昨季23得点でリーグ得点王に輝いた川崎FW小林悠が、前節の湘南戦で今季リーグ戦初ゴールを記録 [写真]=J.LEAGUE
■川崎フロンターレ 多彩な攻めのパターンを取り戻しつつあるのは強み
【プラス材料】
前節の湘南戦では、ストライカーの小林悠に今季リーグ戦初ゴールが生まれた。ミッドウィークに行われたACLメルボルン・ビクトリー戦ではDFエウシーニョやDF登里享平が得点を挙げるなど、中央だけではなくサイド攻撃も機能しており、チームとしても多彩な崩し方を取り戻しつつある。メルボルン戦ではMF中村憲剛、FW知念慶、FW大久保嘉人といった前線の選手たちをベンチに置いていたため、今節に向けて休養は十分。チームの得点力も向上の兆しを見せているだけに、そろそろ自慢の爆発力が期待できる。
リーグ戦の無敗記録は昨季から継続中で、17試合連続無敗とクラブ記録を更新している。低迷が続くG大阪が相手なだけに、ここはホームで勝ち点3を積み重ねておきたい。
【マイナス材料】
前節の湘南戦では、先制点は奪ったもののセットプレーから追いつかれての引き分け。続くACLメルボルン戦でもCKで失点し、試合終了間際にはPKを献上。土壇場で勝利を逃す痛恨の引き分けとなった。特にCKからの失点が続いていることに歯がゆさを口にするのは、負傷中のGKチョン・ソンリョンに代わって先発が続いているGK新井章太だ。「CKは集中してほしいし、一人一人にマークの重要性をもっと伝えていかないといけない」。
今節はACLから中2日での試合となるため、多少のメンバーの入れ替えはあるだろう。失点の続いている最終ラインに関して言えば、メルボルン戦に向けた紅白戦で確認していた形である、登里の左サイドバック起用、車屋紳太郎のセンターバック登用の可能性もあるだろう。
文：いしかわごう
■ガンバ大阪 ルヴァン杯で攻撃のアクセントとなったMF矢島慎也に期待
【プラス材料】
直近のルヴァン杯では広島に0－4で大敗。そこから中2日で今節を迎える。準備期間が長くないこともあって大幅なメンバー変更はなさそうだが、その広島戦で収穫と言える部分をスタメンに組み入れて予想した。なかでも、後半からトップ下に配置されたMF矢島慎也が、前半は完全に沈黙していた攻撃にアクセントをつけたこと、それによってやや流れが生まれたことは今節につながる部分。川崎の攻撃力を警戒して引きすぎる展開になれば劣勢にさらされることが予測されるだけに、前線に運動量も走力もある矢島を据えて、前からの圧力をかける狙いは十分に考えられる。
加えて、広島戦では見られなかった中盤の底からの攻撃参加の必要性を考慮して、ボランチの組み合わせも変更。いずれも攻撃力のある2人がどうバランスを取り、攻撃に加われるかもカギになるだろう。
【マイナス材料】
深刻なのは、形を作れず得点を奪えない攻撃以上に、『守備』が大きくバランスを崩していることだろう。
昨季まで5年間続いた長谷川健太体制では、徹底して守備力を植え付けられたはずだが、「やらされていた」感が強かったのか、今はその片鱗さえ見られない状況に陥っている。もちろん、昨季とは守備の約束事も変わっているとはいえ、チームを作っている最中にある序盤戦のこの時期は、ある意味、状況に応じて昨年までの守備に立ち返ることも悪くはないはず。そのためには、状況をピッチで判断し、チームを動かしていける守備のリーダーが必要だが、いまだその姿が見られない。今季からゲームキャプテンを預かるDF三浦弦太あたりにマインドの変化が生まれれば、プラスの変化が生まれそうだが……。
文：totoONE編集部