山の声明は以下の通り。
▼ 岡山の声明
本日のJリーグ理事会において、J2リーグ第8節モンテディオ山形ーファジアーノ岡山が、再試合となることが決定されました。
90分間死力を尽くして戦った選手、監督、コーチングスタッフ、そして遠く山形まで駆けつけ応援してくださったファン、サポーターの皆さま、DAZNを通して応援くださった皆さまとともに勝ち取った勝利は誇りであり、それが覆されることに直ちに気持ちを整理することが難しいのが正直なところです。
しかしながら、日本サッカー協会(JFA)の審判委員会での議論、JFAを通した国際サッカー評議会(IFAB)への確認、Jリーグの実行委員会の議論を経て、理事会で決定されたことであり、クラブとしてはその決定を尊重し、前に進みたいと考えています。
今回、試合成立の判断だったとしたら、モンテディオ山形に関わる皆さまに納得しがたい気持ちが残るでしょうし、もしかしたら再試合という今回の決定に対しても、手放しには喜びがたい難しさを感じられているかもしれません。
今回の最も大きな問題は、競技規則の適用ミスが起きた場合の試合の取り扱いについて、明確なルール整備ができていなかった点にあります。この点については、ファジアーノ岡山も当事者としてルール作りに適切に関わり、二度と同じ思いをするクラブが出ることがないよう対応してまいりたいと考えています。
また、今回の一連の事態を受けて、SNS等の一部においてリスペクトに欠ける発言が見られますが、こういった不当な非難はどういった状況においても許されることではありません。建設的な議論によって、皆さまとともにJリーグの未来を創っていきたいと考えております。
この悔しさを知っているのは私たちだけです。
再試合が決まった限りは、この悔しさも糧にしてファン・サポーターの皆さまとともにクラブ一丸となって、再び勝利を勝ち取りましょう!
株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ
代表取締役社長 北川真也
By サッカーキング編集部
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