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大久保嘉人が引退会見…自分を貫き通した20年間「悔いなくサッカー人生を終えられる」

2021.11.22

引退会見に臨んだ大久保 [写真]=吉田孝光

 22日、セレッソ大阪に所属するFW大久保嘉人が引退記者会見を行ない、その模様はクラブ公式のYouTubeチャンネルで伝えられた。

 19日に現役引退を発表していた大久保は、登壇すると目に涙を浮かべ「大久保嘉人は、今シーズンをもって、引退します」と声を詰まらせながら口を開いた。そして「20年間という長い間でしたけど、本当に最高のサッカー人生でした。伝えたいことはたくさんありますが、皆様に感謝したいと思います。ありがとうございました」とコメント。また「泣かない予定だったんですけど、速攻泣いてしまいました、すみません」と今度は笑みを浮かべた。


 引退という決断に至った理由については「プロになった時から自分は動けるうちに辞めたいと思っていたので、それが今なのかなと思い決断しました」と語ると、その後の質問で「決断したのは11月16日です。本当に最近なんですけど、ふと車の中や家で一人の時間が多い時に、ここ最近は引退しようかなと思っていた時もありました。この20年間はやっぱり苦しい思いの方が非常に強くて、それを見せないようにと自分はずっと思っていて、細い糸が一本ギリギリ繋がっているような状態でずっとやっていました。その中で一人になった時に『ここで辞めた方がいいのかなと』ふと思い、決めてすぐ妻などに伝えました」と明かした。

 J1リーグでは歴代トップの191得点を挙げているが、200得点という大台が期待される中での引退。その胸中を問われると、「(200得点)獲りたい気持ちはありましたね。だけど、まだまだ自分の力が足りなかったのかなと思っています」と桜色のハンカチで涙を拭いながら語った。

 4人の息子がいる家族への報告については「とりあえず子供を全員椅子に座らせて(引退を)伝えようとした時に、多分察したと思うんですよ。でも察したのが自分がサッカーを辞めることじゃなくて、『え、5人目?』『え、女の子?』って言われまして…(笑)いや、そうじゃないんだけど、サッカーを辞めることにしましたと伝えました」と秘話を明かし、「長男とかは分かっていると思うので『お疲れさん』と。あとは、今は一緒に暮らしていないので、また一緒に暮らせる嬉しさと、サッカー選手でなくなる寂しさがあったように僕には見えました」とその反応を語っている。

 これまで国内外8クラブを渡り歩いてきた大久保は、奇しくも2001年にプロデビューを飾ったC大阪でユニフォームを脱ぐことになったが「C大阪がなければ自分はここまでサッカー選手としてやれてもなかったと思いますし、このC大阪で全てを学び、そこから移籍して色々なことを伝えられるようにもなりましたし。まさか、色々なチームを渡り歩いてまたC大阪に戻してもらえたことには感謝しかありません。やっぱり自分にはC大阪しかないんだなと、そういう思いでいっぱいです」とクラブへの特別な思いを口にした。

 そしてサッカーファンに向けては「自分は汚いプレーヤーで、サッカーの時と普段の時と性格は全く違いますけど、サッカーの時に色々言われながらも自分を貫き通してよくやってきたなと誇りに思いますし、悔いなくサッカー人生を終えられるなと。今は幸せです」と清々しい表情で語った。

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